かれこれ三人、不思議乙女達と出会いを重ねてきた俺。
誰もが魅力的、誰もが感動的な彼女達に囲まれ、俺の生活はそれはそれは薔薇色の日々に──、
「なるわけもなく。今日も今日とてTASさん達にボコられ続ける仕事が始まるお……」
「……お兄さんが絶妙に古いんだけど、貴女何かした?」
「レトロっぽいの全部私のせいにしないでよ……ッテアー!!キングー!!?」
「見事に擦り付けられましたわね……」
今日の俺は、彼女達を交えて某友情破壊ゲームを楽しんでいたのだった。
……友情?そんなものうちにはないよ……(持ってる物件全部吹っ飛ばされながら)
人数が四人になったのだから、パーティゲームとかやりたい──。
最近入り浸るメンバーに加わったCHEATちゃんと別のゲームをしながら、そんなことを呟いたTASさん。
余所見とは良い度胸だな、とヒートアップして地味モードなのに言動が派手モードになっているCHEATちゃんを、
「……よくよく思えば、色々ありますのね、この家」
「まぁ、TASさんと言えばゲームだからねぇ。あと、珍しいモノはなんかのフラグになるかも、って」
「わー……ワンダース◯ンカラーの実物とか、初めて見たかも……」
押し入れから飛び出してくる、多種多様なゲーム機達を見ながら、どこか呆れたような声をあげるAUTOさんと、転がってきたゲーム機をまじまじと見つめ、ちょっと嬉しそうにしているCHEATちゃん。
そんな二人を他所に、お目当てのモノを掘り出したTASさんは、その機体の勇姿を我々に見せつけるのだった。
「……ハンマー?」
「装備できそうなのは確か。コントローラーが外れないようにすれば、多分振り回すのも可能」
「なんで持ち手なんて付いてるのでしょうね……」
四人対戦と言えば、的なゲーム機の一つ。
四角くて紫色なその機体を
「……にしても、なんでこういうのって四人一纏めなんだろうなー」
「と、言いますと?」
電車旅を終え、大で乱闘なオールスターズ的ゲームに移行した俺達。
その中で、ふと思ったことを呟けば、AUTOさんが食い付いてきた。流石は真面目な彼女、こういう時に独り言にならないのはとてもありがたい。
まぁ、その会話の内容については、本当になんとなく思い至った、という感じのものなのだが。
「例えばほら、ボンバー◯ンとかだとマルチタップ使って五人で遊ぶ、なんてこともあったわけじゃん?」
「みんな大好きセガ◯ターンなら、最大十人対戦も可能」
「お、おう……まぁともかく、ゲームによっては四人以上、みたいな遊び方も多かったわけじゃん?ただ、最近のゲームを見ると……」
「四人以下、というパターンが多い……と?」
「そうそう。なんでなんだろうねー」
セ◯君がいつの世もなんか先走ってるのは置いておくとして。
ネット対戦でもなければ、基本的に四人くらいでのプレイが想定されているような気がする、というのは間違いでもないように思う。
そこになにか意味はあるのかなー、なんて素朴な疑問が思い浮かんだ、というだけの話であって、特に発展性があるかは微妙な内容だったわけなのだが。
「需要……」
「……ん?需要?」
「お兄さんが言ったみたいに、ネット対戦なら大勢で遊べてもいいけど──家で大人数で遊ぶ、なんてことほとんどないでしょ?」
「……あー、親と子供って感じだと三人、友達が集まって……ってなっても五人を越えるようなことは早々ない、みたいな?」
「そうそう。……四人以上集まるのは特殊なパターンだから、そこを気にする必要性はないんだよ」
「なーるほーどねー。……おっとカ◯ゴンだ」
「キェアーッ!?フットバサレタァーッ!!?」
「情緒不安定過ぎではありませんこと?」
コントローラーをカチャカチャしながら、ぽつぽつと語ってくれたCHEATちゃんにより、ある程度の疑問は氷解することになるのだった。
……まぁ、それはそれとしてゲーム内では吹っ飛ばさせて貰ったが。
「まぁ全員まとめてTASさんに吹っ飛ばされたわけなんですが」
「おかしいだろアサシンかよこえーよ気配感じなかったんだけど……」
「CHEATさんはテンションはどうあれ、感情が高ぶるとそうなりますのね……」
ちゃぶ台に突っ伏しながら、ぶちぶちと文句を垂れ流すCHEATちゃんに苦笑しつつ、改めて先程までの戦歴を思い起こす俺。
……ものの見事にTASさんの独り勝ちだったわけなのだが、タイマン仕様ではなく敢えてのパーティゲーム仕様だったことが、彼女の動きを捉え辛くしていた……ということに間違いはあるまい。
まぁうん、乱戦状態を横からかっさらう方が楽だもんねー。……そのために
「なるほど。パーティ仕様だから負けても仕方ないと。じゃあチーム戦でやる?私一人、そっちは三人。ステージも狭くしていいよ」
「ジョウトウダヤッテヤンヨコラーッ!」
「……あ、お兄さんが挑発に……」
「これは負けフラグですわね……」
なお、俺の無様な負け惜しみはというと、そのあときっちりぼっこぼこにされ直したため、綺麗に露と消えることになったのでしたとさ。