うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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楽しい合宿、お供はヤツが加わります()

「いつの間にか景色が一変してたのですがそれはぁ……?」

「離れ離れにならなくて良かったですね、ダミ子様」<ニコッ

「その笑みはなんなんですかぁ!?この森なんかヤバイのいるって証明ですねぇ!?」

「うふふ、そのようなことは」

「じゃあその怖い笑みを止めてくださいですぅ!?」

 

 

 一先ずキャンピングカーのところまで戻ろうか、と頷きあった俺達は、初っぱなに取っ捕まりDMさんの手伝いに従事していたダミ子さんが、ニコニコ笑うDMさんにからかわれている姿を目撃することになったのであった。

 

 これは冗談……ではないな、多分。

 彼女の能力ならば、辺り一帯を軽くスキャンすることも可能なはず。

 その流れで、()()()()()()()()()()を察知した可能性は否定できまい。

 では、その危険な生き物とやらがなんなのか、という話だが……それに関しては対面した時に語る、ということでいいだろう。正直予想通りであって欲しくないのが本音だし

 

 ともあれ、今日はもう素直に休んだ方がいいだろう。

 日はすっかり暮れ、辺りは薄暗い森に囲まれている。……この周辺は、さっき着火した焚き火によってある程度明るいが……それでも、遠くが見渡せない以上は迂闊に動くべきではない。

 まぁ、TASさん辺りはその辺全無視して動きだしかねないので、探索したくても明日の朝にするように、と皆で言い含めることとなったのだが。

 

 

「むぅ……相変わらず皆からの扱いが微妙。私だって我慢する時は我慢する。具体的にはスキップできないムービーの時とか」

「それ我慢してるんじゃなくて飛ばせないから不貞腐れてるだけだよね?」

 

 

 もし何とかしてスキップする手段を発見できたのなら、迷わず飛び付くレベルで我慢できてないよね???

 いやまぁ、TASさんならスキップするにしてもイベントごと飛ばす、とかやりかねないわけだが。

 ……え?イベントごとの場合フラグが立たないことがあるから、余程必要じゃないイベントでもなければ飛ばさない?あ、さいですか。

 

 ともかく、ひたすらにビビっているダミ子さんを落ち着かせつつ、そのまま夕食に。

 今日のメニューは鶏肉やニンジンなどの具材がいっぱいのホワイトシチューと、大きめのパンである。

 

 

「キャンプといえばシチューなどの比較的調理の簡単なもの、ですわね」

「手間隙を掛けられるようなスペースや余裕がないことも多いからねー」

 

 

 最悪具材を全部突っ込んで煮るだけで終わる料理は、こういう凝ったことのできない環境には持ってこいというか。

 いやまぁ、DMさんがその辺り妥協するかと言われると別なんだけどね?

 

 

「こういう場所で最高のおもてなしをしてこそ、メイドとしての腕が磨かれると言うもの……!!」

「おーい、自分の職業のこと忘れすぎじゃありませんかー」

 

 

 ……いや、忘れてた方がいいのか?

 いやでも、完全にメイドのつもりになってるのはその内変なフラグを立てそうなので、あんまり宜しくはないというか。

 とまぁ、DMさんの行く末を心配したりしつつ、シチューに舌鼓を打つ俺達である。

 

 正直言うと、真夏にシチューってどうなん?……みたいな気分だったのだが、この森の夜はわりと肌寒い。

 それを見越してのメニューだった……というのであれば、突然の変更によく対応したモノだと褒めたいところで……え?本当はカレーだった?あー……。

 

 ともあれ、ほんのり寒い状況ゆえにシチューを食べる速度もそれなりに速く。

 一杯では足りない、とばかりに皿を差し出すCHEATちゃん達を見ながら、俺はパンをシチューに浸けるのであった。

 

 

 

・)-・

 

 

 

「こういう時に使わず何時使うというのか!というわけで、燃焼無限チート、オン!!」

「おー」

 

 

 字面からするとヤベーやつなのでは?……感溢れるチートだったが、あくまで焚き火の持続時間が無制限になるだけとのことであり、安心して燃やしっぱにできると胸を撫で下ろす俺達である。

 いやまぁ、余所に燃え移らないように最低限見張っといた方がいいらしい、というのも確かなんだけどね?

 でもほら、焚き火を寝ずの番で守る……みたいなノリよりは負担が少なくていいというか。消す時は普通に水掛けりゃ消えるみたいだし。

 

 そんなわけで、一番辛いだろう深夜帯に見張りを交代することに決め、仮眠に向かう俺である。

 ……え?全部DMさんに任せればいいんでないかって?あの人一人にするのはあんまりよくないし、あと本人が会話相手を欲しがったのでそれを無下にするのもなー、というか。

 

 

「外装がメカでも中身は邪神。雑な扱いはその内呪い的なものになって返ってくる可能性大」

「そうかそうか。……ところでなんで楽しそうなのかな君?」

「それはもちろん、向かってくる相手は全てウェルカムだから」

「自分で言ったことを自分で破ろうとするの止めない?」

 

 

 あと、TASさんの予想が正しければ(そして、彼女の思い通りにさせると)、その内DMさんの祟りが降り掛かりかねない……という部分もあるか。

 いやまぁ、彼女の参戦イベントの時期になったら、嫌でも呪われに行かなきゃいけないんだけどね?例の雪山に。

 ……などと言うことを述べれば、自分の出身を忘れていたのかDMさんは大層驚いた顔をしていたのでした。……やっぱりメイド家業に邁進しすぎなのでは?

 

 まぁ他の面々と比べると、参戦イベントの発生タイミングがかなり後の方なので、自分の本分を忘れてしまうのも無理からぬ話なのかもしれないが。

 あんまり邪神邪神してるとTASさんにぼこぼこにされるしね。

 

 そんなわけで、俺はお先にーと皆に声を掛け、運転席に仮眠を取りに向かったのであった。

 

 

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