「は……?は……???」
「余りのことに、AUTOさんがフリーズしてしまった……」
「無理もねぇ……恐らくはお前が動いてるんだから、割合サクッと解決するもんだと思ってたんだろ……」
そろそろ今回の話も終わりかー、みたいな空気であったところに、まるで水を差すかのような事実……ということであったのか。
……まぁでも、今の状況って問題が解決したように見せかけて、実のところ何も解決してないからねー。
実際、後々国の危機の発端になるであろう『後継者が複数』って話は、まったく片付いていないわけだし。
「とりあえず、あのまま王女の過去回想とか入りそうだったら、『浸りすぎ』って殴るつもりだったけどその機会はなかった」
「え」
「そりゃまぁ、そうなる前に俺が先に殴り掛かったようなもんだったからなぁ」
「むぅ、フラグが前後した……」
「え?」
なんだか、こっちの知らぬ間に王女様の死亡フラグが流れていたような気がするが……多分気のせいだな!()
ともあれ、改めて話を戻すと。
現状、ややこしいことになっているフラグの乱立について、完全に把握できているのはTASさん・なんとなくわかっている(わかってない)のが俺・その
で、その一同が声を揃えて言うのである。「このままだと世界がヤバい」と。
……一人二人ならいざ知らず、三人が声を揃えて言っているのだからもはやこれは確定的。
すなわち、このノート・ひいてはこの冥界に纏わる話はここできっちり締めておかないと、後々思いがけないルートから世界滅亡の芽が伸びてくる、なんてことになりかねないわけで……。
「いや待てぇ!?なんでそうなるぅっ!?」
「なんでって……さっきも見た。善意の暴走はとても質が悪い」
「善意の暴走……?」
で、その真意を語るには、MODさん達の先代──曾祖母の祖母さんがなにを見たのか、ということを理解する必要があるわけで。
そんな風に視線を向ければ、この中で一番詳しいだろう当人──墓守さんは、観念したように肩を竦めたのであった。
「はいはい。そんな視線を向けなくても説明するとも。──答えは単純、どこまで行っても死者と生者は噛み合わない、ということさ」
「……はい?」
「何度も同じ事を繰り返すのは申し訳ないのだけれど……とはいえここに触れずに説明するのも難しい。順を追って説明すると、ここは冥界──この世とあの世の狭間、というやつだ」
それはつまり、ここが一番
そう語る墓守さんは、先ほどまでと変わらぬ様子に見えるが……その実、彼の姿は最初の時と比べて遥かに
「……マジで?」
「マジです。最初の時と比べるとおおよそ三パーセントくらい薄くなってるよ」
「…………いや、全然わかりませんですよぅそんなのぉ!?」
わからん?マジでー?
……いやまぁ、本当にジーっと眺め続けてようやくわかるような違いなので、そりゃわからなくても仕方ないのだが。
……壁が薄いので彼も薄くなっている……というような冗談ではなく、どちらかと言えば
「はぁ?」
「私は最初に自己紹介をしただろう?盗掘者を惑わせて生きて返さないようにしている、と。──言い方を変えると、私はそもそも地上の人間がここに来ることを認めていないのさ。それが王族の者であろうがなかろうが、ね?」
「えーっ!?」
彼は『冥界の主人』でもあるが、
これは裏を返すと、そもそも国の危機に冥界に下って何かしらの手段を得る、ということ自体を快く思っていない……ということ。
最初から、『冥界行』という行為それそのものに反対の姿勢である、ということなのであった。
で、その理由と言うのが……。
「人身供物?」
「そう。今でこそ私はこうして『冥界の主人』などと見栄を張っているが……そもそもの話、私が今の姿になったのは
「ええーっ!!?」
彼が救った世界の危機とは、それすなわち
この場所が現世と陸続きであるがゆえに起きる、必然的な冥界からの侵攻を防ぐため、なのであった。