うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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幼い頃ってよくやるよね

「…………」

 

 

 はてさて、俺は悪くないと喚くROUTEさんを正座させることで落ち着かせた俺達。

 彼女はその状態で神妙な顔をして、こちらからの言葉を待っている。

 

 ……何があったのかはわからないが、この様子だと彼女には小さな神様周りで起きたことに関して、少なからず覚えがあるというのは間違いないだろう。

 とはいえ、こちらから無理に聞き出すようなことはしない。

 話したくないことの一つや二つ、人にはあってしかるべきもの。ゆえに変に拷問とか質問とか、そういう野蛮なことはしない。

 

 

「……じゃあ、どうするつもりだ?」

「こうする」<スッスッ

「……?突然空中に指を滑らせて何を……って、んん???」

「(選択肢に)意味不明なものが見えたとして、それで思考を止めるのは悪手。というわけで──ここをこうしてここをこう、それからこうしてここをこう」

「なんでそのコマンド……」

 

 端から見ると九字でも切ってるように見えるが、その実それって多分某有名なコマンドですよね?上上下下……から始まるやつ。

 で、その意味不明な行動にROUTEさんが困惑している内に、目の前に展開されたのは空間投影型っぽいウィンドウ。

 ……実際のところはいわゆるグリッチの一つであり、かつこの時代の存在は本来まだ使用できないはずのもの──グラフィックビューアーである。

 

 なにそれ、とでも言いたげな視線が幾つかあるが……それに関しての説明は後回し。

 必要なのは、このシステムに存在するとある機能──、

 

 

「過去イベント回想機能。これがあればROUTEが何をしたのか一目瞭然」

ぶっ!?ばばば、止めろよこのバカ!?」

「言われて止める方がバカ」<ポチー

ああああああああああああああああああ

 

 

 つまり、彼女の口から語って貰うのではなく、実際に見てみようということ。

 隠し立てのしようもない赤裸々な告発に、流石のROUTEさんも慌て初めたが……後の祭り。

 

 結果、彼女が過去に行ったとある()が、白日の元に晒されることとなったのであった。

 

 

 

・∀・

 

 

 

「いやー、まさかROUTEさんが里を飛び出す際に投げた言葉が、この妹さんに反旗を翻すきっかけとその方法を編み出す思考を与えることになっていたとはねぇ」

「……いっそ殺せぇ……」

『いやいや、実際に行動に移したのはこいつだからな。そこまで思い詰める必要もないと思うが?』

「自分の後始末を自分で付けてるだけ、とかダセぇにもほどがあんだろうがよぉ!?」

『お、おう』

 

 

 いやまぁ、結局やったのは妹さんであるしそれを決意したのも本人だしで、ROUTEさんが気に病む必要性は……全くって訳じゃないけど、そんなに多くはないんじゃないかなー、と過去の記録を参照した結果思った俺である。

 

 うむ、どうやら妹さんが小さな神様に反旗を翻そう、と決意したのはROUTEさんが里を飛び出した時、捨て台詞的に投げた諸々の言葉と、自身の私室に残していた幾つかの逃走手段を見つけたから、というところが少なからずあるようで。

 彼女の遣り口を見ていたROUTEさんは途中でその可能性に気付き、さらに自身の能力(選択肢)で裏付けを取ったことで顔を青褪めさせた……ということになるようだ。

 

 個人的には貰い事故の極みのような気もするのだが、ROUTEさん的には『可能性を視るものが可能性を生み出したことに気付かず過ごしてた、ってのが大問題(ギルティ)』っ感じらしく。

 こうして、頭を抱えて蹲っているということになるのであった。

 

 ……まぁうん、言い方を変えると立つ鳥が跡を濁した結果、その濁りが鳥を追い掛ける標となった……とも解釈できなくはない。

 分かりやすく言えば彼女が逃げ出した時に適当してたので追っかけられる羽目になった、最初からちゃんと片付けしていればそもそも見付かることもなかった……みたいなことになるので、その方向性で自分を責めるのはわからんでもない。

 

 

「ROUTEにもそういう面があったんだね、良かった良かった」

「ウワァヤメロー!!オレノアタマヲニコニコシナガラナデテルンジャネェー!!?」

 

 

 まぁ、彼女が一番嫌がっているのは恐らく、今のROUTEさんを見て『かわいそ』とでも言わんばかりに頭を撫でてくるTASさんの存在、なのだろうが。

 ……彼女の場合別に煽っているとかではなく、普段孤高の存在……みたいな態度で少し離れた位置にいる彼女にも、こういう親しみやすい面があるんだね……と認識し、純粋に喜んでいるだけだとは……だけだとは思うんだけど、TASさんの場合それはそれとして『今煽っとくと後から有利になる』みたいな打算も含めて撫でている、という可能性もなくはないのがなんとも。

 

 

「ケッキョクソレッテナメラレテルッテダケジャネェノカヨエー!!?」

「まぁまぁ落ち着いてROUTEさん。そのままだとCHEATちゃんと何にも変わらないですよ?」

それ(その言い種)は普通に怒られろ」

「……あれっ?」

 

 

 なんで俺が責められる側に?

 あっちょっ、CHEATちゃんに電話するのは止め……止めろよこのバカ!?

 

 

「……僕ちゃん放置されてない?」

 

 

 わいわい騒ぐ俺達を見ながら、妹さんの言葉が寂しく祠内部に響いたのだった──。

 

 

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