はてさて、DMさん加入イベント含みの遺跡攻略からはや数日。
なんでもない日常に帰ってきたはずの俺達だったが、どうやらそれは勘違いということになるようで……。
『む?何故だ、確かに遠巻きにする者がやけに多い気はするが、概ね平穏な日常だと思われるが』
「その遠巻きにされてるってのが問題なんだよ……」
『むぅ?』
その理由と言うのが、
ダミ子さん以来の英文字じゃない名前を与えられた彼女(?)は、本来DMさん専用の背後霊だった。
それが今やどうだ?
何故なのかはわからないが、いつの間にやら他の不思議ガールズや俺の背後にまで付いてこれるようになってしまう始末。
そして更にこちらも詳細は不明だが……今のスタンドさんは、うっすらと周囲にも認識されてしまう状態なのである。
本人的には隠蔽効果は発揮されているはずなのにも関わらず、だ。
『ふむ、つまりお主はこう言いたいのだな?後ろに背後霊を連れていることが周囲にも見えており、それが原因で注目されてしまっておると。……
「あいたっ!?」
その辺りの不満を述べれば、当のスタンドさん自身は我関せず、とばかりに素っ気ない態度を見せてくる。
どころか、背後霊呼ばわりが不敬だとデコピンまでしてくる始末である。地味に痛ぇ!
『まったく、不敬であると理解しておるならば端からやるでないわ。そも
「……TASさんには負けるくせに」
『いやアヤツを引っ張り出すのは色々と反則だからな?』
いや、なんじゃ全分岐の全検索って……。
そんなのまともな存在なら、試そうとした時点で潰れる類いのもんじゃろうに……。
とかなんとかぶつぶつ呟くスタンドさんである。……生粋の邪神から見てもTASさんってヤベーのか……。
そんな気付きはともかくとして、スタンドさんの話。
いつの間にか他の人の背後にも移れるようになった代わりに、どうもスペックが下がっている様子。
初日にDMさんの背後にくっついてやって来た時には、誰からも注目されていなかったにも関わらず、だ。
『むぅ……とは言うがな、
「なるほど、本人からわかるレベルでスペックが落ちているわけではない、もしくは本人にはわからない類いの変化だと」
『……まぁ、そういうことになるのぅ』
そんな俺からの指摘に、スタンドさんはむぅと一つ唸り声をあげる。
本人の感覚的には変化がない……というのであれば、考えられるのは二つ。
何らかの理由で周囲の認知力が上がったパターンと、スタンドさん本人には認知できないだけでしっかりスペックが下がっているパターンである。
前者はいわば、周囲のレベルが上がったために相対的に彼女のレベルが下がった、というパターン。
本人の意識的にはこちらが正しいように思えるが、仮にそうだとすると短期間で周囲のレベルがごりっと上がった、ということになるので違和感が凄い。
後者は彼女の感覚に細工が施されており、実際にはレベルが下がっているのに認識できていないパターン。
こっちは周囲の違和感を払拭できるが、代わりにスタンドさん側が『そのラインの干渉を認知できぬほど耄碌した覚えはないぞ』と不満になる説である。
……要するに、どちらのパターンだとしても何かしらの違和感が残る、というわけだ。
『
「よしんばその理由がTASさんとかDMさんとかだったとしても?」
『微妙に否定し辛いことを言うでないわ……』
とはいえ、やっぱり俺は後者の説──彼女が何らかの理由でスペックダウンした、という説を推す。
理由は単純明快、彼女自身はプライドから認めないが、そのプライドを粉々に砕く人物が少なくとも二人いる……という事実があるからである。
具体的にはTASさんとDMさんの二人で、前者は言うに及ばず、後者は彼女の同位体だから本人に気付かれないような干渉手段を持っていてもおかしくない。
……まぁ、やれるだろうなぁってだけであって、彼女達がそれをする意味がわからないため、考察としては微妙なところもあるのだが。
『ふむ……それは何故だ?』
「二人がそれをするのなら、恐らく意味があることなんだろうけど……スタンドさんのスペックを下げるとどんな利点があるのかわからん、みたいな?……いやまぁ、DMさんはともかくTASさんの場合は『ここでスタンドのスペックを下げるとスタックする』とかなんとか言い出しかねないから、わかってもわからなくてもあんまり変わらないんだけども」
『……一応ツッコミを入れておくが、『スタックする』って悪い意味ではなかったか?』
「TASさんなら意図的に処理を
『ええ……?』
なお、TASさんに関しては意図がわかってもそれを余人が理解できるかは別、と伝えたところスタンドさんは何言ってるのこいつ、みたいな眼差しを俺に向けてきたのだった。
……いや、文句はTASさん本人にお願いしますね?