うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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装うのなら、心まで

「またおかしな技能を入手されたのですね……」

「変なとは失敬な。応用範囲が広がったと言って欲しいね」

 

 

 はてさて、栗拾いやキノコ狩りから帰って来た俺達が、それらの食材を焼いたり炊いたり炒めたりして楽しんだ夜のこと。

 食後のティータイムを楽しみながらも、話す話題はMODさんの変身技能の成長についてのそれへと移行しつつあった。

 どうも、あの異世界修行で無機物変身の持つ副次効果を使用して以降、他のモノについてもそういった理解が進んで活用法が増えた……ということになるらしい。

 

 

「まぁ、相も変わらず他者に付与する分には、あくまでも見た目だけなんだけどね」

「それができるようになったら、かなり応用力が広がるんだけどねぇ」

「なるほど。みんなで覆面変身すると」

「……誰が赤役するかで微妙にもめそうだな」

 

 

 そこで戦隊ものが即座に候補にあがる辺り、俺ってTASさんのことちゃんと理解できて無いんじゃないかなーって思うんだよね()

 それとROUTEさん、流石にそのネタはもう使い古されてると思うんだ。いやまぁ今見ても面白いけども。

 

 

「……仮にリーダーを決めるとすれば、やはり貴方様かTASさんか、ということになるのでしょうか?」

「俺がリーダー?ないない。やれてせいぜいブルーだよ俺は」

「さりげなく二枚目ポジションに居座ろうとしていますぅ。アナタは所詮イエローくらいが関の山ですぅ」

「……?俺がヒロイン役なのか?」

「違いますぅ!!三枚目ポジションですぅ!!カレーとか食べてればいいんですよぅ!!」

「そういえば、こういう場合黒ってどういうポジションなんだろうなぁ」

「人の話を聞きやがれですぅ!!?」

 

 

 そんな中、ふとAUTOさんが溢した言葉により、俺達はどのポジションに付くのが似合うのか?……みたいな話に。

 ……なったのはいいのだが、意外とポジションイメージが固まらないなぁ、と難儀することにもなったのだった。

 

 わかりやすくリーダーポジションであることが殆どの赤。

 サブリーダー・二枚目役・知的キャラとしての青。

 紅一点、ないし紅()点の片割れであることが多いピンク。

 

 ……みたいなところは容易に想像できるのだが、例えば先ほどダミ子さんが例にあげた黄色なんかは、彼女の言うように三枚目──ひょうきんものに対応するポジションであることもあれば、俺が述べたように紅二点──すなわち女性キャラのポジションとして使われることも多いものである。

 似たようなのに白──追加戦士枠か女性枠──があるが、それもそこまで固定化されたイメージとは言い辛いだろう。

 

 ……っていうか、先にあげた三つ以外、イメージが固まらない印象の方が強いっていうか?

 

 

「赤と青以外はモノによっては居たり居なかったり、という話ですからねぇ」

「緑や黒も多いイメージだけど、それでも居ないパターンはあるのだから面白いよねぇ」

「……とりあえず、俺は黒だな」

「おっ、中二病かな?」

「ああ゛??」

「そんなマジギレすることないじゃんかよぅ……」

 

 

 和気藹々、といった感じに自身のイメージカラーを語る面々。

 そうしてみんなを眺めていたら、袖を引っ張られる感覚。

 視線をそちらに向けてみれば、そこにはこちらを見つめるTASさんの姿があった。

 彼女はこちらを見つめながら、小首を傾げ問い掛ける。

 

 

「私の色は?」

「虹」

「虹」

「ゲーミングカラーでも可」

「ん……」

 

 

 それは、彼女が何色に相当するのか、というもの。

 無論そんなの決められるわけもないので、即答で虹・ないし全色的なものであると答えておく俺である。もしくは無色でも可。

 

 

「なるほど、お兄さんの考えはよくわかった」

「ん?」

使

カ○ポ!?

 

 

 なお、それを聞いたTASさんは全身を虹色に発光させながら、エグ○イルの例の曲の動きをやり始めたのだった。

 ……あの動き、かなり特徴的なのに固有の名詞が無いからこう説明するしかないのビックリだよね(突然の世間話)

 いやまぁ、今ならゲーミング発光鳥、でなんとなく通じそうな気もするのだが。

 

 ともかく、お気に召したのか召してないのかよく分からないテンションのTASさんに、俺は困惑しっぱなし。

 助けを求めるように周囲に視線を向けるも、みんな知らん顔して自分の話を続けてやがる。

 くっ、ここには味方がいねぇのか……!

 

 

「TASさんTASさん」

「なに?」

「ダミ子さんもゲーミング発光したいんだって」

「ですぅ!?」

「なるほど。すぐに準備する」

「それからMODさんも後学のためにやっておきたいんだって」

「キミぃ!?」

「なるほど。すぐに準備する」

 

 

 味方がいないということは全て敵、全て敵ならば生け贄にすることに何の躊躇も要らねぇよなぁ!?

 ……ってわけで、こっちを見てあからさまに笑ってた二人をリリースして厄介事召喚、である。

 もう一人微妙な顔をしているCHEATちゃんがいたが、少なくとも表面には出してなかったので今回はセーフとする。

 

 

(ナチュラルに人の思考を読まないで欲しいんだけど……)

(そう思うんなら読まれやすい思考を止めるんだな)

(こいつ直接脳内に!?)

 

 

 ……なんてやり取りを(DMさん経由で)行いつつ、俺達はTASさんの被害を受ける二人を眺めながら一服するのであった……。

 

 

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