「そういえば、そのチャイナみたいな服似合ってますね」
「今それ言う必要あったか!?」
『いやイチャイチャするでないわ貴様ら』
「してないがぁ!?」
「……ふむ、神様ねぇ」
『土地神の類いというやつだな。……いやまぁ、流石に向こうの陣地までは確認できなんだから、実際にどうなのかは知らんが』
この里の奥──先程の長老さんの家とは反対側の位置に、見るからに怪しい祠があるらしい。
そして、この里の人々の能力というのはその祠が起点となっている……と。
この分だと、そこに生け贄でも放り込む必要があるのかと思ったが……。
『いや、話を聞く限りはそういうものではないな。というか、だったらもっと上手くやるだろう』
「ああ、確かに」
「なんだよぉ!!文句があんなら普通に言えよぉ!!」
誰だこの人(都合二回目の疑問)。
……未だかつてここまでポンコツになったROUTEさんがいただろうか、いやいない。
そう断言してしまえるほどテンションの違うROUTEさんだが……そういえば最初は適当に笑ってりゃごまかせる、みたいな話だったのに結局ごまかせてる感じがしないな?
「それは簡単。ROUTEは長の人の話を話半分にしか聞いてなかった」
「あっばっ、しーっ!!しーっ!!!」
……なるほど、今はともかく当時のROUTEさんは大概そそっかしかったと。
まぁ、過去のROUTEさんの過失については一先ず脇に置くとして。
ともかく、ROUTEさんが
そうじゃなきゃ里には入れないという向こうの主張もあるし、恐らくその祠に関する何かもある。
……となれば、やることは一つだろう。
「祠の攻略」<ワクワク
「TASさんが滅茶苦茶つやつやしてる……」
『まぁ、実際向こうからの挑戦状のようなものだからのぅ』
祠の奥にいるはずの、何者かとの邂逅。
その何者かが求めているのが誰なのか、というのはわからないが……どっちにせよ、行かないことには始まるまい。
というか、下手すると明日辺りに長老さんから行くように言われるかもしれない。
図式的には完全に生け贄に出される外の人、みたいな空気だが……恐らくはそうではないのだろう。
ゆえに、明日の動きを確認しつつ、今日のところはそのまま寝ることにした俺達なのであった。
「あ、そういえば着替えられないね、それ」
「 」
(完全に固まったのぅこやつ……)
それと、自動的にROUTEさんが羞恥刑みたいなことになったけど俺のせいではない。
「……なるほど、そういう方向かー」
さて、次の日の朝。
昨夜はお楽しみでしたね、なんてどこで覚えたんだその言葉……みたいな台詞を長老さんから貰い受けた俺達。
どうやらTASさんがした周囲へのごまかしはわりと
「変に隠す方がよくない」
「いやなんで知ってるのかって方の話でだね?」
「……お兄さんのえっち」
「しまったこれ
一つ言えることは、これ以上言及すると俺が変態扱いされる、ということである。
いや、横でスタンドさんが『
でもTASさんがアダルトゲームのTASとかしてるのは見たくな……何?ヤバイところは全部飛ばしてるから大丈夫?
「そういう話かなぁこれ……」
『それこそ子なぞ勝手に知識を仕入れるもの、というやつではないか?』
「そっかー……」
……いかんな、なんかここに来てから話題がアレ過ぎる。
初心を思い出すんだ、俺達に猥雑はない。実質無料。……何言ってるんだこいつ?
ともあれ、気を取り直した俺は先程の長老さんの話を思い出す。
そこで語られたのは、身を清めるためにここから反対側にある祠に向かえ、というもの。
……やっぱりそういう指示が飛んできたかと思うと同時、身を清めるという理由に少しばかり首を捻ることに。
清める、ということはその祠、滝とか打ち水とか地底湖とかあるのだろうか?
『む?……中は見えんかったが、確かに水音は聞こえたような気はするな……?』
「なるほど、やっぱりか」
視線をスタンドさんに向け、さりげなく窺ったところ位置まではわからないが滝壺に水が落ちる音が聞こえた、という話が返ってくる。
ということは、身を清めるというのはその水源に向かえということであり、恐らくはこちらの到来を待つ存在がいるのもそこだろう、ということになる。
はてさて、こちらを待っているのはどんな存在なのか。
わくわくしている様子のTASさんを嗜めつつ、ほんのりと感じる不穏な気配に眉を顰める俺なのであった。