うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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もはやぐちゃぐちゃである(白目)

「……?…………???」

 

 

 双眼鏡越しに巻き起こる虐殺に、思わず目を擦るMOD。

 それもそのはず、彼女の記憶の上では、この街の人々はこんな感じの蛮族ではなかった。

 ともすれば「おいてけー、身ぐるみ全部おいてけー」とか言い出しそうな気迫を発する機会など、まったくもってなかったのである。……そりゃまぁ、自分の目を疑うのも仕方のない話、というか。

 

 だがしかし、彼女が己の目を疑うことになるのは、寧ろこれからの話であった。

 

 突然祖母の家の方から上がる、奇っ怪な高音。

 類似する音と言えば、いわゆる『なにかしらが出来上がった時の電子音』ということになりそうなそれは、街から遠く離れた彼女の耳朶をも打ち鳴らし──、

 

 

「……!?なんだこれ?!」

 

 

 そうして視線を離した隙に街に起こった変化に、彼女は思わず双眼鏡を取り落としそうになったのであった。

 

 

 

■A■

 

 

 

 大慌てで街に近寄ったMODは、されど中に入ることはしなかった。

 それは何故か?自身の目を疑うと同時、目の前の状況が自身にとって()()()()()()()というところが大きい。

 

 では一体、街になにが起こったのかというと。

 

 

「……いやなんだこれ?!お前誰だ!?」

「誰ってお前らの上司……ってぬわー!!?」

「上司(?)が上司(?!)に殴られた!?」

 

「あはははなにこれ面白ーい!顔ちがーう!」

「んー、なんだろねこれ?まぁ私達にはわかるからいいけどー、とー!」

「なるほどー、これこそほんとーのぶんしんさっぽー」

「なんでこいつらこの状況で俺らだけ(?)的確に殴ってくるの?!いやこれ本当に殴られてるの俺らの仲間かっ!?」

 

「……TAS君、ではないか。面白がりはすれど、こんなことをする理由が思い付かない」

 

 

 いやまぁ、私を捕まえるためにというのなら、ギリギリやらなくもないかもしれないけれど……それにしては範囲が広すぎる。

 彼女はTASではあれど、その干渉範囲はあくまでも本人に起因する範囲に収まっている。

 あの一瞬で・この規模のことを起こすことは──それこそなにかしらのバグでも見付けない限りないだろう。

 

 などと彼女が考察する羽目になった、今の状況。

 それは、視界一面に広がる()()()()、という光景なのであった。

 

 

 

■∀・

 

 

 

「……なんだろうね、この地獄絵図みたいなの」

「必要だったとはいえ、すっげー光景……」

 

 

 街の様子を見て、思わず遠い目をしてしまう俺達である。

 ……いやまぁ、やったの俺達なんだけどさ?

 

 そういうわけで(?)、範囲内の人みーんな母親さん作戦、開始の狼煙である。

 TASさんが最低限の手伝いとして提供したのは、いわゆるARシステム的なモノであった。

 多角的な投影設備を用意することにより、一定の範囲内に姿を被せる……言うなれば人工的にMODさんの能力を再現したもの、とでも呼ぶべきシステムなわけなのだが。

 これを運用するに辺り、二人の協力が必要となっていた。CHEATちゃんとDMさんの二人である。

 

 

「リアルタイムに見た目の書き換えをする必要があるから、そういうのに強い(Tuber的な意味で)CHEATちゃんと、大量のカメラを操作する要員としてのDMさんが重要だった……ってわけだね」

「まぁ対象人数的に、最早Tuber云々の話ではないような気も致しますが」

 

 

 そこはほら、CHEATちゃんのチートパワー的なあれも必要だったから……。

 そんなことを言い合う俺達も母親さんの姿であり、外の喧騒を聞き付けて出てきた王女様も隣のおばあちゃんも、纏めて母親さんと化していた。

 なお、そんな状況を見た本人と思われる人は大笑い中である。どうにもバカウケしたらしい。

 

 

「……とはいえ、これはまだ計画の一段階。これからが正念場、ですわよ」

「だよねぇ。まずはMODさんが乗ってくれないといけないからねぇ」

 

 

 はてさて、MODさんはいつ気付くのだろうか。

 これをやっているのがCHEATちゃんとDMさん──()()()()()()()()()()()()()()ということに。

 今はまだ理性によるブレーキが効いているが、その内調子に乗り始めない保証はどこにもないということに。

 

 

「これは手伝いではなく、そっちの方が面白そうだからという私本意の行動」<ワクワク

「……それを加速させようとする諸悪の根源(TASさん)がいる、ってことに早く気付いて欲しいねぇ(遠い目)」

「そうですわね、私達だけではどうにもなりませんからね(遠い目)」

 

 

 手伝いじゃなければなにをしてもいい、と言わんばかりのTASさんがワクテカしていることに、早急に気付いて頂きたい。

 それってつまり、今はまだ慌てているので判別できる王女様が、()()()()()()()()()()()()()()()()()可能性が一番高いのだということを。

 

 ……別名『TASけるって誰が言った、お前がTASけないのなら私はTASけないぞ』という外道作戦は、まだ始まったばかりなのであった。

 

 

 

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