うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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普通の人間より遥かに強い相手にどう立ち向かうか

「……まぁ、色んな意味で異世界攻略が必要、ってことはわかったよ。んで?ここではどうすりゃ攻略した、ってことになるんだ?」

「ん。この世界の王者にして独裁者、そしてピー蔵の親であるティラノサウルスの撃破が条件」

ちょっと待てや情報の洪水で攻撃してくんな

 

 

 ……あ、あの時のティラノサウルスの子供だったのか、この子。

 ふぅむ、まぁでもこの世界って弱肉強食だからなぁ、子が親を倒すなんてこともあり得なくは……え?暴君・独裁者・発展の邪魔だから倒されるだけで、そんな親族の血腥い骨肉の争いではない?はぁ、さいですか。

 

 そんなわけで、TASさんから明かされた条件に困惑するROUTEさんを宥めつつ、改めて作戦会議である。

 今回の一件は、みんなの成長を促すためのものでもある……というのは今さら改めて言う必要もないことだろう。合宿って言ってるしね。

 

 ただそうなると、基本的に攻略作戦には参加できない人……というのが出てくる。

 その筆頭はTASさんだが、ここでは()()()()()()にスポットライトを当てていきたい。

 

 

「……あ、もしかして私ですか?」

「そうですね、色んな事情からDMさんも後方待機組ですねぇ」

「えー!?」

 

 

 そう、その人物というのが、なにを隠そう本来は人類と敵対する(?)人ではない存在……。

 現在は鉄の体にその思念体を納めているが、そもそもその鉄の体自体がわりとオーバースペック気味なところもあり、尚且つその外見はちょっと大人っぽいTASさん……。

 

 という、ありとあらゆる意味で他人の成長の為には参加を取り止めさせる必要のある存在、DMさんなのであった。

 あ、一応彼女が下手に成長して、邪神として調子に乗り始められても困る……みたいな懸念もないことはないです。

 

 

「……いえまぁ、私が参加できないことに対し、特に不満を申し上げるつもりはありませんけども。……何処となく扱いがではありませんか?」

「いやいやそんなことは。精々貴方に調子に乗られたら、TASさんも同じくらい調子に乗り始めるだろうなぁ……みたいなことしか考えていませんよ?」

「寧ろウェルカム。DM、お前は邪神の柱になれ、それを私が折る」<シュバババ

あっはいご忠告有難うございます分相応の立ち位置に甘んじていますねはい

(見事なまでに態度が反転致しましたわね……)

 

 

 なお、そんなこちらの言葉を聞いたDMさんは、ほんのり拗ねたような表情を浮かべていたが……俺の隣でシャドーボクシングをするTASさんの姿を見て、ちょっと上擦った声を返しながら定位置(具体的には俺の斜め右後ろ)に下がったのであった。

 ……うん、確実にトラウマになってますねこれは。

 いやまぁ、住処ごと一回埋められたこともあるのだから、普通は嫌がるものだと思うわけだが。

 

 ともあれ、今回の作戦にはTASさんとDMさんの両名は不参加、残りの面々でこなす必要がある……ということになる。

 

 

「そうなると問題なのが高速で動いて相手の視線を撹乱する囮役を誰にするか?……ってことになるんだよなぁ」

「なるほどなるほど、今回の相手には高速で移動して視線を撹乱する必要があるのか……なんて?

「いやだから、高速で動いて……」

もう一回同じ事を言えって言ってるわけじゃないのはわかるでしょうが!!

脇腹が刺すように痛いっ!?

 

 

 そうなると面倒なのが、囮役として一人選出する必要がある、ということになるだろう。

 

 前回はTASさんが三人に分身した上で、その内一人がペットボトルロケットを背中に背負い、細かく振動することで速度を貯め、要所要所で開放し相手をおちょくる……もとい撹乱していたわけなのだが……それ以外にも問題は山積みというか。

 ……などという、問題のさわりの部分を話題にあげたところ、みんなを代表してなのかCHEATちゃんに聞き返される事態に。

 なお、素直に再度答えようとしたら脇に手刀が飛んできたため、微妙に悶絶している俺である。

 

 

「い、いきなりなんつーことをするんだおのれは……」

「詳細も話さず問題だけ量産しようとするからでしょうが!?」

「いや、俺が問題を量産しているわけではなく、この世界の攻略にはこれ以外にも問題が山積みというだけの話で……」

「順を追って!!一から!全部!!ちゃんと説明しろーっ!!!」

「ぎゃあーっ!!?」

「荒れてますわね、CHEATさん」

「ああ、今の流れで今回酷使されるのが主に自分、ということに気付いたんだろうね」

「まぁ、TASさん前提っぽい感じのぉ、説明に聞こえましたからねぇ」

「CHEAT様……!御立派になって……!!」

(なんでこいつは昔からの家臣、みたいな空気感を醸し出してるんだ……?)

 

 

 ついでに、言い訳をしようとしたらCHEATちゃんが噴火した。

 滅茶苦茶執拗に脇に突きを繰り出してくる彼女から逃げ回る俺を、TASさんに抱き抱えられたピー蔵だけが、不思議そうに見つめていたのであった──。

 

 

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