うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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ようやく静かな秋が来る?

「……一時期の喧騒が嘘のように平和だなー」

「平和ですねぇー」

 

 

 はてさて、大量発生に巨大生物の襲来という秋の恒例(?)イベントをどうにか乗り越えた俺達であるが。

 現在、だらけにだらけていたのだった。……いや違うんだ、別にサボっているとかそういうことではなく。

 まぁ、サボると言ってもそもそも何をサボるんだ、って話でもあるのだが。ダミ子さんとかは特に。

 

 

「……言いたいことがあるなら聞きますよぉ?」

「いえ別に。この間面接に落ちて部屋で泣いてたのとかは聞いてないので別に」

「……滅茶苦茶聞いてるじゃないですかぁ!?」

 

 

 いやー、『バイト先くらいすぐに見付けてやるですぅ』とか言いながら意気揚々と出ていったのに、それから一時間も経たない内にコンビニの袋持って戻ってきた時には何事かと思ったね。

 死んだような眼差しで何処見てるのかわからない様子だったから、すぐに察して彼女の視界に入らないように隠れたんだけども。

 ……そのあと部屋から鳴り響く『なーんーでーでーすーかーぁー!!』の声を聞かなかったことにするのに大層難儀したとも。

 まぁ、その苦労も今こうしてバラした時点で水の泡だが。

 

 

「だから言ってるじゃないか、仕事がしたいのならTASさんのこと手伝うのが一番早いって」

「あれこれ経験させられた後に『じゃあやれるよね?』って笑顔で任されるのは御免ですぅ!!!」

 

 

 まぁ、ダミ子さんは体質的にも見た目的にもまともに仕事できる類いの人ではないので、本当に働きたいのならTASさんの仕事を手伝うのが一番手っ取り早いのだが。

 ……本人的には、負担が大きすぎるので絶対に嫌とのこと。

 まぁうん、気持ちはわかる。彼女に選り好みをする余裕があるかはわからないってだけで。

 

 そんな感じでじゃれあって(?)いると、いい加減バカらしくなってきたのかダミ子さん側が深々とため息を吐いたのち、そのまま元の位置に戻っていく。

 

 

「……話を戻しますけど、もう暫くは何もないってことでいいんでしょうかねぇ?」

「さぁて、ねぇ」

「そこら辺、TASさんから何か聞いたりとかはしてないんですかぁ?」

「さぁて、ねぇ」

「……いやその、まともに取り合うつもりありますぅ?」

「さぁて、ねぇ」

殴っていいですか殴っていいですねオラァッ!!……逃げるなこらぁっ!!

……

 

 

 いやまぁ、からかうつもりはなかったんだけどもなんか面白くて……。

 と、取っ捕まったのちダミ子さんからのチョークスリーパーを受けながら宣う俺である。

 

 

「いや何やってんの二人とも」

「あらやだ、CHEATちゃんに真顔で引かれてる。ちょっとダミ子さーん?CHEATちゃん怖がってるじゃーん」

「え?あ、その、すみませ……って、元はと言えば貴方が悪いんでしょうがぁ貴方がぁ!!」

「……うーん、こういうのも仲が良いって言うのかなぁ?」

 

 

 と、そこにちょうど学校終わりのCHEATちゃんが姿を見せる。

 今日は半日授業らしく、昼御飯を食べに来た……ということになるようだ。

 まぁ、そんな軽い気持ちで我が家の敷居を跨いだせいで、こうして意味不明な状況に遭遇する羽目になったんだがな!

 ……なんでちょっと偉そうなんだって?儂にもわからん()

 

 ともあれ、人が来たのならお遊び・おふざけは終わりである。

 今日は大半の人間が出払っている以上、必要なモノがあるならてきぱき用意しなければ。

 

 

「……あれ、そういえば他の人達いないね?」

「TASさんはいつも通り、AUTOさん・MODさんは普通に学校。DMさんはなんか重要な用事があるとかで朝から居ないし、ROUTEさんに至ってはちょっとお話があるとかで出てったきりまだ戻ってないよ」

「……うん、ROUTEに関してはどっか潰しに行ってない?それ」

 

 

 まぁあの人、元々MODさんより深い感じの裏家業の人っぽいからねぇ。

 火の粉が飛んでくる気配を感知したら、それを消さずにはいられないのだろう、多分。

 

 

「でもまぁ大丈夫。だってこうも言ってたからね」

「なんて?」

「『誓って殺しはやってねぇ』って」

「……なぁ、もしかしてだけど電子レンジを武器にしたりとかしてないよな、アイツ」

「武器にはしてないけど、なんかこの前ものの試しにバナナを温めたら、色が茶色以外になったとか聞いたような?」

「それ別のもん混じってる?!」

 

 

 いやまぁ、あの人選択肢が見えるタイプの人だし、言い換えるとわりと主人公力高い人ってことだから……。

 

 とかなんとか言いつつ、昼飯の準備を始める俺である。

 今日のメニューは簡単にチャーハンとスープであるが……。

 

 

「そういえば、この家って中華鍋とか置いてそうなのに置いてないよね、なんで?」

「なんでって……そんなのTASさんがおもちゃにするからに決まってるじゃん」

「おもちゃ?」

「こうやってチャーハン作るじゃろ?そこで彼女の場合悪ノリ?して宙に放る。結果起きるのは熱々のチャーハンの雨」

「うわぁ……」

 

 

 いわゆる『食べ物で遊ぶな』の文脈というか?

 なお、そうして飛ばされたチャーハン達は一粒残らずしっかりと回収するため遊びには該当しない、というTASさんからの詭弁が飛んできたりもしたものの、そもそも飛ばすなと切って捨てた俺なのであったとさ。

 

 

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