うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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勝負は一瞬、一撃で決まる……といいなぁ

「ところで、この試合ってなんでもありみたいな感じなので?」

「なんでもあり、というと語弊がありますが………体格差の有りすぎる相手、ということもあり反則さえ犯さなければ割りと自由ではありますわね」

「なるほど?」

 

 

 図らずもセコンドとなったAUTOさんに、この試合の注意点を尋ねる俺。

 人間対恐竜という変則マッチであるがゆえに、基本やっちゃいけないことというのはそう多くないらしい。具体的には()()()()()()()()()()()()、とか。

 

 ……うん、何度も言うけど野生動物の攻撃なんてまともに受けたら普通に死ぬからね?

 単純な体当たりでもヤバいし、罷り間違って爪だの牙だので攻撃された日には即御陀仏である。

 ……なんかMODさんが「ホントにー?」みたいな視線を向けてきてるが、本当だよとしか返答しようのない俺です。

 

 いや、マジで冗談じゃないからね?

 確かに君らの攻撃とか動きの余波に巻き込まれた時に、わりとエグい状態から復帰してたりするけど、これに関しては君らだからなんとかなってるだけだからね?

 

 

「……?どういうこった?」

「TASさんから貰ったお守りの効果ってこと」

「お守り……?」

 

 

 正確には、CHEATちゃんとTASさんの共同製作ってヤツだが。

 ともかく、そのお守りの効果により、俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のである。

 なので、その条件に見合っているかどうか判断に困るピー蔵からの即死攻撃は勘弁願いたい、ということになるのであった。

 ……該当するならいいけど、しなかった場合酷いことになるからね!

 

 

「その辺りはお兄さんの人間力を信じてるから大丈夫」

「暗に頑張ってねって言われてるんだけどどうすれば?」

「え?えー……がんばれー?」

「すっごい投げ槍な応援!!」

 

 

 いやまぁ、未来視二人組が適当な応援をしてる、って辺り下手なことにはならないと証明されたようなもの、と言えなくもないのかもだけど。

 ……でも心配なモノは心配じゃね?

 と眉根を下げれば、セコンド役のAUTOさんは何とも言えない苦笑を浮かべていたのだった。

 

 

 

・A・

 

 

 

 さて、時間は飛んで試合終了後。

 ……え?あれだけ勿体ぶったくせになんで話が飛ぶんだって?

 それには海より深く・山より高い訳があってうんぬんかんぬん。

 

 

「素直にボロ負けした、と仰れば宜しいのに」

「男には意地ってものがあるんですよ……」

「意地も何も、開始数秒で吹っ飛ばされてたじゃねーか」

 

 

 ……まぁはい、AUTOさん達の言う通り、語るべきものが何にもないってだけなんですけどね。

 開始数十秒、いわゆるリングアウト負けである。

 

 試合展開は至って単純、ゴングが鳴ったあとも暫くうじうじしていたピー蔵が、TASさんの鶴の一声に(「ここで頑張らないならご飯抜き」)よって奮起し(「ピィッ!!?」)、俺へと突撃。

 それを見た俺は小賢しくも後ろに飛んで衝撃を緩和(「バックステップッ!!」)……とかやろうとしたわけだが、そんな素人判断が上手く行くはずもなく。

 寧ろ地面に立っていないことで踏ん張りが効かず、そのまま吹っ飛ばされてロープに。

 

 結果、スリングで射出される玉の如く、俺はロープに弾かれて空を舞った(「ぬぉわーっ!!?」)……と。

 なお、そのままだと地面に激突しておさらば、だったのだがそれに関しては素早く反応したTASさんにキャッチされた(「流石お兄さん、特大ホームラン」)ため事なきを得た。……得たのか?

 

 まぁともかく、変にスプラッタなことにならなくて良かった、というのは間違いあるまい、多分。

 

 で、この試合を通して何か得られるものがあったのか?と言うと……。

 

 

「正直な話、俺に関しては完全に吹っ飛び損だよね」

「大方の予想通りの結果ですし、不甲斐ないと言われても否定はできませんわね」

「まぁ、その分ピー蔵には自信が付いたみたいだし、そのお陰で成長できたみたいだから良かったんじゃねーかな?」

「素直に喜べねぇ……」

 

 

 ……うん、はっきり言うと俺にとっては完全に無意味だよね。

 何か成長した姿を見せられたわけでもなく、無様に宙を舞ったってだけの話だし。

 まぁ、CHEATちゃんの言う通り俺という踏み台を越え、ピー蔵はすっかり時の人……恐竜?になってしまったわけだが。

 

 そう、試合前にも言っていたピー蔵の成長フラグ。

 どうやらこの拙すぎる試合展開でも問題なく機能したようで、さっきまで大型犬くらいの大きさだったピー蔵は、すっかり彼の父親のそれと同じくらいに巨大化していたのであった。

 ……うん、これもうリベンジマッチとかやれたもんじゃねぇな?いやまぁ、例え相手が小さいままだったとしても二度と御免だが。

 

 なお、成長に成功したピー蔵は初めのうちは困惑していたが、次第に喜びが勝ってきたのか今は御機嫌にダンスをしている最中である。

 ……TASさんが分身してダンスに混じってるのに関しては、スルー推奨である。「私がここまで育てました」みたいな顔してるんじゃないよ、まったく。

 

 

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