うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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かわいそうな彼らは序の口

「……そういえば、あの時は描写外で密漁者達がバシバシ取っ捕まってたんだっけか……」

 

 

 しみじみ、といった風情で当時のことを思い出す俺。

 確かあの時北国に連れ去られた段階で目的として挙げられていたのは『密漁者の捕獲』だったが、それに関しては片手間に片付けられていたのだったか。

 

 猟銃とか持ってる相手なのだから危ないに決まってるのだが、雪道で突然出会った時に危険度が高いのはTASさんの方なのでどうしようもない。

 ツキノワグマとかヒグマじゃないだけマシ、とでも思って貰うしか……え?白い雪に紛れるようにして木々を飛び回り、『タチサレ……タチサレ……』と底冷えするような声を響かせていたTASさんの方がよっぽど質が悪い?

 そもそも相手は悪人なのだからその辺りは、ね?

 

 ってなわけで、回想終わり。

 改めて現在に視点を戻して見れば、そこにはとても愉快な光景が広がっていたのだった。

 

 

「さーちあんどですとろいー」<ダララララッ

「ふべぇ!?」

「逃げる密漁者は悪い密漁者、逃げない密漁者は良い密漁者。とはいえどちらも逃がすつもりはありませんわー」<ドパーンッ

「ふげるぺびっ」

「ワリーコハイネガー……レイホウヲオソレヌワリイコハイネガー……」

「ひぃいいい祟りだぁああ……べへっ!?」

 

「こ れ は ひ ど い」

「はっはっはっ。まぁ悪人に情けは無用、だからねぇ」

「ヤダこの人熊に擬態してる……」

 

 

 はい。

 ……ええまぁ、ご覧の通りなんかこう、結果的にみんなでの遠征になったわけでね?

 それゆえ、密漁者の皆様方は大変ショッキングなことになっているのであります。……うん、死なないだけマシ、みたいなやつだなこれ???

 

 

「こ、ここまで来ればなんとか……」

なりませんよぉ……貴方はここで凍え死ぬんですぅ……!

「ひぎゃあああ雪女だぁあああふべっ」<カチーン

「本当に凍らせるやつがあるかよ……ってかそれ死んでねーのか……?」

「妖気?で凍ってるだけなので大丈夫ですぅ。それよりROUTEさんの方が酷いと思いますぅ」

「そうか?BB弾とはいえ思いっきり撃ってるTASだのAUTOだのに比べれば優しいと思うがな。苦しむことなく一瞬で天国を見せてやるぜ?」

「あきゃっ」<ゴキッ

「……私のより死んでないか心配ですぅ」

 

 

 モデルガン片手に追い回しているTASさんやAUTOさん、ホラー演出マシマシのCHEATちゃんに対し、物理的?に密漁者を屠っている(※屠ってない)ダミ子さん達も中々である。

 っていうか、ROUTEさんのそれは思いっきり首いってない?

 

 

「うーん……もし私が変わらず遺跡の中に居たのなら、こう思ったことでしょうね。──やだ、バカが来たぞって」

「酷い言われようだけど否定はできねぇなぁ」

 

 

 うん、こんなところで何やってるんだこいつら、みたいな感想を抱くのは当たり前というか。

 ……そんなわけで、呆れたような声をあげるDMさん(※スナイパーライフルを支え代わりに立ってる)に対し、苦笑を返す俺なのであった。

 

 そんなこんなで珍道中。

 目的地である遺跡までの道のりを、さくさく雪を踏みしめながら進んでいく。

 途中、北の大自然に住まう生き物達を狙う密漁者達を発見しては、それを撃滅しつつ……だ。

 

 

「うーん、おかしいなー」<クソーッ!ヤレー!ヤリカエグエーッ!?

「おかしい……とは、一体何が?」<ヒェエエオタスケウベッ!?

「いやね、ここって日本でしょ?確かにこの辺りは人類未踏の北の大地、何が居てもおかしくない場所ではあるけど……」<ナンデコッチノイチガバレテギャァ?!

「ああ……確かに。他所の国ならともかく、平和な日本にここまで密漁者がいるものか、と不思議に思ったと?」<ナンナンダヨナンデアンナニオンナバッカナノニツヨブヘッ!?

「うん、そういうこと」<クソーッ!!フザケンナソコノヤロー!!

 

 

 真っ白な雪原に紛れるようにして隠れている一団を発見してはぶん殴り、発見しては撃ち落とし……。

 ……などとやっていると、ここが実は日本ではないような気がしてくる。いやまぁ、相手の悲鳴が日本語な辺り、ここは日本で間違いないとは思うんだけどね?

 

 でもほら、なんというか日本で密漁、というのがあんまりピンと来ないと言うか。

 やるにしてもカキとかアサリとか、もしくはサンマとか鮭とか……そういう、水棲生物に対してのモノがほとんどなんじゃねーのかな、みたいな気分になるというか。

 少なくともキツネやら鹿やらを密漁しに来るイメージはあんまりないというか。

 いやまぁ、単に密漁が見過ごされるほど広い土地がない、ってだけの話のような気もするのだが。

 

 ともあれ、微妙な違和感を覚えつつも密漁者達を屠っていくこと数分。

 俺達はいよいよ、目的地である洞窟にたどり着いたのであった。

 

 

「なるほど、これが噂の……!」

「今回入り口は空いてるのか?」

「多分閉まってる。開けるところから始めないと」

「なるほど……ってDMさん?突然立ち止まってどうしたんです?」

 

 

 この奥の、壁を崩した先に目的の遺跡がある──。

 その事実に目を輝かせるCHEATちゃんを先頭に、洞窟の奥へと向かう俺達……だったのだが。

 その入り口で立ち止まったDMさんを確認した俺は、先頭集団から離れて彼女にその理由を聞きに行き。

 

 

「……()()、いる?」

「はい?」

 

 

 そうして、奇妙な彼女の一言を耳にすることになったのだった。

 

 

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