うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

219 / 728
梅雨の問題山積みだっ

「……ええと、梅雨が問題、なんですの?」

「そうだよ、梅雨は大問題なんだ!」

 

 

 こちらが熱く語る中、他の面々の反応はいまいちであった。

 

 AUTOさんは意味がわからないと首を捻っているし、CHEATちゃんは『なに言ってるんだコイツ』みたいな視線をこっちに向けてきているし、MODさんに至っては『あー、洗濯物が乾かないとか、そういうあれかなー』みたいな顔をしている。

 

 ……違う、違う違う違ーうっ!!

 いやまぁ、洗濯物が乾かないのは大問題だが、ここで言う問題はそれとはまた別のものなのである。

 

 

「別と言いますと……食べ物がカビてしまう、とか?」

「違う!いやまぁそれも問題だけど、それ以外!」

「ええ……?ええっと……モノが湿気でやられる、とか?」

「惜しい!さっきよりは近い!」

「……いや、いつの間にかクイズ番組みたいになってないかいこれ?」

 

 

 女子達が次々と予想を披露してくれるものの、そのどれもが不正解。

 いやまぁ、実際には答えの近くを掠めたりしているので、全くの見当違い……ってほどでもないのだが、結局答えが出てきていないのは変わらず。

 

 そんな三人とは対称的に、「あー」みたいな顔で神妙にしているのが、なにを隠そうダミ子さんとDMさんの二人であった。

 ()()()()()()()()()()()()()()ため、ここでは解答者に回らず聞きに徹しているのだが……。

 

 

「そこでヒントですっ!この二人と君達三人との違いは?」

「えっえっ?……ええと、自宅警備員(ニート)かそうじゃないか?」

「……ある意味間違ってないけど、止めてやれ。ダミ子さんが過呼吸起こしてる」

「えっ。……わぁっ!?ごごごごめんダミ子っ!?」

「はひゅー……い、いいんですよチートさぁん。だって私が……はひゅーっ、役立たずの穀潰しなのはぁ、……はひゅーっっ、紛れもない事実ぅ……なんですからっ……!……ごふっ」

「ひぃーっ!!?滅茶苦茶死にそうになってるっ!!?」

 

 

 なんて惨いことをするのか。CHEATは悪魔なのかな?

 ……なんて冗談は置いとくとして、実のところ彼女の目の付け所は決して悪くはない。

 自宅警備員……悪い言い方をするとニートというのは、要するに()()()()()()()()のこと。

 それはつまるところ、()()()()()()()()()()のことを指しているのだから。

 

 

「そこを考察に加えていけば、自ずと答えは導かれるはず……」

「家に居ることが答えに繋がる……?」

「あー、つまりはこういうことだろう?私達はこの家に外から集まってくるけど、彼女達は最初からこの家に居る。……つまり、件の問題とやらは」

「……この家にずっと居る人間なら、気付けて然るべきもの……ということですの?」

「その通り」

 

 

 なので、俺も()()()()()の人間にカウントされる。

 それらの情報を纏め、尚且つ現在()()()()()()()()()()()人物が一人居る……ということを総合すれば、答えはもうすぐそこだ。

 

 

「……あ、あー!もしかして……」

「その通り。梅雨に起きる問題っていうのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()なんだよっ!!」

「あー……」

 

 

 そう、梅雨に関わる問題がなんなのか。

 その答えは、見える範囲に雨──すなわち無数の水の粒が居座り続けることによる、描画ラグのこと。

 ……わかりやすく言えば、TASさんの最適化に非常に大きな問題を引き起こす、ということにあるのであった。

 

 

「むぅ、大袈裟。流石に私もそこまで子供じゃない」

「……あ、あれ?なぁなぁ、思ったより普通に見えるんだけど……」

 

 

 ただ、その問題の当人であるTASさんは、心外だという風に鼻を鳴らしていたのであった。

 その様子を素直に受け取ったCHEATちゃんは、こちらを振り向いて『問題ないんじゃね?』みたいな顔をしているが……甘い、甘いぞCHEATちゃん。

 甘すぎて虫歯が確約されている、と言っても過言ではないくらいに甘いぞぅ。

 

 ……何故かほっぺを押さえ始めた(虫歯じゃないもん、という無言の抗議)CHEATちゃんは放置するとして。

 この状態のTASさんの言うことを素直に聞くようでは、まだまだTASさん検定二級は与えられない。

 

 

「TAS検定……?」

「AUTO君AUTO君、その言い方だとTASになるための検定みたいに聞こえるから止めるんだ」

「いいかい三人とも。よーくTASさんを見るんだ、さすればいつもの怒り顔よりちょっと眉が寄ってる──すなわちかなり怒っていることに気が付けるはずだ」

「……MODさん、私横になってきても構いませんか?」

「止めてくれこの空間に私とCHEAT君だけを放置しようとするんじゃないっ!!」

 

 

 ……なにをごちゃごちゃ言っているのだろうか、この子達は。

 ダミ子さんとDMさんは既にTASさん検定準一級まで取得しているのだから、彼女達にも早くそのラインにまで上がってきて貰いたいのだが。

 

 ともかく、今のTASさんが普段より不機嫌であることは事実。

 ゆえに、先ほどの言葉も字面通りに受け取ってはならず……。

 

 

「梅雨の大雨程度、行動範囲内の雲を全部吹っ飛ばせばそれで大丈夫」

「なにも大丈夫じゃないのですがっ!?!?」

 

 

 続いてTASさんが溢した結論に、ようやくAUTOさん達も事の重大さに気付いたのであった。

 ……全くTASさんの相手は地獄みたいなもんだZE☆(死んだような眼差し)

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。