うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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君は雨をも吹き飛ばす完璧な貴女

「……えーとつまり?別に梅雨だけに限らず、なにかしらの小さな物体が空気中にちらつくような時期になると、毎回こんな感じで拗ねてしまうと……?」

「そうそう。他には花粉とか、雪とかの場合もあるね」

 

 

 MODさんの言葉に、小さく頷きを返す俺。

 まぁ雪に関してだけは、この一帯には余り降らないこともあって、そこまで大事にはならないわけなのだが。

 

 ……そのわりには、加入タイミング(夏以降)的にその時(降雪時)のTASさんの様子しか知らないはずの二人が、揃って微妙な顔をしているって?

 そこはほら、TASさんって基本的に顔には出にくいけど、それでも周囲が判別できるくらいの変化はあるから……。

 

 

「……ええと?」

「今回ほど露骨じゃないけど、しっかりとその時のTASさんも不機嫌になってたんだよ。……まぁ、DMさんのお陰で天候操作を覚えられてからは、その辺りは緩和されたんだけども」

 

 

 要するに、AUTOさん達の見てないところであれこれとあった、というわけである。……雪を見る度思い出せ、するTASさんが居たというか。

 

 ……とはいえ、その辺りは珍しく神らしい特技を見せたDMさんと、それを見て覚えたAUTOさん・そこから自分にも流用することに成功したTASさん……みたいな感じで、一応は解決の目を見たのである。……見たはずだったのである。

 

 

「……はず?」

「ああうん。AUTOさんさぁ、ちょっと試しに天候操作してみてよ」

「はい?……ええとその、私の場合巫女の真似事になるので、ちょっと恥ずかしいのですが……」

「いいからいいから」

「人の羞恥を、勝手に軽いものに貶めるのは止めて下さいませんことっ?!まったく……って、あら?」

 

 

 こちらの言い淀む姿に、AUTOさんが首を傾げているが……敢えてここでは答えず、代わりに彼女に天候操作をしてみるようにとお願いする俺。

 その言葉を聞いたAUTOさんは、当初恥ずかしそうに頬を染めながら舞を天に奉納し始めたのだが……すぐさま違和感に気付いたようで、こちらに怪訝そうな視線を向けてくるのであった。

 

 

「……天候操作って、つまるところDMさんから教わったものだろう?だからまぁ、ある意味では()()()()ってカテゴリになるわけで。……そのせいなのか、技術ツリーの解禁が()()()()()()()()()()()()()ってことになってるらしくてね……」

「な、なるほど……」

 

 

 手順は間違っていないはずだというのに、空はうんともすんとも言わず、代わりとばかりに雨粒が絶え間なく降ってきている。

 

 ……これはつまり、天候操作コマンドがちゃんと機能していない、ということ。

 どうやらこの天候操作という行動、人一人に動かせる範囲としては広すぎるせいなのか、扱いとしては()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……みたいなものになっているようで。

 とても雑に説明するなら、『今はコマンド解禁されてないので使えません』という状態になっているのだそうな。

 

 

「……あー、ストーリー進行上の重要アイテムは、周回には引き継げなかったりするっていうあれ?」

「そうそれ。天候操作は終盤の飛行船解禁に相当する……みたいなやつ」

 

 

 そういう技術が存在する……という知識は引き継げるものの、それを実際に使えるようになる時期は決まっている……みたいな?

 

 そんなわけで、現在のTASさんは「○○が使えたのなら、こんなやつ(※雨雲)一撃で吹き飛ばせるのに……!」みたいな心境になっている、というわけなのであった。

 ……え?その例えは不適切(別に他の方法が使えない、というわけではないという意味で)じゃないかって?まぁ、はい。

 

 

「はいじゃないが?」

「ははは。穏便な方法が使えないのなら、荒い方法でも使い倒そうとするのはTASさんの生態みたいなものなので……」

「諦めんなよお前ー!」

 

 

 正直、どう言い繕おうともTASさんが雨雲にイラついている、という事実は変わらないわけで。

 ……ならばまぁ、危機感を共有するためにちょっと大袈裟に表現するのも俺の仕事……みたいな?

 

 そんなことを呟けば、諦めんなよお前という言葉と共に、CHEATちゃんの前後揺らしが俺の頭に炸裂したのでしたとさ。

 ……止めて脳が揺れるぅ~。

 

 

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