うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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彼女に掛かればこの通り(?)

「な、いつの間に……いえ、というかどこに!?」

「貴方の後ろ。にんにん」

「は──」

 

 

 途中から完全に影に徹していたTASさんである。

 ……あの存在感の塊を認識せずにいられるのか、みたいな疑問もなくはないのだが、その実みんな今の今まで彼女の存在が脳内からすっぽ抜けていたということは、その驚愕顔からも簡単に推測できてしまったり。

 ……というか、なんなら件のノートにも書かれて無かった、もしくは書いてある部分を認知できなかった……みたいになっていてもおかしくはない。そういうことできるのがTASさんだし。

 

 

「そう。でも私も、可能性が全く無いものは引き寄せられない」

「ふむふむ。それはつまり、今の今まで出てこなかった理由にあったり?」

「そう。必要な条件はとても単純。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……なるほど?」

 

 

 そして当のTASさんは、これまたお決まりの──私にもできることとできないことがある、という論説を持ち出してくる。

 

 CHEATちゃんのように現実を書き換えているのではなく、あくまでも奇跡的な確率を()()()()()()()()()のがTASであると嘯く彼女はそれゆえに、今の今まで今回の事態を解決するための条件を整え続けていた。

 ……そのうちの一つが王女様の話を最後まで聞く(イベントスキップ禁止)、というのは大概彼女に優しくない感じだが、それ以外の手段が今のところ見付からなかったのだろう、というのは言うまでもない。

 

 

「彼女の話を最後まで……?」

「正確には、幾つかの重要ポイントを聞く必要がある。……最後の最後に言う言葉まで含むから、短縮できなかったのは悲しいところ」

 

 

 機会があれば、また挑戦したい……と嘆く彼女は、手の内で輝き続けるノートをぽんぽんと放りながら弄んでいる。

 ──王女様に動く気配はない。ノートの影響下から離れたからなのか、彼女はボーッとした様子でこちらを見続けていた。

 

 

「必要だったのは、先代の技能・冥界を開く条件・王女の言動がおかしくなっているのはノートのせい、という確信──」

 

 

 一応、もう少し細かい条件はあるけど。……と告げながら、彼女は放って遊んでいたノートを持ち直し、そのページを捲る。

 ノートは抵抗するような輝きを放っていたが──あるページに達した途端、それを止めてしまった。

 

 

「──第一に、先代が日本に来てから、()()()()()()()()()()()()という確証はない」

「第二に、先代のそれは()()()()()()()()()()

「第三に、冥界行は一人での攻略を推奨するが、それは()()()()()()()()()()()()()()()()()

「そして最後に。()()の起動権の判断と、実際に求められる素質はとても似ている」

「それらを総合し、総括し、創造する。確率は一パーセント未満。だけど──」

「──ゼロではない。そうだな?」

 

 

 こちらの言葉に、彼女はこくりと頷く。

 こいつらはなにを言っているんだ、みたいな視線を投げ掛けてくるみんなの前で、彼女は堂々と──最後の鍵をここに投げ付けた。

 

 

「そう、つまり私と二人は遠い親戚」

「嘘だぁっ!!?」

 

 

 ……いや、石化から解放されて最初の言葉がそれでいいんですかね、MODさんや。

 

 

 

;-A-

 

 

 

「実際に本当であるかどうかはどうでもいい。可能性として論じられるのなら、私には十分すぎる繋がり」

「いやでも、それありかなぁ!?それありかなぁ!!?」

 

 

 驚き過ぎてMODさんが混乱している。丁重に落ち着かせて差し上げろ()

 

 ……冗談はともかく。実際に先代さんとTASさんが血縁、という可能性は低いだろう。

 だがしかし、件の先代さんは曾祖母の祖母。五親等もの世代の差は、それだけであらゆる可能性を暗に肯定する。

 そして、TASさんにとってはそれだけで十分である。それだけで十分な干渉するための隙である。

 

 

「……にしても、なんでわざわざそんな方法を?別に他の手段もあるように思えますが」

「それは簡単な話。ここでこのノートに纏わる話をしっかり終わらせて置かないと、後々面倒なことになる」

 

 

 そんなことを考えていると、ようやく気を取り直したらしいAUTOさんが、TASさんに声を掛けてくる。

 その問いにTASさんは「ここで終わらせないと面倒」という旨のことを言い始めたのだが……。

 

 

「Q.ふむ、面倒って?」

「A.ああ!」

「なるほど、大体わかった」

「今の会話で一体なにが!?」

 

 

 なるほどなるほど、そりゃ面倒だ。

 などとTASさんからの返答に頷いていると、周囲のみんなからの反応がおかしい。

 ……ええー、今のTASさん語検定三級くらいの超イージー問題だぜー?

 いい加減長い付き合いになるんだから、これくらいわかって貰わないとさー?

 

 ……なんてことを言っていると、わなわなと震えている人が一人。

 この面々の中では実のところ、一番TASさんに技能が近いと言える存在であるROUTEさんは、ほんのり顔を青褪めさせながらおずおずと声を挙げたのだった。

 

 

「……あのさぁ、もしかしてだが。……()()()()()()()、ここで解決しないと」

「ん、そういうこと」

「…………はい?」

 

 

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