「うーんなんでだろうなぁ、一応一日ぶりのはずなのに何日も変化してたような気がするのは……」
「お兄さん、メタ発言を持ちネタにするのは諸刃の剣だから止めた方がいい」
「おおっと」
はてさて、束の間の水着回は終わりを告げ、みんな大好き()月曜日の朝である。
……夏に入ったとは言ったが、夏休みに入ったとは言っていない。この意味がわかるな?
「ええ、期末テストのお時間……ということですわね」
「めんどぉくさーいぃ……」
「CHEAT様が溶けてますね」
「まぁ、わからないではなくめんどくさい、ってところに悲哀があるよね」
そう、学期末の試験のお時間である。
……いやまぁ、俺には関係のない話なのだが、ここにいる面々のほとんどは学生なので、ね?
まぁ、基本的にみんな学力的な不安はなく、単にしばらく拘束される……というところに不満があるみたいだが。
「……そういえば、これが終わるといよいよMODさんの参戦タイミングか」
「今回はシナリオブレイクしていいから、ヤンキー達を千切っては投げしたい」<ワクワク
「TASさんがやると単なる蹂躙劇になるからダメです」
「えー」
「……そもそもその前の的屋で無双とか、あれやんなきゃダメなのか?寧ろ恥ずかしいんだけど」
「まぁ、一応導入部分ですからねぇ」
ゆえに、一同の話題は既に試験が終わったあとの話に移行中。
そろそろMODさんの参戦イベントであるため、その辺りの話が中心となっていったのだが……。
「……って、あれ?どしたのMODさん、無言で突っ立って」
「……ばい」
「はい?倍?」
「……ヤバいヤバいヤバいヤバいすっごい大切なこと忘れてたっ!?」
「はいっ!?」
その中心人物となるはずの、MODさんの様子がおかしい。
彼女はみんなの話に加わらず、何故か突っ立っていたわけなのだが……よくよく見るとか細く震えていた。
その震えは次第に大きくなり、結果として爆発。青褪めた顔をこちらに見せながら、右に左に右往左往し始める始末。
これはただ事ではない、と悟った俺達は、意を決して彼女へと確認を取ることに。
「ええと……ヤバいとは、どういう?」
「……君達は私がどういう人物か、ということをよく知っているよね?」
「は、はい?ええと……スパイなんですよね、凄腕の」
「ああその通り!私の仕事は敏腕スパイ!世界を股に掛けるとても凄いスパイなんだ!」
なんだその語彙力の下がりに下がった自己紹介は。
……とは突っ込まず、大人しく彼女の話を聞く俺である。ここで変に突っ込むとややこしいことになるからね、仕方ないね。
ともあれ、出てきた情報に新しいことはなにもない。
以前から俺達が知る情報が、そのままお出しされた形である。……ゆえに、彼女が慌てる理由というものが今一ピンと来ないのだが……。
「いいかい、世界を股に掛けるということは──つまり、
「……ふむ?」
確かに彼女はスパイだが、表向きには高校生社長として認識されている。
……いやまぁ、こっちが知る彼女の顔というとスパイ方面ばかりで、寧ろ社長としての顔なんてなんか色々所有してるなー、くらいのことしかわからないわけなのだが。
ともかく、彼女は忙しい身の上であるため、学校には
それでも彼女が退学させられずにいるのは、きちんと授業料諸々を払っていることと、
……って、ん?
「……出席日数が足りていない分、きちんと提出物やら試験の成績やらで点数を稼いでいる……というのが、私が退学せずに済んでいる理由だ。それは裏を返せば、
「ま、まさかMODさん……」
なんとなーく嫌な予感がしてきた俺だが、目の前のMODさんはその不安を肯定するかのように言葉を連ねてくる。
そして、
「……真っ白ですわね」
「あー、どれもこれもなーんにも書かれてないな?」
「これは……」
出てくるのは、まっさらで手の付けられていない、課題の山・山・山。
それらを俺達の目の前に洗いざらい放り出したMODさんは、一つ大きな深呼吸をしたのちに、こう声を出したのであった。
「──次の試験、満点取らないと退学確定なんだどうしよう!?」
「お ば か ! !」
……なお、みんなからの反応が散々であったことは、言うまでもないことである。
いやほら……ね?
みんなも、提出物はちゃんと期限までに提出しましょう(戒め)