はてさて、ダミ子さん関連の話で、場が一時よくわからない空気に包まれたりもしたが、一先ず気を取り直して。
前回、TASさんに任せると酷いことになるので、代わりにCHEATちゃんに白羽の矢が立った……みたいなことを言っていたと思う。
そうして突如彼女の代わりを任されることとなった彼女だが、意外……というほどでもないにしろ、結構真っ当に職務をこなして見せたのであった。
(敢えて地味モードを前面に押し出すことにより、まるで世を忍ぶ予言者のような空気を醸し出すその手腕……あっぱれ、見事であったぞ)
(……褒めてくれるのは嬉しいんだけど、これどういう原理なの?っていうかなにその口調?)
滅茶苦茶脳に響いてくるんだけど、とこちらに怪訝そうな視線を向けてくるCHEATちゃんには、DMさんに中継を頼んでいますとだけ返しておく俺である。……念話とか自前の技能で使えるわけないからね、仕方ないね。
なおわざわざこうして念話を使って遠回しに会話しているのは、王女様に話を聞かれないようにするためである……ということは言わずともわかるだろうから口にはしない。
……ともかく。
TASさんの代わりに案内役を買って出る、ということになってしまった彼女は、すぐさま地味モードに主体をチェンジ。
ぼそぼそ声を寧ろ神秘的なものとして扱わせることにより、王女様の信を着々と得ていったのであった。
まぁ、ほんのり怪しげな空気を醸し出しつつ、実際に不思議な現象を起こして見せればそりゃ引っ掛かるでしょ……というツッコミに関しては、否定のしようもなかったりするのだが。
そんなわけで、すっかりキラキラとした眼差しを王女様から向けられるようになったCHEATちゃんは、天狗になりそうな己を律しつつ、努めて冷静にここまでの道を案内しきったのであった。
その姿はとても立派なものであったが……同時に、ここから先についても、先ほどまでと同じように案内を継続する必要がある……ということにもなってしまうわけで。
(……MODの家の場所とか知らないんだけど!?)
(あーうん、元生家については教えたけど、現生家については欠片も触れてないからねぇ)
(ダヨネー!?!?)
……うん、早速神秘のベールが剥がれ掛けてるんですけど、大丈夫なんですかねこれ。
今回、王女様が日本列島を南下したのは、自身の遠縁となる人物に出会うため。
単純にその人物から話を聞きたいのか、かつての親族が
その辺り、王女様は決して口を開いてくれないわけなのだけれど。
……だとしても、ここまで『神秘的な予言者』のロールプレイをしてきたCHEATちゃんは、引き続きそのムーヴを継続するしかないわけで。
それがなにを意味するのか、その答えが現在俺の目の前で繰り広げられていたのであった。
「…………」<キラキラ
「え、ええとー……その、ですね?」
「はい、CHEAT様!私は既に準備万端にございます!」
(ひぃーっ!!信頼が怖い!!!)
──お前のやったことだろ、とは突っ込まない俺である。
ともかく。王女様に話を聞く前に目的地を知っている、という部分を『予言』としてごまかしたCHEATちゃんは、王女様から『あらゆる未来を見通す深謀を持つ人物』として尊敬の眼差しを集めてしまっている。
ゆえに、今この場で『実はそんなんじゃないんだ』みたいなことを言ってしまえば、その尊敬が途端に侮蔑へと変化することは想像だに難くない。
いや寧ろその流れはまだマシで、ともすれば向こう側が『気を使われていた』ことに気付き、
そっちのパターンになった場合、待ち受けているのは相手に気付かれてしまった羞恥から、潔く自爆を選ぶCHEATちゃん……という結末だろう。
……下手すると王女様ごと巻き込んでゲームオーバー、みたいなことになるのでできれば避けたい未来である。
でもこれ現状、一番起きる確率の高い未来なんだよね……。
(……っていうか、予言者云々だともっと適任者が居るんだよなぁ)
「?」
そしてその未来、CHEATちゃんよりも先に『このままだとこのルートだなー』と気付いていた人物がいる。……そう、TASさんである。
彼女の行動は『未来視』あってのものであり、そして彼女のそれは普通のそれとは一線を隔すもの。
……つまり、王女様の求める人員に一番近い人物、ということになるわけで。
その辺りの話が、余計のことCHEATちゃんの退路を断ってしまっている気のする俺なのであった。
なおこの話の解決方法については、こうして逃げ道を設置……げふんげふん。
……こうして王女様に知られないような秘密の回線を用意してある、ということから察して欲しかったり。
まぁ、当の答え……もといTASさんからは『お兄さん甘やかしすぎ』と不満を溢されたわけなのだが。
……あとで埋め合わせが必要なやつですねこれは……(白目)