うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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秋の味覚に舌鼓を打つとキツネがワンとなく(?)

「そうだ、キノコ狩りに行こう」

「?青田買いでもするの?」

「え?」

「え?」

 

 

 ……なんかよく分からない行き違いが発生したが、気を取り直して。

 

 秋の味覚、としてよく言われるものの一つにキノコがある。

 素人判断で取りに行くのはまさに自殺行為だが……こちらにはTASさんがいる、意外となんとかなるのでは?と思ってしまうのも仕方のないことだろう。

 

 

「えー、私キノコは取るより追い掛けられる派なんだけど」

「変なレギュレーションの話はしてないからね?」

「キノコを食べると背が伸びる、っていう共通幻想も中々凄いよね」

「変な配管工の話も今はしてないからね??」

 

 

 いやまぁ、ゲームとキノコを組み合わせると髭オヤジが出てくる、というのは水が冷えると氷になることくらい周知の事実みたいなものではあるが。

 実際周知され過ぎててファン向け作品が結果的に大衆向けみたいになる、なんてバグっぽい挙動してるわけだし。

 

 ……その話は広げすぎると何かしらのあれに引っ掛かりそうなのでここで止めておくとして。

 秋の味覚の代表格であるキノコを収穫し、キノコご飯を作ろうというのが今回の最終目標である。

 どうせなら他の秋の味覚達も収穫して、いい感じに料理したいところだが……。

 

 

「ん、サンマはまだ残ってるよ」

「あの時に結構貰ったからね……」

「あとはうにご飯だね」

「栗ご飯ではなく?!」

 

 

 いや何処の錬金術師じゃい。……ソシャゲ意外と面白いですね(すっとぼけ)

 このままだと樽を見て何事かを呟き始めるTASさんが発生しそうなので、さっさと準備に移るとしよう。

 

 そんなわけで、今日の同行メンバーはこちら。

 

 

「……いやまぁ、できなくもねーけどよー」

「『食べられますか?』って聞けば判断できるのは凄い、パチパチ」

「……褒められてるんだよな、これ?」

 

 

 まず一人目、ROUTEさん。

 彼女の能力『選択()』は特定の物事に対して選択肢を視ることのできる能力。

 本来は未来視方面に使うのが通例だが、こういう場合でも使えないことはないらしい。

 まぁ、さっきみたいな質問だと『食べたら死ぬ』系は弾けない(この場合の『食べられない』は食用に向かないの意ではなく、固すぎる・噛みきれないなどの理由によって()()()()()()()()()()ことを問うものである為)から、実際には『食べた時に健康被害があるか?』くらいの聞き方になるのだろうが。

 質問の内容を変えれば十分対応できる、という時点で連れていかない理由がないSSR級キノコハンターであると言えるだろう。

 

 

「そうなると、私はどういう理由なんだい?」

「熊避け」

「……あー」

「猪でも可」

「あー…………」

 

 

 そして二人目、かつ同行者最後の一人はMODさんである。

 こちらは山を散策するに辺り、危険な生物を避けるための役……みたいな感じになるだろうか。

 

 何せ秋といえば冬の前。……当たり前のことではあるが、これが中々注意の必要なモノなのである。

 冬といえば、ほとんどの生物が活動を止める期間。外には出てこずに、穴などに篭って冬を耐えきろうとするものがほとんどである。

 ……で、それを実際に行うには、秋のうちに大量の保存食を用意するなり、冬眠の為にエネルギーを蓄えたりする必要があるわけで。

 

 結果、秋の時期というのは大抵の生き物が気性荒く危険な状態に陥るわけである。

 準備がもし出来なかったら、そのまま冬の寒さにやられて凍死・ないし餓死するからね、仕方ないね。

 

 

「さっきの二匹が一番わかりやすいけど、その他にもスズメバチとかも危険」

「なるほど、そういう相手に発見されないようにするならば、確かに私の能力が一番安全だね……」

 

 

 で、そういう気の立っている相手に近付くのは自殺行為だが……森だの山だのの周囲が確認し辛い環境だと、気付かぬうちに彼らに接近してしまっている……みたいなことが頻発する。

 結果、この時期はそういった不幸な遭遇による事故も多発する……と。

 

 流石にこんなところで死にたくはないので、そこら辺の対処のためにMODさんの偽装能力が役に立つ……というわけである。

 あと、そういった遭遇が起き辛い森や山の浅い位置にあるキノコやら何やらは、既に他の人間に取られている可能性が高い……みたいなのも理由にあったりなかったり。

 ……言い換えると危険な場所に分け入る気満々、みたいな?

 

 

「個人的には、熊退治も興味はある」

「止めようね???確かにTASさんなら勝てるのかもしれないけど、巻き込まれるこっちからすると堪ったもんじゃないから本当に止めようね???」

「ん、つまりは熊を伏せられるようになりたいと」

「誰もそんなこと言ってないんだよなぁ!?」

 

 

 確かに格闘モノとかの作品だと、熊と戦うみたいな話があることもあるけども!

 そういうのって大体熊の脅威がいまいち理解されてなかった昔の作品で出てくるもので、最近の作品だとほとんど出てこない話なんじゃないかな!?

 もしくは仮に出てきても、流石に生身でどうこうみたいな話じゃなくて武器を持ったハンターとか冒険者とかが対峙するやつじゃないかな!?

 

 ……と必死に説得したところ、彼女は渋々といった風に熊との模擬戦を諦めたのだった。

 いやホント、命が幾つあっても足りないので堪忍してつかーさい……。

 

 

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