うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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秋になりました、食欲を満たすために行動開始します

「秋と言えば食欲の秋。サンマを釣りに行くよお兄さん」<スパーンッ

「おおぅ、なんだか懐かしい登場の仕方……」

 

 

 はてさて、ダミ子時空からの帰還を果たした俺達だが、そこからは何事もなく──過去時間軸の俺達に遭遇することもなく──家に戻ることに成功。

 そのまま夏は過ぎ去って秋……と言いたいところだが、実際のところは残暑厳しく秋になった実感は全く無いのであった。

 いやまぁご覧の通り、TASさんに関してはいつも通りだったんですけどね?

 

 ……ってなわけで、久々に人の部屋の襖を勢いよく開けながらの登場、というやつである。

 この登場、襖とか柱とか痛みそうで怖いんだよなー。

 

 

「安心してお兄さん。私の開け方に隙はない」

「ほう、それはどういう?」

「傷が付くならそれは必要な犠牲」

柱の傷が必要になる状況が思い付かないんだが???

 

 

 いやまぁ、いわゆるバタフライエフェクト的なものなのだろうなー、というのはわかるのだが。

 だとしても、俺の部屋の柱に付いた傷が一体どういう効果を持つと……え?任意コード実行のために使われる?その言い訳何にでも使えるやつやんけ(真顔)

 

 ……とまぁ、そんな感じにぐだぐだ会話をしつつ、外へ出る準備を続ける俺である。

 彼女の提案に逆らってもいいことはない……というのは散々実感済みなので、さっさと準備する方が被害を抑えられようというもの。俺に対しても、世界に対しても……だ。

 

 

「むぅ、まるで私が破壊しかもたらさないモンスターのような言い種……」

「そうとは思ってないよ。破壊したあと作り出す系の創造神的なモノだとは思ってるけど」

「なるほど、ならいい」

「……いや、本当にそれで宜しいのですか……?」

「あらAUTOさん、もしかして今回同行組?」

 

 

 中身のない会話を続けていると、TASさん以外の声が。

 ……今日は平日なので他にはダミ子さんとDMさんくらいしかいないと思っていたのだが、廊下から部屋の中を覗いていたのはAUTOさんであった。

 そうして不思議そうに見返されていることに気付いたのか、AUTOさんは一つ咳払いをした後に「今日は創立記念日で休みですの」との答えが返ってきたのだった。

 

 ふむ、そういえばAUTOさんは高校生組の中で唯一、他の面々とは別の学校に通っているのだったか。

 そこら辺、どんな感じの高校に通っているのかとか聞いてみたい気もするが……。

 

 

じー……(´ΦωΦ)

「……ああうん、今日は宜しくお願いします」

「は、はい。謹んでお受け致します……?」

 

 

 ……隣のTASさんがさっさと出よう、とでも言いたげだったため、その辺りの話は放り投げて部屋から出る俺達なのであった。

 

 

 

´ΦωΦ

 

 

 

「そういうわけで、今日は海の上からお送りします」

「誰に向かって喋っていらっしゃいますの……?」

「いや、一種のお決まりというか……」

「はぁ……?」

 

 

 はい、というわけで釣りに適した服装に着替えたのち、沖合へ向かって船を出した俺達である。

 なお、俺は船舶免許なんぞ持ってないので、船に関しては漁協に頼んで船長ごと借りている状態である。

 こういう時、TASさんの交遊関係の広さを思い知るというか……。

 

 

「たまにお手伝いをしてるから、その縁」

「お手伝い、ですの?つまり、今回のように魚を釣りに出掛けることが度々あると?」

「そう。()はお手のもの」

「なるほど、()を……もしかして、網とかの扱いも?」

「もちろん。一網打尽にするのは大得意」

「流石はTASさんですわね……」

「…………」

 

 

 向かい風を浴びながら、何やら会話しているTASさんとAUTOさん。

 その内容は今回の魚釣りについてのものに聞こえるが……うん、これ双方に認識の違いがあるってやつだな?

 

 

「ええと船長さん?」

「ん、なんだ坊主。嬢ちゃんはともかくお前さんはヒョロいんだから素直に場所に着くまで座って待って……」

「つかぬことを御伺いしますが、今回のこれって()()()でいいんですよね?」

「……なんでぃ、単なる素人かと思ったが、事情については知ってんのかい。安心しなぁ、今回は本当に単なる魚釣りだよ」

 

 

 思わず心配になり、操舵席に立つ船長さんに確認を取ってしまう俺。

 ……返ってきた答えは『今日は単なる魚釣り』との言葉であったが、それはつまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということで。

 うん、やっぱりTASさん、普段は別の魚を追い掛けてるなこれは……?

 

 MODさん加入後に、彼女を加えて海に出たことがあったのを思い出しつつ。

 今回のそれは、その時のようにドタバタするようなモノじゃない……という船長さんの言葉を素直に信じていいものか少し悩みながら、俺は元の位置に戻ったのであった。

 

 いやだって、ねぇ?

 単なる魚釣りなら、AUTOさんを同行させる意味はあんまりないんじゃないかなー、と思わないでもないからさー。

 まぁ、単に気分転換とかで連れ出した、という可能性もあるので断言はできないのだが。

 

 ……とりあえず、物騒なことが起きないように祈っておこう、無駄かもしれないけれど。

 

 

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