うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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もう秋だって言ったじゃないですかやだー!!

「突然だがあっつい!!」

「おかしいですねぇー、もう十一月なんですけどねぇー」

 

 

 長袖を投げ捨て叫ぶ俺と、その横でアイスを食べてるダミ子さん。

 更にその奥ではスク水(白)を着て宙を泳ぐTASさんの姿が見えたりするが……彼女に関してはスルーして頂きたい。

 先日の魔王城崩壊TASを成功させてからずっと、あんな感じで浮かれ続けているので。

 

 

「いい加減地に足を付けるべきだと思いますが……」

「その台詞は定職に付かずふらふらしている相手に使うべきであって、実際に浮いている相手に使うものじゃないとお兄さん思うの」

 

 

 ……などというやり取りはともかく。

 ともあれ、気温の話である。

 

 九月や十月の時も思わないでもなかったが、それでも十月半ば以降は普通に秋っぽい季節になっていたはず……にも関わらず、これである(日中夏日(二十五度)・十一月)。

 いや……異常気象にもほどがあるのでは?

 

 

「例年のこの時期の平均気温は高い方が十七度前後、低い方が十度前後。……少なくとも、夏日を記録するようなことはまずあり得ませんね」

「というか、確か北海道の方雪虫舞ってなかった……?」

 

 

 北海道の雪虫は、それが大気中に溢れてから数週間後には雪が舞うほど寒くなる……ということを知らせるもの。

 つまり部分的にでも零下になる場所がある、ということである。

 幾ら日本が縦に長くて最北端と最南端だと属する気候帯が変わるとは言え、それにしたって違いすぎやしないですかねぇ……?

 

 

「はっ!もしかしてTASさんが何かのフラグのために無茶苦茶な気温にしてる……!?」

「お兄さんはなんでも私のせいにしすぎ」

目潰しっ!?

 

 

 いや、イラついたからって目潰しは無いでしょ目潰しは……。

 突然のTASさんの蛮行に地面を転がって耐える俺である。……のたうち回ってる時点で耐えてない?それはそう。

 

 暫くして、痛みが引いたので立ち上がる俺。

 目の前でぷかぷか浮いてるTASさんは、浮き輪にその体を通しながらこちらを睥睨?している。

 ……いやまぁ、姿が姿なんで怖くはないけどね?寧ろ格好と状態の奇抜さが視線を逸らすことを進めてくるというか。

 

 そんなこちらの視線を気にした風もなく、彼女はこちらに説明を続けるのだった。

 

 

「そもそもDMの加入イベントが始まってもない。つまり今の私に天候操作技能は解禁されていない」

「……いや、お手軽なのがそれってだけで、あれこれややこしい動きを積み重ねれば一応今の状態でも天候操作はできるじゃんTASさん……」

「それは言わないお約束」

 

 

 うーん、欺瞞。

 ……まぁ、この異常気象がTASさんのせいではない、ということは確かなようなので、この話はここで終わりである。

 

 ともかく、こんなに暑いとなんというかこう、涼しくなるようなことがしたくなってくる。

 

 

「とはいえ、下手に夏っぽいことをするのは違うしなぁ」

「あくまで昼間が暑いだけで、夜になると季節相応に寒いしね」

 

 

 ただまぁ、だからといってかき氷機とかを引っ張り出すのはアウトである。

 ……隣のダミ子さんはアイスなんか食べているが、その実夜になると普通に寒い。

 それは言い換えると、直に夕方となる今の時間帯から食べ物で体を冷やすのは宜しくない、ということになるわけで。

 

 

「そうなると……怪談でもするのかい?」

それは却下で。またダミ子さんが雪女になるのは本気で不味い

「冷たいもの食べてるから余計に変化しやすい」

「えっ、そうなんですかぁ?」

 

 

 ただ、だからといって肝を冷やす、という方向で話を進めるのも却下である。

 なんでかって?横のダミ子さんが変な反応起こした結果雪女になるのが目に見えてるからだよ!!

 

 本人はその辺りよくわかってないみたいだが、現在のダミ子さんはアイスを食べているせいで属性が氷に傾いている(?)。

 その状態で怪談話なんてした日には、以前変化したことがあるという縁を辿って雪女に変化すること受け合い、というわけだ。

 

 自分の意思でも変化できるためその辺り気にしてなかったのだろうが、そもそも彼女は他所の世界からの侵入者を防ぐための楔。

 言い換えると変化を受容することで他の変化を発生させない存在であるため、場の状況を整えた上での自然変化は抑えられないのである。

 ……いやまぁ、今なら強制変身のあと別の姿に変身する、みたいな感じで回避はできそうな気はするが。

 

 

「それでも、短期間でも周囲を極寒に包む可能性がある以上は、無闇矢鱈に変身させるのは良くないんだよ」

「……ごく自然に変身するものとして扱っていますが、そもそも勝手に変身するのもおかしいのでは……?」

「その辺りはほら、ダミ子さんの性質が強化された結果、みたいなもんだから……」

「私もいつの間にか成長してるんですねぇー」<モグモグ……アッ,アタッテル

 

 

 なお、AUTOさんからある意味至極もっともなツッコミが飛んできたりもしたが……TASさんが自然と浮いていることに比べれば些細な話だろう、と返せば確かにと納得していたのだった。

 ……いや、自分で言っといてなんだけどそれで納得するのもあれだからね???

 

 

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