うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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相手が気にしてないからと言って情状酌量の余地があるとも限らない

「……まさかの展開、ですわね?」

「いや、別に隠してたってぇわけじゃねぇんだが……」

 

 

 はてさて、風呂場で突然スプラッタ☆

 ……から数分後、落ち着きを取り戻した俺達は改めてリビングに集合していたわけなのだが。

 

 うん、一部を除いてみんな驚愕顔、というか。

 因みにその一部とやらはTASさん・DMさん・『アニキ』さんの三人である。理由は左から順に知ってた・知ってた・知ってた、だ。

 

 

「ハプニングはイベントフラグ回収の良い機会。じゃんじゃん起こして」<グッ

「ぐっ、じゃないんだわ今まで見たこともないような満面の笑みを浮かべるんじゃないんだわ」

「TASさんが笑ってるの、初めて見た気がしますぅ……」

 

 

 知ってた組の一人目・TASさんの様子はこんな感じである。

 ……こいつわかってて止めなかったな!?いやまぁ勘違いしてた俺達も悪いっちゃぁ悪いわけだが!

 

 

「まぁその……私高性能メイドロボですので……」

「なるほど、最初から解析済みだったと。……黙っていらっしゃったのは、邪神的なあれですの?」(返答次第ではお説教ですわよ、の顔)

ひぇっ、いえその、ちょっとしたお茶目心でして……」

「王女様、判定は?」

「え?ええと……有罪、なのでは?」

「はいお偉い様からの了承も得られましたので有罪(ギルティ)有罪(ギルティ)でごさいますわ~」

「のー!!のーぎるてぃー!!」

 

 

 知ってた二人目、DMさんはこんな感じ。

 ……どうやら久しぶりに邪神的悪戯心が効力を発揮した、ということらしい。

 AUTOさんに襟首を捕まれ連れていかれる彼女を見送りながら、俺は「来世ではまともになるんだよ……」と合掌しておくのであった。

 

 

「……で、何故教えてくれなかったので?」

「いやまぁ、勘違いされてるなーとは思ったが、別にそれでなにがどうってわけでもないというか……仮に胸の一つくらいなら見られても困らねぇというか、()()()()()()()だの()()()()()()()だの犇めく場所の元締め相手なら、その辺りで弱みを握れりゃ寧ろ僥倖というか……

(……消極的ハニトラ派……だと!?)

 

 

 で、知ってた三人目……もとい本人である『アニキ』さんだが、なんというかこう……あんまり見たことないタイプの反応ですねこれ(白目)

 っていうか元締めて。発想がヤクザもんのそれすぎるでしょうどうでしょう?

 

 

「……?違うのか?なんつーかこう、()()()()()()()()()()ように見えるんだが……」

「その辺りも含めて、もうちょっと突っ込んだ話し合いをしましょうか……」

 

 

 一度外に連れていかれたDMさんが戻ってきたのを見て、俺は小さくため息を吐いたのでしたとさ。

 ……うーん、ややこしい話になりそう。

 

 

 

・A・

 

 

 

「というわけで……『アニキ』さんことROUTE(ルート)さんです、皆さん拍手ー」

「はいセンセー」

「へいなんですかCHEATちゃん」

「そのルートって、管理者とかの方(root)のルートではないんですかー?」

「……ROUTEさん?」

「え、俺が説明すんのか?……えーと、俺のこれは選択肢が見えるやつだからな。管理者とかではねぇよ」

 

 

 そういうわけで(?)、改めて説明会である。

 ……薄々察してはいたが、どうやらこの人未来視的なものができる人、ということで間違いはなかったらしい。

 とはいえこちらの予想していたそれとはちょっと違って、重要な場面などで選択肢が提示される……いわゆるシミュレーションとかアドベンチャーゲームとかのあれ、みたいな感じのようだが。

 

 先のMODさんが言っていた『先導者』という名前は、その技能によって周囲を正しい・もしくは望ましい(ルート)へと導く者、というような意味であるようだ。

 ……いやまぁ、周囲の人は能力云々については詳しく知らなかったみたいなので、彼女に任せると基本的に上手く行く……ということで先導してくれる人、という名前になったようだが。

 あと部下が結構居た辺りから『煽動』の方も少し混じってるみたいである。

 

 で、そんな彼女の優秀な能力はというと、自身が風呂に入っている時に俺が風呂場に来る、という可能性を知らせてくれていたらしい。

 ……勘違いしてるみたいなので、それに乗じてちょっと弱みでも握れればいいなー、くらいには考えていたとかなんとか。

 

 

「つまり俺ってばノットギルティなのでは……?」

「本気で言ってるならそれでもいいよ?」

「ですよね切腹します……」

(……やっぱり上手く行ってたらなんとかなってたんじゃねーかな……)

 

 

 ところが、そんな彼女の能力を引っ掻き回す相手が存在した。……そう、我らがTASさんである。

 

 裏社会での彼女の悪評を知るROUTEさんは、それゆえにTASさんと鉢合わせるような選択肢は()()()()()()()()のだが……今回のこれは選択肢が出ない強制イベントだったようで、こうして彼女に出会い・尚且つ対峙する羽目になってしまったのだとか。

 

 で、それゆえに今回初めて、彼女が自身の能力を平気で無視るような相手だと知った、と。

 

 

「昔の私なら違った。でも今は違う」<キュッ

「……なんか読んだ?」

「その内ゼリーを胸に塗る予定」

「なんの作品の話をしてるのかわからないと単なる下ネタにしか聞こえねぇ……」

「それに関してはわかっても下ネタなのでは……?」

「……それもそうか」

(……テンションに付いていけねぇんだが???)

 

 

 彼女の企みは敢えなく瓦解……どころか、自身の天敵・TASさんにずっと張り付かれるという憂き目にあった、というわけである。

 ……その割には結構無茶苦茶してなくないですか俺悪くないことないですか?

 え?昨今のコンプラ云々考えたら、相手から来たとしてもダメでしょうって?ですよね腹を切ります……。

 

 

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