うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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加速度的に増えるよ、それ

「お兄さんの末期は八つ裂きに決まってしまいました。あーあ」

「なんで!?今の流れで俺に被害が飛んでくる理由がまっったくわからないんだけど!?!?」

 

 

 まさに寝耳に水、というか。

 なんでこの状況から俺の命の危機に話が発展するのか、というか。

 ……色々ツッコミどころが多いわけだが、目の前のTASさんは肩を竦めてやれやれ、と頭を振るばかり。

 特にその子細について語ろうとしない辺り、何かしら語らない方がいい理由でもあるのだろうか?

 

 

「お兄さんの鋭さは変な方向にばっかり発揮されるね?」

「その言い種だと、理由を聞くのはよくないってことか……」

「まぁ、うん。聞いたらまず自分から首をかっ切ることうけあい」

「一体どういうことなの……」

 

 

 詳しく聞いてないのに謎が深まったんだが???

 ……と、ともかく。理由を聞かなくても色々とあれ、みたいな感じの今の状況。

 となれば、俺がやるべきことはただ一つ、俺の死亡展開回避だ!

 

 

「なるほど。無駄な足掻きかもしれないけれど足掻くことに貴賤はない。いい心がけ」

「なんでさっきからTASさんは俺の心を叩き折ろうとしてくるんです……?」

「そっちの方が……面白いから?」

「首捻ってる辺り本当に面白いとは思ってないやつだねそれ???」

 

 

 実際に目にしたら「なんか……思ってたのと違うな……」とかなるやつだよねそれ?

 そんな適当なテンションで生け贄に捧げられちゃあ堪ったもんじゃねぇ!……ということで、微妙に渋るTASさんをなんとか説き伏せる俺なのであった。

 

 

 

・∀・

 

 

 

「で、とりあえずTASさんを説得できたわけなんだけど……」

「結局、この半透明のAUTOってなんなの?」

「イツーモAUTOリターンズ」

「……なんて?」

「イツーモAUTOリターンズ」

「力強く言い直してきたな……」

 

 

 あー、うん。

 なんだっけ、ゲスト枠のキャラクターの離脱判定が上手くいかなかった時に、その時のゲストが残像のように残り続ける……みたいな話だっけ?

 でもそれがあっているとすると、色々対策施して来たのになんで?……ってなるような、と我関せずとばかりにこたつで蜜柑を食べてるダミ子さんに視線を向ける俺である。

 

 

「……なんですかぁその視線。私は何もしてませんよぉ?」

「わかりやすさ重視でイツーモAUTOと呼んだけど、実質原理は別物。だからこそ再来(リターンズ)なんだし」

「なるほど……」

「あれ?普通にスルーされてませんかぁこれぇ???」

 

 

 なんだ、ダミ子さんは関係ないのか。

 んじゃまぁ彼女のことは放置するとして、詳しい原理を尋ねていく俺達である。

 そうして聞き出したところによると、今回の『リターンズ』の特徴は次のようになるのであった。

 

 まず、見た目的に似ているだけで、以前見たAUTOさんの残像(イツーモAUTO)とは別物らしい。

 ゲスト枠からの離脱判定ミスではなく、どちらかと言えばドッペルゲンガーとかの方が近い、というか。

 

 

「と、いうと?」

「並行世界から呼び寄せられたもの、というのが近い」

「そっちの方が問題のような気がするんだけど……」

 

 

 どっか遠い世界からガワだけ呼び寄せてる、みたいな?

 見た目がAUTOさんと瓜二つなのは、他所の世界の彼女自身だから。

 ……とはいえ、別に自意識があるわけではないらしい。

 

 

「彼女の『背後に控える半透明の存在』への僅かな憧れが、他所の世界の彼女自身に聞き届けられた結果こうして姿だけを貸す、という形で叶えられた」

「姿だけ、ねぇ……この前みたいに向こうのAUTOさんを模倣する、みたいなこともないと?」

「ない。基本的にはこっちのAUTOの意向に従う」

「なぁ、それって文字通りのスタ……」

「それ以上いけない」

 

 

 ただでさえスタンドさん周りは色々あるんだから、余計な火種は呼び込むべきじゃ……え?そもそもその呼び方自体ギリギリだろうって?

 いやほら、これに関しては単にDMさんの側にいる、ってだけの話だから……。

 

 ともかく、判定的にはAUTOさんが二人に増えた、くらいの感覚でも問題はないらしい。

 但し必要なものが二倍になったわけではなく、判定などをする際にちょっと有利……程度のものらしいが。

 この辺り、以前の場合だとご飯を食べさせたりしてたのが今回はできない……みたいなところに現れているというか。

 

 

「けど、スタンドを見て発生したものだから実のところ全く自律行動できない、というわけでもない」

「というと?」

「脳波でコントロールできる」

「また微妙なところを……」

 

 

 大雑把にいうと、念じるだけである程度行動させられるのだそうだ。

 なんなら、自分の中の特定の思考を読み込ませ、それに沿うように動かすこともできるとかなんとか。……まさに脳波でコントロールできる、というわけだ。

 

 

「但し、やり過ぎると酷いことになる」

「酷いこと?」

「ちょっと思ったことを読み取ってこうして発生した、ということからわかるように、潜在的な望みを読み取って動く可能性がある。具体的にいうとAUTOの隠れた欲望に従って動くかも」

「AUTOさんの隠れた欲望……だと……?」

 

 

 なんだその、俺が見たら目潰しされそうな……ってあ、つまりそういう……?

 

 秘められた願望に従って動くということは、迂闊に彼女を視界に入れてるとAUTOさんの秘密を勝手に暴いた、という判定になりかねないこと。

 普段のAUTOさんならそれでもまだ情状酌量の余地がありそうな気もするが、目の前のイツーモさんの方は感情(のうは)に従って動く可能性大。

 

 ……つまり、勢い余って照れ隠死される可能性も大、ということである。

 なんということだ、本当に俺の死亡フラグに繋がったんだが?

 そんな風に恐れ戦く俺に対し、AUTOさんはずっとプルプル震えたまま机に突っ伏していたのだった……。

 

 

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