うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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そもそも人生は選択肢の連続である

「……ここだな、間違いねぇ」

「ほほう。……周囲にはなにもないけど?」

「恐らくだが、なにかしらのスイッチ的なもんが隠れてるはずだ。手分けして探そうぜ」

 

 

 さて、目的地周辺になったためルート案内が終了した……もとい、ROUTEさんの能力適用範囲外になったわけなのだが。

 

 案内された場所は、周囲になんの建造物もない、砂漠のど真ん中。

 ……本当にここなのか、みたいな視線を向けられたROUTEさんだが、自分の能力に余程自信があるのかその目に不安などは一切感じられない。

 なので、俺達もまたそれを信用し、周囲の捜索を始めたわけなのだが……。

 

 

「スイッチの位置とかはわからないの?」

「大雑把な所在ならわかるんだがな、細かく探すんなら俺も総当たりしかねぇよ」

「なるほど」

 

 

 付いていくTASさんが尋ねたところ、どうにもROUTEさんの能力で道案内をする場合、大雑把に目的地の周囲十メートルくらいまでは案内できるが、そこになにかしらの仕掛けが施されている場合はそれの解除に時間を取られる、ということになるらしい。

 あくまでも能力の解釈を変えて応用しているだけなので、元の解釈に戻さなければいけない場所では元通りの運用をするしかない……ということだろうか?

 

 TRPG的に言うのなら、目的地までの案内に必要な技能と近くの気になるものを見付ける技能は別、みたいな?

 

 

「ああ、そんな感じだな。どっちの技能判定にも使えるけど、それぞれは別の物事だから融通は効かない……ってこったな」

「なるほど、勝った」<フンス

「幸運ダイスまで弄り出すような相手に勝つのは、基本無理だと思うんだよね……」

 

 

 なお、TASさんはその説明を聞いて、何故かドヤ顔を晒していた。

 ……まぁうん、なんの技能判定にも代用できるようなものだもんね、君の場合。

 

 ともかく、そんな感じに会話を交わしながら、なにかないかと周囲を探すことおよそ一分ほど。

 

 

「……こいつっぽいな」

「なるほど、嵌め込み式」

「今回の君『なるほど』って言いすぎじゃない?」

 

 

 なにかのフラグでも回してる?

 ……というこちらの言葉に無言を返してくるTASさんに、『あ、正解だなこれ』と得心がいったりしつつ。

 

 はてさて、改めて探索の結果俺達が向き合うことになったのは、砂の大地によって隠されていた一枚の大きな板。

 どうにも更に大きななにかの一部が地表に飛び出している……みたいな扱いのようで、持ち上げたり移動させたりするのは不可能な模様。

 今回の面々の中では一番力持ちであるDMさんに試して貰ったりしたが、答えとしては『不可能ですね、これ』と返ってきたのであった。

 

 ……で、こんなあからさまな人工物。

 きっとなにか秘密があるのだろうと観察した結果、AUTOさんが板の一部に違和感がある、との指摘。

 それを受けた探知ガチ勢(CHEATちゃんとDMさん)が表面を検査した結果、押し込んで横にスライドさせると開く場所がある、ということを突き止めたのであった。

 

 で、早速押し込んでスライドさせた結果現れたのが、これを見付けた時にTASさんが小さく呟いていた()()()()()──。

 そう、()()()()()()()()()()()()()()()だったのであった。

 

 ……うん、ここまであからさまだと、流石の俺も察するぞぅ。

 

 

「……つまり、ここに嵌め込むのですね?このメダルを」

「まぁ、そうなるだろうねぇ」

 

 

 神妙な面持ちでその板を見つめる王女様。

 ……こちらの予測が間違っていないのであれば、恐らくここに嵌めるのは件のメダルだろう。

 

 とはいえ、どうやら王女様にはちょっとした葛藤があるご様子。……メダルを見つめるその姿はこれを手放したくない、と告げているかのようである。

 

 

帰る時に外して(はへるほひひはふひへ)持って帰れば(ほっへはへへは)いいんじゃない(ひひんひゃはひん)ですかぁ(へふはぁ)?」

「なに食ってるのさダミ子さん……」

「この様子だと難しいのかもだよ?古文書とかで『鍵は地中に還り~』みたいなことを書かれていたのかもだし」

「…………」

(図星っぽいなこれ)

 

 

 どこで買ってきたのかわからない串焼きらしきものを皿に乗せたダミ子さんが、首を傾げながら疑問を呈す。

 ……食いながら喋るなと言いたいところだが、周囲は一先ずシリアスを保つ方に舵を切ったのかこれをスルー。

 ダミ子さんはそのまま、どうも木製らしい皿に乗った串焼きをひょいぱくひょいぱくと食べ……おや?

 

 周囲の面々が躊躇する王女様の説得に意識を移したため、ダミ子さんへの視線が無くなってしまったわけだが……その背後に、そろりそろりと彼女に近付くTASさんの姿が。

 俺以外誰も気付いていないその接近者は、こちらの視線に気付いたのちにこちらへ「しーっ」と黙っているように告げ。

 

 

「あ、ダミ子の首元に蠍」

「ほげらばΧΛΞβёпчм#%▲♭!!!?」

 

 

 ぺいっ、と彼女の首元に蠍を──無論本物ではなくおもちゃを──しれっと投げ付けながら、ぼそりと呟かれたTASさんの言葉。

 それは劇的な効力を発揮し、首元の違和感に飛び上がったダミ子さんは手に持っていた串焼きの皿を放り投げてしまい。

 

 

「「「「あっ」」」」

「あ?」

「ほい成功。これでよし」

 

 

 その()()()()()()()()()()()()()()()は綺麗な放物線を描きながら飛んでいき、件の窪みにすっぽりとホールインワン。

 ……唖然とする面々の前で、件の板は砂の中へと沈んでいき、代わりに地下へと続く階段が俺達の前に姿を現したのであった。

 

 

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