うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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居丈高な不憫属性、みたいな

『おかしい……何故にどいつもこいつもぽんぽん(わし)に触れられるようになっておる……?』

「やっぱりスペックダウンしてるんじゃ……」

『それだけは絶対にない!いやまぁだからといってお主達が急激に成長した、というのも認めがたくはあるのだが!!』

「えー」

 

 

 はてさて、鍋大会の次の日。

 ぷんすか、という擬音が聞こえてきそうな態度を見せるスタンドさんを横に、俺は周囲の雪掻きを行っている最中なのであった。

 ……え?初冬も初冬、そもそも豪雪地帯でもない俺の家で、なんで雪掻きなんてする必要なんてあるんだって?

 それはお前さん、今の状況をもう少しちゃんと思い返すとすぐにわかることだと思うよ?具体的には前回周回も参照。

 

 

「ゆーきゆーきふーれふーれやっほーい」

「TASさんがくるりくるりとひとまわりする度、木枯らしかと思うほどの気軽さで空から大雪が落ちてきますわね……」

「局所的大雪過ぎんだろうが!?幾らなんでも喜びすぎだろお前ー!?」

「何を言う。私はずっとお預けされてきた。折角覚えたのにろくに使えないまま次回周回に放り込まれた無念……ここで晴らさば武士の名折れよー」

「適当なこと抜かしてんじゃねー!!」

 

 

 うーん、一面の雪原に喜び勇む柴犬かな?()

 ……そう、スタンドさんはDMさんの加入イベントがきっかけでやって来た存在。

 それはつまり、彼女がこうしてここにいること自体がイベントの終わりを告げている、ということになるわけで。

 

 平たく言うと『天候操作』コマンド解禁のお知らせである。

 そして抑圧されたTASさんが何をしでかすかと言えば、ご覧の通り。

 頭上に大雪を降らされて怒り心頭なCHEAT()ちゃんに追っかけられながら、それでも雪を降らせることを止めないTAS(柴犬)さん……みたいな光景が繰り広げられることとなったのであった。

 

 これには普段クールなROUTEさんも思わず口元の煙草を取り落とすというもの、というか?

 

 

「あ?……あ、ああ。済まねぇ、ちょっと意識が」

「まぁ、驚きますよね。天候の操作とかこんなに気軽にしてると。でも煙草のポイ捨ては良くないんで気を付けましょうね」

「……気を付ける

 

 

 普段なら落ちてもまだ吸える、となりそうなモノだが、生憎と現状はそこら中の大雪。

 ……雪解け水に思いっきり浸かって鎮火してしまったこともあり、そのまま捨てるしかない煙草は単なるゴミでしかない。

 その辺りのことを悟ったROUTEさんは、微妙に気まずげな視線をこちらに向けながら、拾った煙草を手元の吸殻入れに放り込んだのだった。

 

 

 

・A・

 

 

 

「くらえー冷たくなった手ー」

「……いや、私も大概冷えたから効果はないよ……?」

「むぅ、じゃあお兄さ……こういう時だけ素早い」

 

 

 はっはっはっ、そりゃ目の前でやられてたら警戒もしますよっと。

 ……ってなわけで、雪を散々扱った結果冷えに冷えたお手手をこっちの首もとに推し当てようとしてくるTASさんに対し、首もとのマフラーを強く巻き直すことで対処する私である。

 いやまぁ、本気でTASさんがやるつもりなら、これくらいの防御は全く無意味なんだけどね?

 

 でも今日のTASさんはそうまでして攻撃するつもりは毛頭ないようで、俺の変わりに近くで雪掻きをしていたダミ子さんの方に突撃していったのだった。

 

 

「くらえー」

「え、くらえって何を……ほわぎゃあ!?

「手じゃねぇのかよ」

「ダミ子相手なら遠慮は要らないかと思って」

「そっちがその気ならこっちにだって考えがありますがぁ!?」

「おお、巨大化アンド雪女化。これはとてつもない強敵」

(その輝いた瞳は確実に強敵相手に向けるやつじゃねぇだろ……)

 

 

 そうして哀れダミ子さんは、手ではなく近くの雪を首もとから服の中に放り込まれるというとんでもなく酷い目にあったわけなのだが……昔日の彼女ならともかく、今のダミ子さんは豊富な反撃手段を得た身。

 ゆえに彼女は自身の『妖怪変化』を発動、すぐさま巨大化と雪女化を併用し、TASさんへの逆襲を……え?雪女化はともかく巨大化は単なる敗北フラグ?

 

 まぁ、TASさんがその辺りのことを全く考慮せず動くわけがない……という嫌な信頼があるのは事実。

 というか、巨大化も大概だけど雪女化も現在のTASさん相手だと決め手にはならないわけで。

 

 

『それはまた……何故だ?』

「いや何故って……スタンドさんも見てたでしょ、今のTASさんは天候操作を使えるから、例えダミ子さんが雪女パワーで対抗しようとしても、同じようにTASさんも雪風吹かせて挑んで来るわけで……」

『……それ、周囲が酷いことにならぬか?主にぶつかり合った雪風が横に逸れていく、という意味で』

「…………止めなきゃ(使命感)」

『いや気付いておらんかったんかい!?』

 

 

 つまりこの勝負、結果的にダミ子さんの敗けだな。

 ……などと高みの見物を決め込んでいたところ、横合いからかけられたスタンドさんの言葉に、勝敗はともかく周囲が今より酷いことになる可能性に気が付き、慌てて仲裁に入る羽目になったのだった。

 

 え?止められたのかって?無論俺が吹っ飛ばされましたが何か?()

 

 

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