うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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どう考えてもこっちが悪の根源なムーブ

 当たればバリアが硬化してそのまま地面にまっ逆さま……という、なんというか色んなモノに喧嘩を売ってる感じのするミサイルが戦場を蹂躙する。

 

 眼下の歩兵達はその機動力を活かして縦横無尽に空を飛び回り、なんとかミサイルを避けようとしているけど……残念、こっちのミサイルは在庫無限なんだ。

 ……ってわけで、その内避けきれなくなって被弾・ひゅるるると地面に落ちていくのであった。

 まぁ、そもそもホーミング付きなので逃げるとか不可能なんだけども。

 

 ともあれ、相手の攻撃が届かない範囲外からこっちだけ一方的に攻撃……というのがとても楽、というのは確かな話。

 なんなら哀れに逃げ惑う歩兵達を前に高笑いが漏れてきそうな気分ですらあったり。

 

 

「まぁ、ここで実際に高笑いなんてした日には、ほぼ確実に下克上喰らうんですけどね」

「まぁ、一部明らかに諦めてない方が見えますからね」

 

 

 なお、そんな行動をするのは明らかにフラグ、というわけで黙ってる俺である。

 DMさんも止めといた方がいい(※意訳)って言ってるし。

 

 ……俺の視力ではやっぱりパニックになって逃げ回っているようにしか見えないが、DMさんにはチラチラとこちらを窺いながら逃げ惑う歩兵なんかも確認できているようで。

 そういうのは何をしてくるか分かったものではないため、注意するに越したことはない……ということになるようだ。

 

 流石にTASさん級の動きをする人はいないだろうけど、近くのビルの屋上から加速して可能な限り近くまで飛んできて、かつ一番射程の長い武器で攻撃する……とかすれば届くかもしれないらしいし。

 そこまでしても『届くかもしれない』って辺りに向こうの装備の限界が見えるが、それでも可能性がある以上は甘く見てはいけない。

 

 

「……なに?」

「いや、こういう状況TASさんが好きそうだなぁって」

「うん」

「声がでかい……」

 

 

 立場が逆だったら嬉々としてこっちに挑み掛かって来てただろうなぁ、そしてサクッと落としてただろうなぁ……という感じのことを思いながらTASさんに視線を向ければ、彼女は『今からでも許可が降りればやりたい』とでも言わんばかりの熱をこちらに向けてきたのだった。

 ……いや、許可なんて降りないっていうか元々の目的忘れないでねマジで?

 

 

 

;・A・

 

 

 

 さて、そこから先についてはダイジェストで。

 

 折角の機会(?)だからと張り切ったCHEATちゃんが用意した武装の数々。

 先ほどばら蒔いてた『エネルギー固化ミサイル』を始めに、『バリア叩き割りビーム』(※ミサイルの時点でオーバーキル)だの『レーダー偽装ボム』(※この世界レーダー無いです)だの思わずなんだこれ?……ってなりそうなそれらを駆使し、俺達は戦場を蹂躙していたわけなのだが……。

 

 

「……なにあれ?!」

「え、どうした」

「いや、こっちのミサイルが全部一ヶ所に引き寄せられてるというか……」

「ふむ……向こうも何か対策を持ち出してきた、ってことかな」

 

 

 それらの攻撃が、歩兵達に当たらず別のものに吸い寄せられる、という事態が発生。

 こちら側のホーミング技能が仇になった、ということなのだろうが……CHEATちゃんの改造科学に対抗するとは中々やるなぁ、と思いながらモニターを眺めていると。

 

 

「……そこにいるTASさん、ちゃんと実体?」

「はい?」

「触れるかって聞いてるわけなんだけど……どう?」

「え、そんなの当たり前……すり抜けましたですぅ!!?

 

 

 件の吸い寄せ先──廃ビルと思わしき場所の周辺に、何やら動き回る影のようなものを発見。

 いやまぁ、なんか横切ってるなぁ的なアレだったのだけれど……うん、これもしかしなくても……。

 

 

『何やってんのおバカーっ!!!』

「ちぇっ、バレた」

 

 

 そう、どっからか向こうの装備を調達したTASさんが、思いっきり遊んでる姿だったのである。

 ……君が参加するとこっちに勝ち目なくなるから止めて!!

 とスピーカー越しに怒鳴ることにより、彼女は渋々といった感じにビルから姿を消したのであった。

 無論、戻ってきてからも説教だったのは言うまでもない。

 

 

「貴方様、これをご覧になってくださいまし」

「何々……んー、降伏宣言?……地上絵で?」

 

 

 はてさて、TASさんが戻ってきてから暫く。

 AUTOさんが指差すモニターの先には、地上の様子が映っていたのだが……そこには降伏を意味するらしい向こうの言葉が、歩兵達の武器を使って描かれていたのだった。

 ……武器を使って書くことにより、『自分達にはもう交戦の意図はない』と告げているらしい。

 

 中々洒落た降伏宣言だが……うーん、両手を振ってる一部の面々の他に、周囲の瓦礫とかに隠れてるのが居るのバレバレなんだよなぁ。

 本来ならレーダーが使えないので、こうして瓦礫に紛れるのはかなり有効なのだろうけど……生憎こっちは使えるんでね、申し訳ないね。

 

 

「ってわけでMODさん宜しくー」

「任されたー!必殺、広域殲滅重粒子破砕砲、発射ー!!!」

「いや待ったなんてもの撃とうとしてんの!?」

 

 

 待ち伏せは戦争法違反だ!

 ……他所の世界に言っても仕方ないのだが、待ち伏せされているんだから先制攻撃しても構わない、というのは(多分)間違いあるまい。

 そういうわけで、MODさんに攻撃を要請したのだけれど……なんかネーミングからしてヤバげなもの撃とうとしてない?となって、慌てて止めることになったのでしたとさ。

 

 

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