今後ともよろしくお願いしTAS。
「犯罪者云々の話をするのであれば、TASさん自体が割とあれ……ということにも触れなくてはいけないと思いませんこと?」
「むぅ、一理ある」
一理ある、じゃありませんわよ全く!
……と怒るAUTOさんと、それを見てそういうもんか、みたいな顔をしているROUTEさんである。
この間のやり取りを思い出した俺が、それをみんなの前で話したことによって飛び出した反応だったわけだが……確かに、言われてみるとTASさんも清廉潔白、というわけではないような?
言われた本人が納得してしまってる辺り、割とあれだなこのメンバー、みたいな気分になってくるというか。
まぁ、うちの面々の中で真っ先に捕まる危険があるのは、どっちかと言うとCHEATちゃんのような気もするのだが。
「へぇあ!?ななななんで私が!?」
「いやだって……チートだし?」
「ああ……チートだもんね」
「なるほど、チートだからか……っ。……って、答えになってないんだけど!?」
本人はすっとんきょうな悲鳴を上げていたが……いやー、世間一般的に一番咎められる属性が何か?……と言われたら、やっぱり
なので、その名前を冠するCHEATちゃんは極悪犯ってわけ、
……まぁ、そのあとすぐに『ふざけんな~っ!!』ってキレられたわけだが。
やぁねぇ、キレる若者ってやつかしら?
仲良くなる過程もそれなりに積んだ……ということで、いよいよ合宿開始のお知らせである。
今回はROUTEさんという、トラブル検知役としてはこの上ないメンバーが加わったことにより、TASさんのテンションは最高潮。
早速彼女の技能を使い、トラブルの渦中へと飛び込むぜ!……と言わんばかりの勢いだったのだが。
「や、やらない?」<ガーン
「いや、そりゃそうだろ……なんで好き好んでトラブルに見舞われにいかにゃなんねぇんだよ……」
TASさんの提案を聞いたROUTEさんは、真っ向からそれを拒否。
……合宿は、開始当初の時点で暗礁に乗り上げることとなったのであった。
いやまぁ、当たり前と言えば当たり前なんだけどね、この結果。
ROUTEさんは自分の能力を
それを曲げて、わざわざトラブルに飛び込むために使う……というのは、彼女からしてみれば自分の矜持を曲げるような行為。
そりゃまぁ、いい顔はしないだろうなぁと言うか?
「むぅ……でもこの間の時はトラブルに巻き込まれるのに使ってくれてたし」
「人聞きの悪いこと言ってんじゃねぇ!?……ありゃ、トラブルを解決するのに使ったんであって、トラブルに巻き込まれるために使ったんじゃねぇっつーの」
「……同じことでは?」
「ちげーよ!?」
とはいえ、TASさん的には不満である、ということも間違いではない。
彼女からしてみれば、トラブルに飛び込んでいくのもトラブルを解決するのに奔走するのも、共に似たようなもの。
無論、飛ばしても問題のない
……ゆえに、トラブル回避のためだけに能力を使う、というのは勿体ないように映るのだろう。
それにしても、ある意味近い技能持ちだというのに、これほど未来に対してのスタンスが違うとは。
そこら辺も、ROUTEさんが今までのループ中TASさんに見付からなかった理由、というやつなのだろうか?
……などとあれこれ俺が考えている内に、状況は進展したようで。
「わかった。仕方がない。本当はこんなことしたくなかったんだけど、そこまで嫌がるのならこっちにも考えがある」
「あ?何する気だてめ……いやホントに何する気だテメェ!?目の前の選択肢が悉くバグったんだが!?」
あまりにも頑ななROUTEさんの態度に、どうやらTASさんは強行手段を取ることにした模様。
……それはいいのだが、ROUTEさんには一体何が見えているのだろうか?
常々思っていたけど、もしかしてシミュレーションゲームみたいに目の前に選択肢が浮かんでいたりするのだろうか?滅茶苦茶邪魔じゃね?
そんなこっちの様子は露知らず、とばかりに状況は進んでいく。
強行手段を取ることにしたTASさんが、徐に変なポーズを繰り出すこと暫し。
突然の奇行にROUTEさんが『!?』みたいな顔で困惑しながらそれを眺め、そうして次の瞬間。
「──これでよし。視界ジャックに成功」
「うわー!?視界を埋め尽くさんばかりのTASの山!?」
(マジで何を見てるんだこの人……?)
ROUTEさん渾身の困惑の叫び声と、ドヤ顔のTASさん。
そのハーモニーが奏でる不思議空間に、いい加減彼女の奇行に慣れたはずの俺達も、思わず顔を見合せ肩を竦める羽目になったのでしたとさ。
……取り敢えず、ほどほどにしときなさいね、TASさん。