「……ええと、つまりどういうことだったのですか?」
「
「ああ
サンタさんの観察がしたかったのか、はたまたもう一人のサンタさんが見たかったのか。
具体的な理由は不明だが、基本的にはTASさんの一存で引き伸ばされていた、というのが正解だろう。
「むぅ、お兄さんは失礼。単に失せ物発見フラグをずらしてただけなのに」
「それは要するに直接自分が隠したわけじゃないから問題ない、みたいな話でしょ?見付けられないようにしてたんなら似たようなもんだよ」
「むぅ……」
そんな俺達の様子に、TASさんから抗議の声が上がるが……正直今の君に弁解の余地はないです、素直に反省するように。
……というわけで、食後のデザートシュークリームはお預け、である。
「あーおいしいですぅおいしいですぅ!こんなにおいしいシュークリームを食べられないなんてTASさんは損して痛゛ぁっ!!?」
「
「あだだだだだぁ!?お兄さんこれ反省の色無しってやつなのではぁ!?」
「流石に今のは煽ったダミ子さんが悪い」
「そんな゛あいだだだだだだっ!?」
というかなんで煽ったし。そうなるのは普通に予測できるじゃん……。
ってなわけで、みんなでシュークリームを食べつつ、手元に残されたパスポートを眺める俺である。
「返しに行った方がいいのかね、これ」
「無くても困らん、って言ってたが?」
「そう。だからこっちで有効活用──」
「だめです」
「ちぇー」
いやまぁ、冗談めかして「だめです」とは言ったが、正直TASさんに任せるのが正解だろうなぁとも思うのだけど。
「あら、それはどうしてですの?」
「単純に、今回の目的がサンタさんの追放……っていうとあれだけど、サンタさんとの縁を切ることだろうからかな。そうしないと危ないって理由の大半はサンタ技術の拡散なんだから、あからさまにその技術の粋なこのパスポートをそのまま使うはずがない、というか」
「流石はお兄さん。わかっているのなら早く私に……」
「今のTASさんはおもちゃに使う気だからだめ」
「ちぇー」
正確には憂さ晴らしに問題ない程度で悪用しそう、みたいな?
……別に悪用させても大したことにはならないとは思うのだが、TASさんって時々大ポカをやることがあるからなぁ。
本来のTASならあり得ないことだが、ここのTASさんは歴とした一人の人間。
たまには体調とかが悪いなんてこともあり得るうえ、そのタイミングに失敗が重なれば思わず「あっ」という言葉が漏れるような事態を引き起こすことも十分にありえる。
なので、少なくとも今のTASさんには渡せないという話になるのであった。
デザート食べられなくて拗ねてるしね。
「まるでお子さま扱いだだだだだだっ!!?」
「
「買う買わないの前に滅茶苦茶攻撃されてるんだけどぉ!?」
なお、そんなTASさんを揶揄する言葉を口にしかけたCHEATちゃんは、先手必勝で腕に噛み付かれていたが正直自業自得だと思います。
さて、改めてサンタパスポートの所在について、である。
こっちの持ち主であるサンタさん(♀)の所在については先ほどまでの流れからわかる通り。
そしてダミ子さん似の方のサンタさんの言うところによれば、そのサンタさんはこれがなくとも自分の世界に戻ることが可能である、とのこと。
……単一存在が次元移動をほいほいやれる可能性、という部分についてはちょっと思うところがないわけでもないが、それをこちらが理解しなければとりあえず問題はないはず。
手元のこれを解析したりすると判明する可能性大だが、そんなことをする予定をさせるつもりもないので問題はない。たぶん。
「となると、これを使ってどうやってサンタ達を締め出すか、って話だが……」
「それに関しては単純。これを
「……ん?檻?」
「そう、檻。正確には、このパスポートに秘められた次元移動の力を反転させて次元遮断に作り替える」
「……なんかまた無茶苦茶なこと言ってないかこいつ?」
「はっはっはっやだなぁROUTEさん。TASさんの言うことが無茶苦茶じゃなかったことがありますか?」
「……ねぇな!」
「でしょう?」
で、肝心のやり方を聞いたところ、このパスポートを改造する……という手段が答えとして返ってきたのだった。
改造、という辺りいつも通りCHEATちゃんが鍵となる……みたいな話かな?
「私に危ない知識を蓄積させようとするの止めない……?」
「何言ってるの。貴方はチートなんだから寧ろ存在そのものが危険」
「少なくともお前にだけは言われたくないんだよなぁ!!?」
おお、珍しく
CHEATちゃんも成長してるんだなぁ、としみじみ頷いていたところ、こっちの様子を把握した彼女に「ナメンナテメー!!」とドロップキックを浴びることになった俺なのであった。
あれー?