「……それもそれで半信半疑なんだけど。なんで私と君とのタッグなら、このカメラを
はてさて、分解するためにカメラを増やそう、みたいな案が出てきたわけなのだけれど、それを聞いたMODさんは若干不機嫌そうである。
……まぁそれもそのはず、彼女の技能はAUTOさんも言ったように、外見だけを模倣するもの。
見た目を真似たら中身までそれ相応になる──という類いの便利な模倣・変身能力ではないため、『一つの物を複数に増やす』という用途に向いていないのは当たり前の話なのである。
ところが、それを聞いたAUTOさんは(彼女としては珍しく)ふふん、と強気な笑みを浮かべていて。
「外見だけの模倣とはいえ、模倣は模倣ですわ。……見方を変えてくださいまし。カメラそのものを
「……すっごい無茶苦茶なこと言い出したんだけどこの人!?」
そうして彼女から飛び出した案──中身の再現性に問題があるのなら、
「……ええとつまり?全体を細部から模倣する、なんていう無茶苦茶をやるに辺り、その補助として最適なのが自分だと?」
「まぁ、そういうことになりますわね」
あれから、AUTOさんの作戦を詳しく聞くことになったのだけれど。
……確かに、現状ではこれが一番正確性が高いモノである、と唸らざるを得ない話なのであった。
AUTOさんは技能の一つとして、対象の物体を
あくまでも最善であり、最高にはなり得ないそれだが──だからこそ、
つまり、彼女の技能でMODさんの技能を補助し、本来負担どころかオーバーワークになるであろう複数物品の同時模倣を行おう、という話が彼女の持ち出した案なのであった。
見方を変えれば、MODさんを3Dプリンターにしてしまおう、という話になるか。
「……普通なら無理だって言うし、なんなら人権侵害だーとか喚くところなんだが……」
「この場合、MODさんは模倣部分を出力するだけで、実際にカメラを立体化するのはAUTOさんの方なんだよねー」
道具扱いされているようなもの、という点で人権侵害云々の話は継続しているものの、『最善』にするというAUTOさんの性質ゆえにMODさんへの負担はゼロ……とは言わないものの、普通にしているのとさほど変わらないくらいにまで抑えられることとなる。
つまり、気持ちの上での忌避感を除けば、彼女に掛かるデメリットはなにもないのである。
実際、現状時間がないことやそれ以外の手段が見付からないことなどを除けば、これ以上の手段を用意するでもない限り断る理由がないわけだし。
……ああいや、もう一つ彼女が嫌がる理由が一つあったか。
「……この体制じゃないとダメなのかい!?」
「ええまぁ。間接的に貴方の技能を使わせて貰う以上、一番いいのは二人が合体……融合?することですが……」
「合体!?融合っ!?」
「(……そこを気にする理由がわからないのですけれど)まぁ、これくらいぴったりと寄り添わないと、手先が滑ってしまう可能性がありますので」
現在の二人の状況は、MODさんの後ろからAUTOさんが抱き付くように腕を回し、彼女の両手に自身の両手を添える、という形。
……見方を変えれば恋人達が抱擁しているかのよう、というか。いやまぁ、更に見方を変えると『後ろの人の視線が隠れてない二人羽織』なのだが。
とはいえ、さっきからペースを乱されまくりのMODさんとしては、混乱しきりといった状態。
そうして緊張からガチガチになるせいで、AUTOさんが彼女の緊張を解すために更に密着してくる、という悪循環である。
……一回離れた方がいい、って助言するべきかなー?
『(離したらもう二度とくっ付けなくなるだろうから)構わん、やれ』
「そんな殺生な……いやまぁ、可哀想なのはあくまでもMODさんだけなんだけども」
なお、TASさんからは既に今の時点であれこれと間延び過ぎなので、さっさと話を先に進めろとのお達しが出るのでありましたとさ。
うーん、当事者じゃないからって鬼畜ぅー。