うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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悪戯も度が過ぎれば人身事故

「で、そうして困惑していた相手がこいつだった、と」

「コラー!僕ちゃんをどうするつもりだ貴様らー!!離せー!!」

 

 

 さて、TASさんの活躍により今回の黒幕があっさり捕まったわけなのだけれど。

 その相手というのは、さっきの神様と負けず劣らずの小ささの存在だったのであった。

 

 ……ええと、さっき暗闇の中にいた時もっと大きくなかったかな君?

 

 

「お前達を吹き飛ばすために全力使っちゃったんだよ!察せよ!」

「後先考えずに全部使っちゃうとか」<ドッ

「フギャーッ!!!サッキカラボクノコトオチョクリヤカッテナンナンダオマエー!!」

「うわぁ」

 

 

 うーん、最早駄々を捏ねる子供である。

 親指と人差し指で襟首を捕まれ吊るされたそいつ……見た目から妖精とでも呼ぶが、そいつはジタバタと手足を振り回しながら叫んでいるため、先程までの威厳とかが全部吹っ飛んでしまっていた。

 こうなるとこっちも危機感が薄れるというもので、思わずROUTEさんやスタンドさんに視線を向けてしまうのだが……。

 

 

「…………(何故か冷や汗を流すROUTE)」

『(それを見て何かを察したように遠い目をするスタンド)』

(……ダメだこりゃ)

 

 

 うん、これはあてにならない。

 金切り声を上げ、ジタバタし続ける妖精と。

 それを見て、先までと変わらずひたすら煽り続けるTASさん。

 それを見て青褪めるROUTEさんと、多分現状一番余裕があるけど介入する気はなさそうなスタンドさん。

 

 この混迷した状況を前に、俺はもうどうにでもなーれ、と天を仰いだのであった──。

 

 

 

;・A・

 

 

 

「…………(それで戻ってきたの?とでも言いたげな様子)」

「まぁはい、元凶捕まえたのは事実なので……」

 

 

 結局、元凶がこの妖精であることは間違いないため、そのまま祠の中にとんぼ返りした俺達。

 さっき出ていったばかりなのに戻ってきた俺達に、初め小さな神様は怪訝そうな顔をしていたが……やがて俺の右手に摘ままれた妖精の姿を見ると、驚いたように目を見開いていたのだった。

 

 どうやらその反応からするに、この妖精と小さな神様には何かしらの繋がりがある、ということになるらしい。

 

 

「大きさ的に同族だったり?」

「……!」

『ふむ……妹らしいぞ?』

「なるほど妹……妹!?

 

 

 そうしてスタンドさんが翻訳したところによれば、繋がりどころの話ではない事実が飛び出したのであった。

 いや、大きさ的に連想しただけであって、本当に関係者だとは思ってなかったんだけど???

 

 とはいえ改めてよく見ると、確かに両者は似たような顔をしている。

 そっぽを向いている妖精の方がショートカットだったりして男の子っぽかったり、小さな神様の方が髪が長くて女の子っぽかったりするものの、基本的には同系統の顔の作りをしているというか?

 

 

「…………」

『そんなに見つめられると照れる、だそうだぞ?』

「おおっとそれは失礼」

 

 

 あまりに繁々と眺めていたせいで、小さな神様が再びROUTEさんの背に隠れてしまった。

 失礼なことをしたと謝罪を一つ投げ、改めて仕切り直しである。

 

 

「えーとつまり、この子は神様の妹で、その妹が神様の力を横からこっそり奪い取ってた、ってこと?」

『そうなるの。こやつが力を取り戻せなかったのも、同族かつ力の方向性の違いというやつだ』

「ふぅん?」

 

 

 なんで力を取り戻せなかったのだろう?……と思っていたが、なんのことはない彼女達は双子神・二つで一つの存在。

 奪うもなにもなく、単に力の配分が変わっただけの話であった、ということになるらしい。

 あれだ、対処の仕方を間違っていたので最初から失敗してた、みたいな?

 

 ……ただ、そうなると気になることが一つ。

 誰かに奪われていたというよりも、身内に使われていたというパターンの方が判別が簡単なのではないか?……という話。

 雑に言うとなんで気付かなかったんです?……みたいなことになるというか。

 

 

『それに関しては単純だの。そもそもこやつ、こいつが生きておるとは思っていなかったのだ』

「え?死んでると思ってたってこと?」

『喧嘩別れした上に血溜まりを見たのが決定打だった、らしいの』

 

 

 そんな俺の疑問も、スタンドさんの翻訳により判明した。

 どうやら、神様は妹が死んだものだと勘違いしていたらしい。

 死体そのものを見たわけではないが、それを連想させる血溜まりを見たこと・および自身と紐付けられた妹の分の力が失われたことで、それを誤認したまま過ごしていたと。

 

 ……うーん、力の配分が変わっているようなもの、という話なのに失われたと誤認したとはこれいかに?

 いやまぁ、タイミング的には確かに勘違いを起こしそうなのはわかるのだが、同時に二人が『二つで一つ』ならその辺りの判別間違いを起こしそうな気がしないのだが?

 

 ──と、一通りすっとぼけた上で、改めて青褪めている人物──ROUTEさんに視線を向ける。

 彼女は視線を逸らし、興味ないねとばかりに立っているが……先程から言っているように青褪めているし、なんなら冷や汗もだらだらと垂れ流している。

 

 つまり、これは。

 

 

「ROUTEさん?」

「ひぃっ!違う違う俺悪くねぇ俺悪くねぇ!!」

「それ白状してるようなものでは?」

 

 

 この状況を引き起こしたのはROUTEさんなのでは?

 ……という予測が、俺にも立てられてしまう状態になっていたのだった。

 

 

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