「お、戻ってきた。何かあったかい私ー?」
「…………」<ブンブン
「おや、何もなかった?それはまた……」
「えーっ!!?」
「うるさっ」
一先ずMODさんの説明が終わり、そのまま昼食を食べ始めた俺達だったのだが……。
その最中、下からもう一人のMODさんが戻ってきたため、食べながら彼女の報告を受けることになったのだった。
で、MODさん本人とは違い無口なクールビューティ、みたいな空気感を醸し出しているMOD´さんはというと、
その言葉に思わず絶叫したのが、さっきからひたすら凹んでいたCHEATちゃんだ。
何かしら遺跡があった、という痕跡くらいは持って帰らないとやってられない……といわんばかりの様相であった彼女は、MOD´さんの放った言葉にとてつもなく狼狽えている。
……まぁ、本来なら何も持ち帰ることができない、なんて状況自体が稀すぎるのだから仕方のない話だが。
「…………」<ミブリテブリセツメイシーノ
「ふむふむ……どうやら、遺跡の跡地に入り込もうとしたところ、見えない壁に阻まれたみたいだよ」
「色々ツッコミたいところはあるんだけど、とりあえず一つ。……いや、遠隔操作じゃなかったんかい」
「いや、徹頭徹尾遠隔操作だと、実際に私が落ちてるのとそう変わらないだろう?幾つかはオートで動かせるから、基本はそれに任せてるんだよ」
……うん、さっきはクールビューティと称したが、これ単に無口なだけでクールではないな?
と、こっちに確信させる身振り手振りを見せたMOD´さん。
その動きからMODさん本人が、彼女の持ち帰ってきた情報を割り出したのだが……よくよく考えると、なんでそんなことをする必要があるのか?
遠隔操作だって言うなら、MODさん自身も彼女を通して現場を確認しているはずなのだが……。
そんなこっちの疑問を受けて、MODさんは『そんなことやってられない』と身も蓋もないことを言う。
……いやうん、確かに自分が現場に行きたくない、という思いから代役を立てたのならば、その代役に一々指示していては意味がないというのはわからんでもないけども。
でもさっき言ったことを、即刻翻すのはどうかなーってお兄さん思うわけですよ。
そんな感じの愚痴を交えつつ、改めて得られた情報を整理すると。
どうにもこの崩れた遺跡、入り口相当の部分に見えない壁が増設されており、隙間を縫って中に入ることもできなくなっているのだという。
……つまりはバリアが張られてしまったということになるわけだが、そんなことができそうな人(?)物というと一人・もしくは二人しかおらず……。
「……スタンドさん?」
『いや、そんな目で見られても
「な゛ん゛でぞん゛な゛ごどを゛ぉ゛!?」
『ぬぉわ汚なっ!?なんでと言われてもそういうものだとしか言えぬが!?』
「ぞん゛な゛ぁ゛!!?」
『ええい止めい止めい!そのような様相で迫ってくるでないわっ!!?』
うわぁ、なんだかすごいことになったぞ。
……当事者とおぼしき内の片割れ・スタンドさんが弁明しつつ思い出した事実により、CHEATちゃんがついに大泣きをし始めてしまった。
更に、その状態でスタンドさんの方に詰め寄るものだから、彼女思わず腰が引けてるし。
……いやまぁ、
ともかく、一連の自爆の流れによって中に入れないようになった、ということで間違いはないらしい。
つまり、今この状況からなんとかして遺跡の痕跡を得ようとする場合、何かしらのズルをしてそのバリアをすり抜ける必要がある、ということになるのだけれど……。
「ダメに決まってるだろぉ!?そんなことして遺跡が更に無茶苦茶になったらどうするつもりだよぉ!?」
「……というわけで、実質それをできる人間が拒否してるのでこちらに処置なし、というわけですね」
「ぬぁああああああ」
うん、それをできる人というのはこの面々の中だとただ一人。
そうしてズルはよくない、とばかりに拒否しているCHEATちゃん本人であり、本人がダメだと言う以上はできることなんてない。
そう告げるDMさんの様子を見て、頭を抱えながら転がり回るCHEATちゃんである。
……そこまで苦悩しているわりに、ズルはしたくないというのだからなんともはや。
……なお、一応ズルはズルでもTASさんに任せてポリゴンの隙間を抜ける、という方法もないではないのだが。
そっちに関しては「いやどう考えてもちゃんと持ち帰ってこないフラグか、もしくは持って帰ってきたものに変なフラグくっ付けるタイプだろそれって!?」と
TASさん自体も否定する素振りがなかったので、恐らく彼女の予測は当たっているのだと思われる。
──うん、諦めが肝心というやつだなこれは!