うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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クリア後にはちょっとした種明かしが……

「おりゃあ!脱出!!」

「やったー!!」

 

 

 入り口まで走りきり、そこで寝ていた盗掘者達を抱えてそのまま飛び出した俺達。

 さくさく攻略したせいか時間はそれほど経過しておらず、外は真っ白な雪に太陽が反射して俺達の視界を眩ませていたのだった。

 

 

『勢いで一緒に飛び出してしもうたが……これ、良かったのか?というか出られるものなのか???』

「実際にこうして出てきていますからねぇ……一度私と融合したことで、紐付け先が遺跡ではなく私に再設定されたのかも知れませんね?」

『我が事ながら、わからんことばっかりなんだが???』

 

 

 久方ぶりの外の空気に一息吐く俺達を横目に、スタンドさんとDMさんが会話を続けている。

 

 ……以前の時もそうだったが、DMさん達は本来この遺跡に祀られている邪神。

 言い換えればこの地に封印されていたようなモノであり、それを勝手に外に出すのはどうなんだ?……みたいな疑念は確かになくもない。

 

 まぁ、本人も言うように『寧ろ何の依り代もなしに外に出られた』ことの方が不思議、という考えもできなくはないが。

 それに関しては、DMさんの説が現状もっとも説得力がある、ということになるのだろうけど……。

 そうなると二人してパッドに紐付けられている、ということにもなりかねないため、指摘していいやら悪いやら。

 

 

「ともかく……暫く遺跡はこりごりですぅ」

「今回は大活躍だったねぇ、ダミ子君」

「唐突に大きくなるのは勘弁ですぅ」

 

 

 そんな風に色々考えている俺を他所に、普通に肌が擦れて痛かったですしぃ……とかなんとか嘆息しているダミ子さんである。

 今回目立った活躍のなかったMODさんが、彼女の奮闘を称えるような言葉を並べているが……うん、額面通りに受けとるべきではないな、あれは。

 

 ジトッ、とした高湿度の視線を受けているにも関わらず、まったく意に介さない様子のダミ子さんは流石だと言いたいが、そのままほっとくと変な火種になりそうなので一応声を掛けておく俺なのであった。

 

 

 

눈_눈

 

 

 

「……何やってるんです?」

「え?今回見所さんのなかったMODさんに、ちょっと良いとこ見せて貰おうかと」

「は、はぁ……?」

「いや納得しないで貰えるかなAUTO君?!これ明らかに良いとこみたいとかそんな単純な話で終わるやつではないよ!?」

 

 

 なにやらこそこそやっている俺達を見て、AUTOさんが様子を確認しに近付いてくる。

 無論、俺としては特に隠すこともないのでやっていることを素直に白状するが……これは、MODさんに紐なしバンジーを敢行させようとしている図である。

 

 ……え?争いを止めるために片方を族滅するのはやり過ぎ?その内身内から離反者が出る?

 何やら物騒な勘違いをされているようなので説明すると、そもそもここの面々が崖から突き落とした程度で死ぬのか、というか。

 

 

「……空中ジャンプできますしね、私達」

「何なら走り回ることだって可能だ、ってことは実質的に突き落として死ぬわけがない、ってことになるわけで。……というか、今のMODさんなら仮に両手足縛って放り投げても、空中で自身の構成材質を紙とかに変えれば、落下速度激減・衝突による衝撃緩和……みたいな感じで、余裕で回避できるだろうし」

「材質適用は中々に便利」<ニュッ

「……いや、どこから出てきていますの貴方」

 

 

 そう、唐突に俺の背後からニュッ、と飛び出したTASさんの薫陶により、俺達は現在空中ジャンプとか空中ダッシュとかを覚えた状態。

 これによって高所から突き落とされても、落下速度を緩和しながら地上に降り立つことが可能になっているのである。

 それに加え、現在のMODさんは以前の時から擬態の性能が上がり、変身中はその物体の材質的特性なら発揮できるようになっている。

 

 つまり、発泡スチロールのような軽いモノに変化すれば、落下の衝撃なんて無いようなモノにまで軽減可能になっているのだ。

 ……というか、下手するとこの面々の中で一番空中歩行などの技能が得意なの、彼女かもしれないってくらいに応用幅が広がっているというか。

 極端な話、気体に変化すれば普通に浮けるからね、今のこの人。

 

 ……これが何を意味するのかというと、つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、ということ。

 

 

「降り立つ?なんでまた」

「CHEATちゃんが『せめて……せめて遺跡を攻略したという証拠が……証拠が欲しい……』って呻いててね。流石にあの状況で逃げてる間にそういうものを回収するのは不可能だっただろう?……なんで、手柄が欲しいとごねるMODさんを派遣しようかと」

「ごねてないんだがー!?私は当然の権利を主張しているだけなんだがー!?」

「なるほど。いい薬ですわね」

「なんか反応が酷くないかねAUTO君?!」

 

 

 わいのわいのと言いながら、そのままみんなでMODさんを蹴り落とす俺達である。

 彼女は『あとでちゃんと褒めたまえよ君ぃぃぃぃ!?』とかなんとか言いながら、瓦礫の隙間を縫うように地底へと落ちていったのだった。

 ……うん、意外と余裕あるな、あの人。

 

 

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