うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

264 / 728
やることやったか?これで全部フラグは立てたか?

「……なるほど、探し物ってMODさんのことだったのか」

()()()()()、が正解だけどね。……もう一つ別に探していたモノがあるわけだし」

 

 

 前回ループの時は手伝っていたはずなのに、何故今回は積極的に関わってこなかったのか。

 その理由は、前回も今と似たようなことになったから、というのが正解らしい。

 

 ……そんなわけで、やっと出会えた親戚にべったりくっ付いている王女様に辟易しつつ、次の日の朝を迎えた俺達である。

 確かに、これが待ってるなら近付きたくない、というのも分からんではない……。

 

 

「私と同年代の同性の親族……それともう一つ、()()さえ見付かれば……!」

「すみません、なんか別ベクトルのスペクタルを呼ぼうとするの止めません???」

 

 

 そんなアドベンチャー作品とかじゃないんだから()。

 ほれ見なさいよ、TASさんが気になるって感情を顔に張り付け出したじゃないですか。

 そもそもMODさん加入イベ発生のためのあれこれだったのに、それから更に別ルートに派生するのはもうお腹いっぱいなんですよマジで。

 

 まぁ、そんなこっちの事情は言葉にもしていないため、王女様はふんすふんすと鼻息荒く頑張るぞぅ、って感じのポーズをしていたわけなのだが。

 無論、その右手で絡め取られた左手の持ち主であるMODさんはうんざり顔である。

 

 

「……というか、このままですと私達も王女様に同行する必要があるのでは?」

「え?なんで?MODさんを生け贄……もといそのまま差し出せば良くない?」

「ちょっと?」

「いえ、それですと何時帰ってくるものやらわからなくなる、という問題が……」

「そうやって無視するの良くないと思うよ私?」

 

 

 そんな中、横から問題提起をしてくるのはいつも冷静なAUTOさんである。……今回わりと蚊帳の外だから冷静なだけ?それはそう。

 

 ともあれ、彼女の指摘はもっともな話であった。

 今回俺達がここにやって来たのは、大本を辿ればMODさんの正式加入イベントを発生させるため。

 ……なんの因果か横道に逸れた結果、別の加入イベントが発生してしまったが……それはそれ、これはこれというやつである。

 

 ではここからどうするのか?……という話だが。

 逸れたルートを元に戻し、MODさんの加入イベントが正常に発生するように努めるのが第一だろう。

 ……彼女が例の祭りに行くのは、王女様の一件が終わってから。本来ならこの後王女様を祖国に送り届けるだけで終わるはずなのだが……うん、連れて帰る気満々だよね、今の王女様。

 

 これは一体どういうことなのか、とMODさんに視線を向けると、彼女は諦めたように笑みを溢しながら、DMさん経由の念話を飛ばしてくるのだった。

 それ曰く、『以前は迎えの人に押し付けて帰った。あの後護衛の目を掻い潜って再び日本に来るのは不可能なくらい警護の層が厚くなった』とのこと。

 

 ……いや、まさかのイベント全投げかい。

 

 

(仕方ないだろう、どう考えても厄介事の気配しかなかったというか、下手すると遠縁でも王家の血筋ではあるとかなんとかで、相続争いとか後継者争いとかに巻き込まれるフラグしかなかったんだから!)

(……あー、言われてみるとそれもそうか。MODさんも王女候補的なものではあるんだなー)

 

 

 とはいえ、それも仕方なきこと。

 曾祖母の祖母、などという遠い縁ではあれど、親族であることに変わりはない。

 ……となれば、MODさん自身も王家の血筋。後継者だのなんだのと陰謀に巻き込まれる可能性大、というわけで。

 

 まぁ、前回ループの際はMODさん自身が王女様の遠縁である、ということを悟らせなかったこともあり、今みたいに執着されることもなかったようだが。

 なので、帰りの船の護衛達に押し付けて帰ればそれで済んだ、みたいな?

 

 

(彼女自身、目的のものが()()()()()()()()()()()()と意気消沈していたからね。再度日本に来よう、などとは思わなかったのかもしれない)

(……なんか今変なフラグが立ったような気が?)

 

 

 それって今回の王女様、下手すると日本に入り浸るようになるのでは?

 

 前回は片方に相当するなにかを見付けたが、意気消沈して帰ったとのこと。

 対して今回、見付からなかった片方に相当するMODさんを見付けた王女様は興奮しっぱなし。

 ……要するにこれ、重要度が『MODさん>なにか』なのでは?

 そう念話を返せば、返ってきたのは『あっ』という実際の言葉。……気付いてなかったんかいっ。

 

 ともあれ、これでハッキリした。

 AUTOさんの懸念はほぼ確定し、俺達はこの後王女様の祖国とやらに同行する必要が出てきた、と。

 

 

(……なるほどな。確かに、それを選ばないルートは危険な香りがプンプンしやがるぜ)

(なんと、選択肢から匂いが?!)

(モノの例えだ、モノの例え。……良くないことが起こる時の選択肢、ってやつに見える)

(私からもほそくー。そっち(付いていかない)のルートはMODの永久離脱ルートだから非推奨ー)

(……どこまで見えてんだコイツ)

 

 

 その懸念を肯定するように、未来視持ち組からの念話が飛んでくる。

 ……どうやら、ここで彼女だけを放り出す、みたいなことをするとそのまま帰ってこれなくなるらしい。

 それってつまり、これから起こる未来が全部それ前提のモノに変わる、ってことなわけで。……そりゃまぁ、今の俺達が選ぶべきルートではない、ということは確かだろう。

 

 ゆえに、俺達の今後の行動方針は今、決定した。

 

 

(そう、このまま王女様の祖国に乗り込み、出てくるだろうトラブルを全て解決して円満に日本に帰ること……これだ!)

(やったー。新しいルートだー。検証のために五桁くらいは走りたいところ)

(……なに言ってんだコイツ)

(気にしないで下さいまし。あくまでもTASさん御自身の感覚の上での話、ですわ)

(…………ナニイッテンダコイツラ)

 

 

 大手を振ってMODさんが帰って来れるように、俺達で王女様の抱えた問題を解決してやるぜ!

 それこそRTAばりの速度で!

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。