「そんなわけで、不安いっぱいの俺達を助けるために、さっき突っ伏してた子が手伝ってくれることになりました。皆さん拍手ー」
「いやその、別にまだ大したことしてないんで、褒められても困るんで……」
「おお、同人ちゃんは謙虚ですね」
「いや謙虚とかじゃ……ちょっと待ってなんなすかその人を殺しに掛かったネーミングセンス!?」
はてさて、休憩時間である。
始業式は当に終わっているらしいある晴れた日である今日、授業は普通に最後まである……とのことで、現在は昼食タイムの真っ最中。
何故かこのクラスの担任にされた俺は、人が疎らになった教室内で弁当を広げ──いつもの面々が揃い、何故かさっき寝てた彼女まで集まっていた、というわけなのであった。
どうやら、TASさんが巻き込む相手としてピックアップしていたうちの一人、ということになるらしい。
「というか、アタシにはちゃんと「させるかっ」という名前が……いやなんで今邪魔したっすか!?」
「生憎この
「な、なんなんすかその横暴!?ちょっと、先生もなんとか言ってやって下さい!!」
「うむ、それもそうだな。TASさん!」
「なぁに?」
「それってちゃんまでで一つの名前?」
「そう。ちゃんまでで一つの名前」
「アンタ達アタシを自分のことちゃん付けする痛いやつにしたいんすか!?!?」
「「そうだけど何か?」」
「なんでこの二人こんなに息ぴったりなんすかぁ!!?」
なんでって……なんでだろうね?
にしてもあれだな、わざわざTASさんが押してくるからなんだと思ってたけど……ノリツッコミの切れがとてもよい。
確かにこれは巻き込みたくなる逸材だ、うん。
え?巻き込まれた側はたまったもんじゃない?そんなことこっちの知ったこっちゃないね!(外道)
「……よくよく考えてみたら、これどういう集まりなんっすか?」
「うーん……強いて言うなら裏世界の集い……?」
「唐突に痛い妄想が挟まった、ってことでいいっすか?」
「本当にそう思ってるなら、そこのMODさんのプロフィールを思い出してみよう」
「……?……あっ、この人よく考えたら高校生社長とかそういうあれだったっす!大概普通に生きてたら耳にすることのないパターンの人物っす!」
はてさて、同人ちゃんのノリツッコミをBGMに弁当を突っついているわけだけど。
今回ほぼ全員が一同に介している、ということもあり個別に弁当を作るようなことはせず、みんなまとめて重箱行きだったりする。
そのため、最初同人ちゃんは『どういうことなの……』みたいな顔をしていたのだった。
まぁ、よくよく考えなくても何の集まりだ、って疑問は飛び出して然るべきだし?
そんなわけで、重箱の中から卵焼きを一切れ渡し、懐柔しに掛かる俺なのであった。……なんの懐柔?
「いや知らないっていうか、そもそも卵焼き一切れ程度で賄賂のつもりとかちゃんちゃらおかうめぇ!?何これ滅茶苦茶うめぇ!?!?」
「お兄さんの卵焼きは残機が一つ増えるランクの美味しさ。つまりこれを売り出せば過労死させ放題」<キリッ
「それ褒め言葉なの?」
仮に褒め言葉だとすると随分斜め上というか、俺のこと鬼畜か何かだと勘違いしてないかというか。
……まぁともかく、TASさんのお墨付きを得た卵焼きによる同人ちゃん巻き込み計画は見事に成功した、ということで多分間違いあるまい。
「まぁ、この卵焼きを渡されちゃぁ協力しないという選択肢はないっすけど……そもそものツッコミをしても?」
「はいどうぞ?」
「そもそも何の手伝いをお求めなので?」
「それは勿論、私達の同好会誌の挿し絵担当として……」
「すみませんこれ途中で降りるのありっすかね?とりあえずさっき食べたの全部戻せばいいんっすかね???」
「すまんなクーリングオフは効かんのだ。仮に効いたとしてもTASさんに勝たんと適用不可なんだ」
「返品させようという気概が欠片もない!?」
いやまぁ食品を返品するのってかなりあれっすけども!
……とかなんとか言ってる同人ちゃんだが、その反応が更にTASさんからの関心を引く結果になっている、ということをいい加減理解すべきだと思います。
ほら、「むぅ、これからはモブにもしっかり目を向けよう」とかなんとか言ってるよこの人。
君のせいでこれから何の
「謝れ!この世の中に存在する憐れな一般人達に謝れ!!」
「あやまれー」
「すみませんこの二人の相手ちょっとキツいんっすけど!!そこのお方がた『可哀想に巻き込まれてしまったのね……でも自分は被害にあいたくないのでスルーしますね』みたいな感じに目を逸らすのは止めて!助けて!!」
『諦めよ、仮に
「幽霊?に慰められた!?」
『幽霊ではない、神よ!』
「うわー!!誰でもいいからなんとかしてくれっすー!!」
そんな風にきゃっきゃうふふ、としながらお昼を食べる俺達であった、まる。
……え?嫌よ嫌よも好きの内、とかじゃないんです?