「合宿前にもう少し、皆がフレンドリーになっておく必要がある」
「……なるほど?」
などと言うことをTASさんが述べた日の次の日の朝。
彼女によって外に集められた俺達は、一様に動きやすい格好をしていたわけだが……その集団に巻き込まれた形になるROUTEさんだけは、なんだか微妙な顔で頭を掻いていたのだった。
「どうしたんですROUTEさん?なんだか微妙な顔をしてますけど」
「……いや、これって必要なのか?マジで?」
「目標達成まで私達は一蓮托生。例え貴方が隠しキャラでも逃がさない」
「ほんのりホラーにすんの止めろや!!?……お前らはお前らでなんだその顔」
「いやー、まだ慣れてないんだなーと思って」
「…………」
不思議に思い、話し掛けてみたところ……どうやらこのテンション(?)にまだ慣れてない、というだけのご様子。
いやだなぁ、これから長く──TASさんの目標だという俺の死の回避を成し遂げるまで──一緒に生活することになる公算が高いのに、そんなノリじゃ早々にへばっちまいますぜぃ?
……なんてことを考えていたところ、当のROUTEさんは先ほどよりも激しめの微妙な顔をしていた。
この分だと、この前みたく選択肢の応用で人の思考を読んだ、とかだろうと考えていたら更に微妙な顔に……。
(……なぁおいTAS)
(なに?)
(俺は腐っても、未来視の末席に身を置く存在だ。だからまぁ、お前さんの最終目標とやらについても、なんとなーく理解はしてる)
(ほう。なるほどなるほど。……それで?)
(……やっぱり俺が色仕掛けするのが一番早いんじゃ)
(そんなことしたら、奥手なお兄さんのことだから一生口聞いてくれなくなるよ)
(え、えー……?)
そのままTASさんの方を向いてしまったため、恐らくは彼女と念話でもしてるのだろうが……なんだろう、なんか知らんけど断固抗議した方が良いような気分になってきたんだが?
とはいえ俺はエスパーでもなんでもなく、自分の勘に任せて動くとろくなことにならないのも理解しているため、素直に二人が念話を終えるのを待つことにしたのでしたとさ。
「話は纏まった。それでは第一回『チキチキ☆てめぇの血は何色だ』競争を──」
「色々と待って!!?」
数分後、話を終えたらしい二人がこっちに戻ってきたのだが……今俺が思わず声を挙げたように、そこにはツッコミ所が満載なのであった。
まず第一に、『チキチキ~』云々の部分。
……血の色はって殴り合いでもさせる気なんです?
いやまぁ、今いるメンバーだけ見たら、それこそ俺がみんなを殴って……みたいなバイオレンスが展開されそうに感じるかもしれないが、それはあくまでも外見的に見た場合。
このメンバーの場合、血塗れにされるのは寧ろ俺の方であり、特にDMさん辺りはそもそもメカパンチに人が耐えられるわけないでしょうが、というツッコミ二度打ちが許されるレベルである。
根本的に一番か弱いのが俺なので、そんな展開になったら逃げるしかないのだ。
ツッコミ所はそれだけに終わらない。
戻ってきた二人の姿だが、これまた先ほどとは全然違うものになっていた。
TASさんは単にさっきまで普通の服だったのが、他の面々と同じく動きやすいジャージに変わっていただけなのだけれど。
問題はROUTEさんの方。
「……ん?どうした、悩殺されたか?」
「──痴女!!」
「そうかそうか、悩殺さ
なんとその格好は、いわゆるブルマーと呼ばれるモノだったのである。
最早噂にしか聞いたことのない服装だったわけなのだが……ああうん、これは宜しくない。主に
「いいですか!覚悟して聞いてください!」
「え、あ、はい」
「まずいい年頃の女性が無闇に足を出さない!確かに動きやすそうだけど、こんなの外で履いてたら変なの寄ってくるに決まってるでしょうが!」
「いやでも、昔はこれが普通だと」
「昔は昔!今は今!!コンプライアンスやら女性の権利やらあれこれ言われる昨今なんですから、貴方も自覚を持って行動してください!例えばダミ子さんのよう
「
「してないしてない痛い痛いっ!!?」
アカン、このままだとタイトル通りに血塗れになってしまう!?
頭に噛み付いてくるダミ子さんを必死に宥めつつ、俺は周囲を走り回るのであった。
「……その、気を落とさずに。私は最初からこうなるの見えてたけど、それでもチャレンジする精神は大事だから」
「……痴女」
(……あ、思ったよりダメージ受けてるこれ)
なお、そうして走り回る俺とは対称的に、TASさんとROUTEさんの二人はなんだかしんみりしていたことをここに記しておく。