「夏だ!休みだ!宿題だー!!」
「……夏休みの宿題を初日に終わらせる……というのは、本来のこの課題の目的からすると、大いに問題があるのではないでしょうか……?」
「勉学を毎日行う習慣というものを継続させるためだとか、はたまた通常の授業から日をおいて改めて復習させることにより、知識の定着を助けるためだとか、色々言われているね。……でもまぁ、課題をやるのを忘れるよりかはいいんじゃないかな……」
(……じ、自虐ネタ過ぎる……)
(迂闊に触れない話を持ってくるのは、お止めくださいませMODさん……)
はてさて、学生達待望の夏季休暇到来、というわけなのだが。
その初日である今日、我が家に集まった不思議ガールズがやっていたのは、見た目とても地味な夏季課題の片付け作業なのであった。
……まぁうん。学生達にとって夏休みといえば、単なる休みだけではなくこういう山盛りの課題も印象的……ってわけだけれども。
それをどう片付けるのか?……みたいなところには、本来それなりの個性が出るもの(現に、前回ループではAUTOさんは
では何故今回は、こうしてみんな纏めて今日の内に片付けようとしているのか?……というと。
「これからわくわくどきどきの夏の大長編が始まります」<フンス
「こうしてTASさんが滅茶苦茶張り切ってるから、なんだよなぁ……」
「前のループの繰り返しではよくない、という主張はわかるんだけど。だからといって、どこぞの国民的アニメみたいな展開を目指す必要性はない……と私は思うんだよなぁ……」
はぁ、とこちらがため息を吐く先で、やけに張り切っている少女が一人。
……なにを隠そうTASさんその人なわけだが、今回こうして彼女がテンション高めになっているのには理由がある。
直近でやってくる一番大きな出来事は、それこそMODさんの加入イベントだろう。
だがそれが過ぎてしまうと実のところ、夏のイベントとやらに語るべきところはそう多くないのである。
「水着イベントを前倒ししたから、そこの判定部分が空になってる。これは嬉しい誤算」
「……イベントとやらは、基本タイミングを動かせないのでは?」
「モノによる。水着イベントは動かせる方だったみたい」
これは今回明らかになった話なのだが。
一部の固定必須イベントを除くと、ある程度のイベントはその発生タイミングをずらせるのだという。
分かりやすく説明すると、彼女達それぞれの加入イベントは固定の必須イベント。
そして本来夏休みの中頃にやってくるはずだった水着イベントは、固定ではなく浮動イベントだった、と。
なので、つい先日俺が女性化した上で発生したあの水着イベントは、その実これから来るはずのイベントを先取りしたものだった、ということになっているらしい。
……いやまぁ、ツッコミ処が多すぎるんだけどね?
前回のそれはMODさんが仲間になってから。というか、なんならダミ子さんも仲間になってからの話である。
ということは、二人の参加は夏ではあるものの、夏休みに入る前だったということになるわけで。
その辺りどうなってるのよ、とTASさんに聞いてみたところ、『サンタが来ない』と珍しく困ったような顔をされてしまったのであった。
……あー、そういえば前に他所の世界にお邪魔した時、こっちと時間の流れが違う……みたいな話をしてたっけ?
で、二人の加入イベはサンタさんとの邂逅を基準に固定……浮動固定値?みたいなことになっているので、彼女が来る気配を感じないことには話が進まない、と。
まぁ、やって来ないサンタさんについては、一先ず脇に置くとして。
水着イベントが前倒しできたということは、前回ループでは後半部分に配置されていた、夏休みの宿題の消化も前倒しできるのではないか?……というのが今回の話。
じゃあなんでそんなことをしようと思ったのか?……という疑問の答えは、前回ループの夏前半部分にあった。
そう、MODさんのクルーザーに乗り込んでの無人島合宿と、そこに伴う異世界漂流である。
今回の話を踏まえると、部長さんとの束の間の邂逅は前倒しになっている可能性が高いが──その後の部分。
「思わずラスボスムーヴしてたのが功を奏した。この期を活かさない理由はない」
「うん、こっちまで直帰だったからね、前回と違って。……あの出会いが前倒しだったのなら、その後の恐竜世界とかへの来訪が飛んでるのはそりゃ不味いだろうってね」
「こっちを巻き込まないで欲しいんだけどーっ!?」
……そう、あの時詳しく『グラフィックビューアー』には載らなかったが……俺とTASさんは、二回ほど別の世界を経由しているのである。
そこに他の面々を巻き込めば、あの時有耶無耶になってしまった合宿を行えるのでは?……というのが、今回のTASさんの目的。
そう、前回以上のスペクタクルをお約束する、TAS考案異世界ツアーのお誘いというわけなのであった。
……なお、参加拒否はできない仕様となっているのであしからず(そんな殺生なぁ、と悲鳴を挙げた人が何名かいましたとさ)。