うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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お面×ヒーロー×勘違い?

 さて、そこらの屋台で売ってるようなお面を被り、俺達の前に降り立った謎の人物。

 その言動的に、どうやらこっちを庇ってくれているようだが……。

 

 

「…………」

「?」

 

 

 ちらり、とTASさんを見るものの、彼女は普段通りの様子。

 ……これが、彼女の乱数調整とかによる必然の出会いなのだとすれば、この人物もなにかしら特殊な力を持つ人、ということになるのだけれど。

 その辺りを彼女の態度から察するのは難しそう、といういつも通りの答えが出ただけだったため、諦めて視線を前に戻す俺である。

 

 

「ジャスティスロォーッドッ!!」

「なんか出してる!?」

 

 

 なお、視線を戻した先では、件の人物がどこからともなく武器を取り出していたため、思わず驚愕する羽目になるのだった。

 ……意外と好戦的!?

 というか、お面ってことで特に気にせず流してたけど、これアレだな?そこらで売ってる売り物のお面じゃなく、自分で作ったやつだなこれ?

 

 

「……どうして、そう思うんだい?」

「え?……あー、単純にそこら辺にないって言うか……」

「もしかしたら別所で買ってきたやつとか、はたまた去年とか一昨年とかのやつを使ってるだけとか、なんかこう……あるだろ!?」

「えぇ……」

 

 

 などと宣えば、どうやら聞こえていたらしい件の人物が、わざわざこちらに振り返ってまで問い掛けてくる始末。

 一応、()()()()()()()()理由として、そこら辺に同じものがない……という答えを返したのだけれど、向こうはなんやかんやと理由を付けて納得しない。

 

 ……要するに、決定的な一言を言われるまでは認めない、ということなのだろうが……イヤでも、ねぇ?

 言っちゃっていいの?それ、言っちゃっていいの?……多分恐らく九十九パーセントくらいの確率で、言ったら良くないことになるパターンのアレだと思うのだけれど。

 

 でもこう……周囲のヤクザさん達までこっちの言葉を黙って待っているのを見ると、多分言わなきゃ進まねぇやつなんだろうなぁ、というか。強制選択肢、みたいな?

 

 ……仕方ない。気は進まないが、ここで無為に時間を浪費していると、我慢できなくなったTASさんがなにやらかすかわかったものではないし。

 心を鬼にして、純然たる事実をここに述べるとしよう。

 

 

「ぶっちゃけそのお面ダサ過ぎ。幾らヒーローは子供のモノって言っても、限度があるよ限度が」

「ぐああああぁぁあぁぁあぁああっっっ!!!?」

「「「オ,オメンノヒトー!!?」」」

 

 

 その結果、衝撃()の事実を叩き付けられたお面の人は、そのお面が砕け散るほどのダメージを受けながら屋台に吹っ飛んでいき。

 何故か敵対していたヤクザ達が「アヤマレ!オメンノヒトニアヤマレ!」などと言いながら、俺に詰め寄ってくる形になってしまうのだった。

 ……あれ?ここでも俺が悪いみたいな扱い……?

 

 

 

・A・

 

 

 

 結果、「なんて酷いことを仰るんですのっ!!」みたいなことを宣いながら、俺に右ストレートを叩き込んできたAUTOさんを筆頭に、周囲のヤクザ含めた数人から袋叩きにあった俺である。……いや敵同士ちゃうんかい。

 

 

「呉越同舟、ってやつ。共通の敵は大体必要以上にボコられる」

「マジかよ……」

 

 

 なお、TASさんは中立ということなのか、特になにもせず、おろおろしていたCHEATちゃんの面倒を見ていた。

 ……年齢的には正しいのだろうが、感覚的には逆のような気がへぶっ。

 

 

「お兄さんはいつも一言余計」

「だからって顔面パンチは酷くないっすか……」

「大丈夫。偉い人も言ってた。──精神分析(回復)は殴って行え」

「それ一部の人にしか使えないやつぅ!!」

 

 

 まぁ治ってたんですが。

 ……流石はTASさん、わけのわからないことを起こす……。

 原理的にはアンダーフローとか、そういうあれだろうか?

 

 

「ううん、細胞分裂の速度の促進」

「それやり過ぎると寿命が縮むやつでは……」

「全治一ヶ月が一分になるなら安いもの」

「俺の命が大幅デフレなんですが?」

 

 

 下降線が滝のようになるんですが???

 ……だったらギャグ方面の治療プログラムを使う?それは俺の頭がパーになるやつー。

 

 

「……今さら気にしなくても、お兄さんはもうパーだと思うなー」<ボソッ

「おおっとー?なんか今虫のさざめきが聞こえた気がするなー??お空に咲き誇りたい、って言ってた気がするな~???」

「ニ゛ャーッ!!?」

「おお、打ち上げ花火」

 

 

 なお、迂闊なことを言った下手人は成敗しておいた。

 空に打ち上がったCHEATさんは、それはそれは美しい花として咲き誇ったことでしょう。……投げ飛ばしただけ?爆発はしてない?知らんなぁ。

 

 ところで。

 さっきまで緊迫感溢れ……てなかったかもしれないが、ヤクザに囲まれてたのでは?……みたいな疑問があるかもしれない。

 それなのにも関わらず、そうやって悠長に戯れているのはどうなのか?……というような疑問も、合わせて浮かび上がってくるかもしれない。

 

 だが心配しないで欲しい。そっちに関してはもう終わっている。

 

 

「「「オボエテロヨー!」」」

「──やるじゃないか、君」

「そちらこそ。正義を標榜するだけのことは有りましたわ」

「なるほど、今日は二人で一人の正義の味方」

「まぁ、息は合ってたな」

 

 なにせ、意気投合したAUTOさんとお面の人の獅子奮迅の活躍により、ヤクザ達は捨て台詞を吐きながら逃げ帰っていたのだから。

 ……ここだけ昭和みたいな空気だけど、CHEATちゃんなんかやった?

 

 

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