突然のROUTEさん歓迎会、はーじまーるよー!
……ってわけで、前回から引き続きROUTEさんについてのお話である。
彼女にとっての必需品を改めて買い揃え、戻ってきた家の中では既に準備万端。
周囲の家具を一時的に退かし、匂いや油が付着しないように配慮されたリビングには、大きな長机とその上に熱せられた鉄板が鎮座しており、その周囲には切り揃えられた食材がずらずらと。
買ってきたものを全てROUTEさんの部屋に放り込んだ俺達は、洗面所で手を洗ったのちそのまま所定の位置に腰を下ろしたのであった。
「予めTASさんから『糸目は付けないでいい』と了承を頂いていましたので……今回は奮発して、質の良いものばかりを選んで参りました」
「機械の目で審美してるのは、ちょっとビックリしたけどね」
今も絶えず食材を持ってくるDMさんだが、今回食材を選んだのは彼女、ということになるらしい。
事前にTASさんから『幾らでも出す』という旨の確約を得ていたため、結構はっちゃけた選び方をしたらしいとのことだが……うん、気のせいじゃなければ百グラム三千円とか書いてありますねこれ(震え)
やだ、うちってお金持ちだった……?
「毎日やると(お兄さんが)胸焼けする。たまにならあり」
「お金の心配じゃなくて胃腸の心配されてる……!?」
うーむ、このままではTASさんのヒモ扱いも宜なるかな、である。
いやまぁ、自分一人の生活費くらいは稼いでいると自信を持ちたい年頃なのですが、正直TASさんの稼ぎと比べると月とスッポンどころの騒ぎではないわけでして……。
などとごちゃごちゃ言っているうちにも食材は埋め尽くされていき、あとは開始の音頭を取るだけ……という段階にまで進んでいた。
……誰がやるのかと思っていたら、TASさんに無言で見詰められた俺である。……え、いやマジで?俺がやるの?
TASさんがやればいいじゃん、という感じに視線を返すものの、彼女は首を横に振るだけで取りつく島なし。
仕方がないので、俺は一つため息を吐いた後にコップを持って立ち上がると、
「……えー、本日はお日柄も
彼女に
……あと、それを見たROUTEさんは相変わらず『マジかお前』みたいな視線をこっちに向けてきていましたとさ。
「肉!焼かずにはいられない!」
「で、いい具合に焼けたのを横からかっ拐う……っていうのも、焼き肉パーティあるあるなんだけど……」
「ええ、私の目の前でそのような行為を行う
「ぶ、奉行!焼き肉奉行が降臨しましたですぅ!?」
「もう、AUTO様ったら。そういうのは私に任せて、ご自分もしっかり召し上がりになられたらいいのに……」
「それは確かにそうかもしれません。ですが
「……するのです?一体何が……」
「
(あ、変なスイッチ入ってますねぇこれはぁ)
焼き肉開始よりしばらく。
DMさんは……食べられないこともない(そういうユニット積んでるから)が、それよりみんなに焼けた食材を運ぶ方が性に合っている……とそっち方面に舵を切ったのだが、それに待ったを掛けた、もとい勝手に突撃してきて仕事を掠めて行ったのがAUTOさんである。
DMさんが何度自分の取り分を優先してください、と嗜めても「いいえ、ここが私の戦場なのですわ……!」と取り合わない彼女。
その目付きは爛々と輝いており、彼女が現在正気でないことを如実に表していると言えるだろう。
……多分、最初に「この肉高い!?」と俺が叫んだことが、変なスイッチをオンにするきっかけになったんじゃないかなー、というか。
ほら、高いものなんだからちゃんと美味しく食べるべき、みたいな思考が働いたとかなんとか?
……そういうわけで、地味に発言を反省している俺である。
反省して食事の箸を止めると、その分目の前に肉の壁が築き上がっていくので食べながら、だけどね。……本当に反省してるのかこいつ???
「反省している間があるなら箸を動かす。じゃないとCHEATみたいになる」
「う、うう……肉……肉がいっぱい……もう食べられない……」
「魘されてやがる……」
そんな俺に、過去を振り返るのはあとだと声を掛けるのはTASさん。
過去に足を取られ、肉の海に埋没していった
なんだこの空気、みたいな感じで困惑しているROUTEさんを引き連れ、俺達は絶えず続く戦いの(肉)ロードを突き進むのだ。
……でもうん、これだけは言わせて欲しい。
なにも一日で全部の食材片付ける必要なくね?……と。
その訴えは、変わらず肉を焼き続ける