うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

290 / 728
その日、銀河に二つの星が生まれた

「そういえばふと思ったんだけど」

「なに?」

「いや、ここって珍しい遺跡なのにも関わらず、CHEATちゃんが騒いでないなー、と」

「騒いでいいなら騒ぐが!?」

「お、おう。自重してたのね……」

 

 

 

;・A・

 

 

 

 はてさて、TASさんの指示を受け、持ち場に着いた俺達である。

 ……決められた場所に立たないと(主にダミ子さんが)酷い目に遭う、という理由から彼女の指示に従っていたわけだが……。

 

 

「せんせー」

「はいお兄さん。なに?」

「これってー、この人達もやらなきゃいけなかったんですかー?」

「まさかわれらもむりやりうごかされるとは」

「あののーとにはさからえぬ」

「ふくしゅうしたーい」

「したーい」

「……口調の緩さに反して、とても物騒ですわね……」

 

 

 うん、その指示ってご覧の通り、半透明な愉快な仲間達()にも適用されてたんだよね。

 いやまぁ、彼らもここに存在しているのなら、その配置が悪影響を与える可能性は普通にあるわけだけど……お陰様でダミ子さんが既に酷いことに!

 

 

「…………」<ブクブクブクブクブクブクブクブク

「いやぁ、ここまで綺麗に泡を吹く人も初めて見たなぁ」

「本当に苦手なんですね、幽霊……」

 

 

 意外な弱点再び?いやまぁ、ろくろ首~とかやってた人と同じ人物か、これが?……みたいな気分もなくはないわけだが。

 なお後から聞いてみたところ、『妖怪とゆう……は違うんですよぅ!』と力説された。正直よく分からん。

 

 一応はダミ子さんを気にして始めたことなのに、結局ダミ子さんが酷い目に合ってるのはどうなん?……的な疑問を含んだそれを受けたTASさんは、顎に手を置いて暫く考え込んだあと、一言。

 

 

「……死ぬよりマシなのでは?」

「それは確かにそうなんだけど、なんというかTASさんの口から飛び出す言葉としては違和感が凄痛ぇ!?

 

 

 ……うん、それを言ったのが例えばAUTOさんだとか、はたまたMODさんとかだったのなら、ある程度納得というか説得力もあったのだろうけど……。

 うん、速さや凄さのためには命など単なるブーストアイテム、特に一山幾らのNPCなら使い捨ててこそなんぼ……みたいなTASさんに言われても、違和感しか感じないというか?

 

 ……みたいなことを言おうとしたところ、言い切る前にTASさんから小石が飛んできたのであった。眉間が割れる!

 で、この時ついでに気付いたのだけれど。

 

 

「……ん?いつの間にか足が動かない……?」

「もう位置決めは終わったから。そこからまた動かれると、調整するのが面倒」

 

 

 あまりの痛さにのけぞりそうになったが、なんと下半身がまるで石化したように動かない。

 お陰様で転倒することこそ無かったものの、痛みの逃がし方に少々戸惑ったんですがそれは?

 

 ……みたいな抗議の視線を投げ掛けたところ、寧ろジト目を返された俺である。

 もしかして俺、好き勝手に動くタイプだと思われてる……?

 

 

「そういうわけじゃないけど……これから起きることがわりとショッキングだから、貴方は意図せず動くんじゃないかなー、とは思わなくもない」

「お、おう。……ショッキング?」

「……これに関しては、お兄さんだけではなくみんなへの制限。特にそこらの幽r()「半透明!半透明の人ですぅ!!そういう生態なんですぅ!!」……半透明の人達は縛っとかないと確実に邪魔をしてくるから必要な措置」

「ふぅむ……ひげの配管工に出てくる丸くて白いのみたいな?」

「……私が見てるから動けない、ってわけじゃないよ?」

 

 

 なんだ、違うのか。

 ……いやまぁ、冒頭の彼らの台詞的に、彼女の持つノートが彼らを縛っている、と考えるのが正しいのだろうが。

 それとショッキング?んでもって周りの人達も思わず動きかねない??

 

 ……なんだろう、今からTASさんが遥か二百億光年先に飛び立ち、その場で星を創生してその守り神になる、みたいなことでも起きるのだろうか?

 

 

「どういう想像ですの……?」

「ある意味間違ってない、流石お兄さん」

「あってるんですの!?」

 

 

 ええ……(困惑)。

 わりと無茶苦茶な想像だったはずなんだけど、TASさんから返ってきたのは「流石」みたいな反応。

 ……つまりなに?一時的にしろ、誰かが二百億光年先に放り出されるみたいなことがあると?

 

 

「その通り。では早速……ポチッとな」

「「え?」」

 

「 「

き う

ゃ わ

ぁ ぁ

ぁ あ

あ ぁ

あ ぁ

ぁ あ

ぁ あ

あ ぁ

あ ぁ

ぁ あ

ぁ あ

ぁ あ

ぁ あ

あ ぁ

っ っ

! !

! !

! !

? ?

」 」

 

「お二人が!」

「没シュートされた!?」

 

 

 突然地面に空いた穴。

 それは今回の中心人物、MODさんと王女様をすっぽりと飲み込み、すぅっと消える。

 代わりに中空に浮かぶのは、どこか遠くの宇宙空間。

 ……その中に一際輝く何かが二つ、くるくると回り続けている……。

 

 

「大いなる地より、果てなき宇宙へ。禍つ輝きを今ここに、新たなる息吹と化さん。星来せよー、星来せよー」

「なにその謎の口上!?ってうお眩しっ!!?」

 

 

 その光景の裏で流れる、なんかモンスターでも召喚しそうなTASさんの言葉。

 それらが合わさり、遺跡の内部が輝きに包まれた結果。

 

 

 遥か宇宙(そら)の彼方に、新たな双子星が産声を上げたのであった──。

 

 

「わたしがやりました」<フンス

「言うとる場合かー!!」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。