「ご馳走さまでした」
「はい、お粗末様でした」
さて、踏んだり蹴ったりな買い物からはや数時間。
出来上がったすき焼きは綺麗に空になり、みんなが満足そうに手を合わせる中、俺はお粗末様と返事をしていたのだった。
そうなると、いよいよ先伸ばしにしていた話──サンタさんについての話題に触れることになるのは言うまでもなく。
「いえその前に、どうして一緒に食卓を囲んでいましたの……?」
「え?そりゃまぁ、タイミングがよかったというか……」
「いえ、貴方に聞いたのではなく。用もなくこちらに来るはずのない、サンタさんの方に窺っているのですわ」
「あ、はい」
そこで真っ先に声をあげたのがAUTOさんである。
内容は至極真っ当なものだったが……確かに、言われてみれば呑気に同じ卓でご飯を食べるような余裕はあったのか、という疑問も感じないでもない。
本来、彼女がこちらにやってくるような理由はそう多くない。
以前ならば置き忘れたサンタ袋を取り戻しに、というのが理由になったのだろうが……それは最早彼女の手に戻っている。
となると、直近で起きたトラブル──ダミ子星サンタ惑星へと昇格、辺りが理由になりそうなものだが。
それはそれで、わりと生真面目っぽい彼女がここでこうして呑気にしている理由に繋がりそうもない、というか?
「それならそれで、真っ先に飛んで行きそうだもんな、目的地に」
「だよなぁ」
「……何をこそこそと話しているのか知らないけど。もしあの惑星のことを言っているのなら、とっくの昔に確認済みだと返しておくわ」
「えっ」
「サンタ嘗めないで頂戴。たかが二百億光年くらい、サンタワープを使えば行って帰るのに十分も掛からないわよ」
「ほう……」<キラキラ
「こらTASさん、サンタ技術は導入厳禁って言ってたでしょ」
「はぁい……」
その辺りをこそこそ話していたら、当のサンタさんに真っ先に否定されてしまった。
……その時彼女の移動速度の速さに思わずTASさんが興味をそそられていたが、
なので早々に諦めさせ、話を戻す俺なのであった。
「いやその前に、サンタ技術ってなんだよ……」
「それに関しては解説すると長いから、おまけモードを起動してグラフィックビューアーを選び過去回想を確認してくれ!」
「お兄さん、過去回想を見てもサンタ技術の解説はしてないよ」
「……いや待て、ツッコミどころが倍になったんだが???」
……諦めさせたら横からROUTEさんがワケわからん、とばかりに口を挟んで来た件について。
まぁ確かに、彼女は今年がサンタさんとの初遭遇。となればその関連ワードもよくわからん、という形になるのも仕方のないこと。
なので、同じく今周回初加入組のスタンドさんと合わせ、説明をカットするため過去回想を別枠で行おうとしたのだが……ああうん、そういえば詳細を知るのは宜しくない、ってことであんまり触れてなかったんだっけか。失敗失敗。
……え?その辺りの説明をするために出した単語で、さらにROUTEさんが虚無顔を晒してる?
もー仕方がないなー、
異世界モノでよく見るステータスウィンドウオープン、みたいなノリで現れた空中投影モニターに、ROUTEさんがさらに機能を停止しスタンドさんが「!?」みたいな顔をしているが、そういうもんだからそういうもんだと納得してくれ、と声を返す俺である。
「……あら、この世界でも存在してたのね、それ」
「その言い種だと、サンタさんの世界にも似たようなものが?」
「ええまぁ。……基幹技術もそう違わないみたいだし、こっちの辞書をインストールしておくわね。……あっ、勿論あくまでも表面だけの解説に留めたやつね」
「…………」(もう付いていけない、という顔)
なお、サンタさんの前で一連の行動をやっていたせい……お陰?で彼女の目に止まり、グラフィックビューアーがサンタさんの世界にも存在することが判明。
彼女の持つ技術のうち、問題となるのはあくまでもこの世界に無いものだけ……ということもあって、そのまま彼女によって辞書機能がインストールされることとなったのだった。
……そのせいで余計にROUTEさんの虚無顔が酷くなったって?俺しーらね。
『これは……あの文明の?いやしかしあの文明は滅びたはず……しかし使われているのはまず間違いなく……???』
「……とかなんとかスタンドさんが言ってるわけですが、DMさん何か言うことは?」
「知りませーん。グラフィックビューアーの話は私は聞いたことありませんので知りませーん」
「確かに、あまり多用するものではないということで最近触っていませんでしたものね……」
あと、スタンドさんが何やら気になることを呟いていたが……同一人物なのだからその辺りのことを知っているはずのDMさんは、私はなにも知らないとばかりに視線を逸らしていたのだった。
うーんこの()