「落ち着きましたか?」
「はいぃ~……すごーく落ち着きましたので、この縄をほどいて頂けると嬉しいですぅ~……」
「まだ声が震えてらっしゃいますわね。もう少しそこで大人しくしているように」
「そんな殺生なぁ~……」
どこにそんなパワーが隠されていたんだ?
……的な困惑と恐怖をもたらしたダミ子さんの暴走は、CHEATちゃんという尊い犠牲を出した後に鎮圧された。
俺達は、彼女の勇姿を決して忘れることはないだろう。
さらばCHEATちゃん、フォーエバー……。
「死んだみたいに言うんじゃねぇ!!普通にぴんぴんしてるわっ!!」
「おっとCHEATちゃん、生憎この『CHEATちゃんを偲ぶ会』はスキップ不可だ。そのままベッドの上で、神妙な顔で眺めておくといい」
「
なお、別に彼女が死んだでしまったとかそういうシリアスな話ではなく、単純にダミ子さんに吹っ飛ばされたため安静にしているように、とベッドに寝かされているだけの話である。
まぁほら、吹っ飛んで壁に背中を打ち付けたのは事実だから……。
「壁がバキバキになるところが見られるかと思ったのに、残念」
「あんなん実際に起きたら私の体の方がバラバラになるわ!?」
「そこはほら、上手いことチートで衝撃だけ壁に逃がすとか……」
「そんなんできるんなら端から吹っ飛ばんようにするわぁっ!!」
「むぅ、あーいえばこーいう」
「言わせてんだよお前がなぁ!?」
まぁ、背中を打ったと言っても大したダメージではなかったようで、こうしてTASさんとのコントに精を出す余裕もあったりするわけなのだが。
……意外と頑丈だよね、この子。
なお個人的な私事ですが、私めの方は思いっきり背骨をヤられて全治二ヶ月の重症です()
「
「早速有効活用してやがる……」
流石にそれは困るとのことで、TASさんからの救済措置がもたらされたわけなのだが……なんというかこう、素直に喜べないのはなんなんだろうね?
さっきのCHEATちゃんじゃないけど、そうなる前に止めて欲しかったというか。
……まぁそんな文句を言ったところで、恐らくTASさんからは「必要なイベントだった(キリッ」とか返されるだけなのだろうが。なお「キリッ」まで含めて口頭である。……ふざけすぎぃっ!!
「お兄さんの脳内で勝手に私の台詞を捏造するの禁止ー」
「つっても、今までが今までだからなぁ……」
「むー」
「あいててて、ごめんてごめんて」
「……あの、イチャイチャしてなくてよろしいですから、そろそろ話を進めて貰っても?」
「おおっと」
最終的にAUTOさんに怒られつつ、話は元の方向に軌道修正される。
……で、なんだっけ?
確かダミ子さんのダミー効果が上手いこといってない、みたいな話だっけ?
「そうですわね。確か、ダミーデータを先埋めする……みたいな話だったはずですけれど……」
「そこに思い違いがあった。ダミ子のダミーはダミーはダミーでもダミー違いだった」
「……ダミーという言葉がゲシュタルト崩壊しそうなのですが?」
「安心して、何度も繰り返し『ダミー』って発言することにより、『ダミー』という言葉にシステム的な穴を作って世界をハックしようだなんて大それたことは考えてないから」
「それ答えを言っているようなモノではありませんこと???」
会話関連で若干チート臭い技法を手に入れたせいか、最近のTASさんは浮かれ気味なところがある気がする。
なので、俺達は彼女が無茶苦茶し始めないように目を光らせなければならな……って違ぇ!
「今はTASさんの遊びに付き合ってる場合じゃないの!真面目にやりなさい!」
「はーい」
すぐに横道に逸れようとする彼女にまともに付き合っていては、話が進まないどころの話ではない。
下手するとそれだけで一時間・いや二時間だの三時間だの時間を浪費する羽目になり、結果として俺達は長々と駄弁り続ける羽目になってしまうのだ。
それを避けるためには、彼女の言うことは腹八分目……もとい話し半分に聞いておくのがベスト。
……ああいや、それだと結局元々の議論も無意味、みたいな話になるのでは?
「……貴方様、貴方様の悪いところは結局そうして彼女のペースに合わせてしまうところだと、私常々思っていましたの」
「おおっとこれは俺まで責められるパターン!?」
なお、考え事が長いというもっとも過ぎるツッコミがAUTOさんから飛んできたため、この辺りの思考も早々におじゃんになったのでありましたとさ。
「なんでもいいですからぁ~、いい加減ほどいて下さいぃ~……懲りましたぁ~、もう反省しましたから許してくださいぃ~……」
「「あ」」
ついでに、結局放置される羽目になったダミ子さんがぴーぴー泣いていたため、それを宥めるのに更なる時間を要したことも、ここに言い置いておきます。
……なんにも話が進んでねぇ!!