「……まぁ要するに、ダミ子さんは要らない子じゃないよー、ってことで」
「……なるほど!よくわかりましたぁ~!!」
「これほど『絶対なんにもわかってない』って顔も中々見れねぇよな……」
どうにかダミ子さんに理解させようと四苦八苦したものの、無理そうだったためとりあえず重要な部分だけ納得させた俺達である。
……それも微妙?そこはほら、彼女の理解力を信用するってことで。別に面倒臭くなったとかそういうんじゃないからマジで。
とまぁ、脳内で誰に向けたのかわからない言い訳を垂れ流しつつ、改めて話題を戻すと。
「つまり、ダミ子にもパワーアップイベントが必要ってこと」
「この単純な答えを導き出すために、どれだけ回り道をしたことか……」
「む、回り道ではない。これも立派な最短ルート。急がば回れ、って言葉もある」
「それを持ち出されるとなにも言い返せなくなりますわね……」
結局のところ、他の面々のようにダミ子さんにも強化イベントが必要だった、というとても単純な答えに行き当たるのであった。
この場合は、単なるキャラデータとしてのダミーから、ゲーム内のあらゆるダミーになれるように……みたいな感じだろうか?
なので、今までの説明とか全部省略して、この部分だけ説明すればよかったのでは?……みたいなツッコミが出てくるのも仕方のない話。
しかしてTASさんは心外そうに、これまでの流れだって必要なモノだった、と不満そうな顔を覗かせるのであった。
うーむ、君にそう言われるとそうなのかなー、ってなるから反論しにくいなぁ。
だってほら、彼女は唯一この面々の中で
そんな人が『これが一番良い選択』などと言い出せば、同じ見方のできないこちらとしては信じる他なくなるというか……。
「……その言い方だと、まるで疑ってるように聞こえる」
「TASさんの最速への情熱は知ってるけど、同時にTASさんの『S』が最速以外の意味を持つってことは周知の事実だからね」
「……むぅ」
ただ、彼女はTASさんを標榜する者。
……より正確に言うと『
そのため、その時々の行動が最速狙いなのか魅せ目的なのか、端から見ただけでは全く判別できないのである。
なんなら、彼女自身その判別の難しさを逆手に取っている節があるので、実のところ絶妙に信用のならない相手ということになってしまっているのだった。
で、その人物評を聞いたTASさんはと言うと、渋い顔(珍しく本当に渋い顔)で、暫く呻いていたのであった。
恐らくだが、言われたことに心当たりがあった……などの精神状態から出てきた反応だと思われる。
「アイツにも、反省するとかそういう気持ちがあったんだな……」
「それ、わりとブーメランな気もするけど……まぁ、確かにちょっとビックリだねぇ」
「不愉快」
「「ぬわーっ!!?」」
「なにをやっていますの貴方方……」
なお、自分が
「まぁ、パワーアップ云々と言っても、それができるようになるのは貴方が本格登場してからの話。具体的には八月以降」
「データ的に仲間になってない内にあれこれやっても、内部処理的に元の値に巻き戻されるとかだっけ?」
より正確には、周回確定時のクリア後データに差し替えられる、みたいな感じだそうだが。
そんなわけで、とりあえずダミ子さんも地獄のブートキャンプが待ってるよー、という予約が入ったところで(地獄は嫌ですぅ~!?……というダミ子さんの悲鳴は無視)。
とりあえず、この話については後回しである。
差し迫る別の脅威がある以上、そちらの会議を優先するのが筋……ということになるだろう。
「別の脅威……?なにかあったかな、そんなの?」
「えー?いや、特に思い付かねぇけど……」
「いいや、あるぞ。特級の厄介事が」
「特級、ですって……?!」
ただ、他の面々はどうにもピンと来ていない様子。
……無理もない。だってそれは、彼女達にとっては
だがしかし、こと一部の人間にとっては、なによりも優先すべきであり、尚且つ無視できない重大な問題へと変化するのである。
「それが……」
「「「それが……?」」」
こちらに注目する女子達の前で、俺はその問題がなんなのかを明かすのであった。……
「その問題ってのは、
「「「……はい?」」」
なお、女子達の反応は今一であった。
……なんでだよ!タイトル君もずっと訴え続けてたじゃんか!!!(メタいよお兄さん、というTASさんからのツッコミが入った)