「ええと……とりあえず、この建物そのものがTASさんのもの、ということはわかりました。……それで、他の階の方には……?」
「特になにも。このフロアというか、この部屋にはあれこれと手を加えてるけど他については一切関与してない。たまに防音設備とか無線wi-fiとかの設置を求められることはあったけど、即日施工で全部黙らせた」<ドヤッ
「家賃何円だよここ……」
TASさんによる至れり尽くせりな対応が得られるとか、何円ぼったくられるかわかったもんじゃないんだが?
……みたいな視線を向けられたので一応答えておくと、この部屋に関しては家主が家主なのでゼロ円。
それから、他の部屋に関しては一月二桁万円くらい、とだけ返しておく。
「……意外と安い、のか?」
「変に安すぎても高すぎても問題。これくらいなら余裕で払える、という人にだけ貸してる」
なお、TASさんがオーナーになる前よりかは安くなってる、とのこと。
……これは、賃貸による収入程度だと彼女にとっては小金に過ぎない、というところが大きい。
流石にくじとか舟とかお馬とかに関しては自重するように言い含めてあるが……株とか為替に関しては俺はノータッチなので、そっちに関してはあれだし。
……というか、そっちに関しては何処を咎めればいいのかがわからん、というのが一番の理由というか。
流石に滝レベルの暴落は起してないとのことなので、そこ以外に彼女の関与を止めさせる必要性もないのだ。
「あーうん、有り金全部溶かして死にそうな人、とか作らないのなら問題は薄いような気がしないでもないしねぇ」
「これがカジノとかだったら何も気にせず潰しに掛かるんだけど」
「そっちはそっちで別の問題が起きるんで止めなさい」
具体的には現地の裏家業の方とのごにょごにょとか。
……うん、後ろ暗い相手とかTASさんにとっては単なる体のいいおもちゃでしかないから、こう見てて悲惨なことになる可能性大というか……。
「……ん?ちょっと待った、そいつらがダメで私がおもちゃにされても構わない理由って何?」
「何って……最終的に負けるにしてもある程度反撃できるかどうか?」
「まぁ、普通の方にTASさんの相手をしろ、と言われても困るどころの話じゃないでしょうしね……」
「……納得できるような、できないような」
むむむ、と唸るCHEATちゃんだが……あれだ、ある程度認められているからこそTASさんの対応を任されている、と思えばある程度自尊心も回復するんじゃないかな?
……と慰めの声をかけたところ、何故かCHEATちゃんとTASさんの双方からげしげしと蹴りを食らう羽目になったのでした。何故に。
「ええと、とりあえず話題を戻しませんこと?」
「確かに。脱線しすぎ」
暫くなすがままに蹴られていた俺だが、AUTOさんの鶴の一声で軌道修正することに。
……確か、大掃除のついでに各自の部屋を紹介しよう、みたいな方向性だったんだっけ?(うろ覚え)
「……それで初めにやって来たのが私の部屋、ということですかぁ?」
「ちょっと前までサンタさんが同居してたからね、掃除の必要性が高いのもここだよなぁということで」
「道理は通っていますねぇ……」
そんなわけで(?)、最初にやってきたのはダミ子さんの部屋。
二部屋分の広さを誇るが片方物置……というのがデフォなのがこの部屋だが、つい先日までサンタさんを寝泊まりさせていたのでそっちを片付けた……みたいなことはさっき話した通り。
で、その時にこっちに出しておいたクリスマスの飾り付けは、そのままこの部屋に戻すのは忍びない……ということで、何処か他所にしまおうという話になったわけである。
「……ツッコミどころが幾つかあるんですけどぉ、少し発言しても?」
「はいどうぞ?」
「ええと、二部屋分確保しっぱなしにしてくださるのは嬉しいんですけどぉ、普通に片方を物置に戻した方が早いのではぁ……?」
「いいのかい?」
「はいぃ?」
「このクリスマスの飾り、本物のサンタさんがいる状態で飾られていたものだから、このままここに置いとくとダミ子さんのサンタ成分マシマシになるぜ?」
「嫌な予感しかしないので却下ですぅ!!」
なお、元通りにしないのはこのような理由から。
……元にした相手のせいとは言え、彼女の見た目がサンタそのものであることは間違いない。
流石に向こうから再びこっちにくる、ということは早々ないだろうが……こっち側で新しいサンタが発生する分には制限はない、と見てもいいだろう。
それらを総合すると、このクリスマスの飾りを彼女の近くに置いておく、というのはリスクが高すぎるということになるのである。
あとはまぁ、付随して『未開の園』に放り込んで置けばいい、みたいなツッコミが来そうなのでそっちについても。
「未開ってことは不明ってことだろ?……実はそっちもダミーデータなんだ」
「ダミ子の親戚。ということはダミ子なら内部の確認ができる……?」
「謹んでお断りいたしますですぅ!!?」
……うん、理由としてはさっきのと同じようなもの、というか。
俺達の生活ってダミーデータと密接に繋がってるよなぁ、と思わず感心してしまう今日この頃、というやつなのであった。