「……結局聞きそびれたっすけど、私は一体何を手伝えば……?」
「実は新学期と同時に赴任&転校してきたようなものだから、この学校について教えて欲しいなーと」
「思ったよりまともな理由だった!?」
はてさて、相変わらず昼食中の俺達である。
……いやまぁ、実際には大半が食べ終わった上で食後のデザートに移行してるんですけどね。因みに今日のメニューはショートケーキ(自作)です。
同人ちゃんが「手作り!?マジで?!」とか驚いていたのでお裾分けしたが……評判はまずまず、といったところであった。
「いやこの上なく褒めましたが?!これ以上ないってくらい褒めましたが?!」
「え?そうなの?TASさん基準だとそこまででもなかったから……」
「その人基準にしたらなんだって微妙になるでしょうが……!!」
まぁ、このように本人に確認し直したら結構好評価だったのだが。
でもそれが信憑性的に微妙……というのは、基本的に大袈裟な動きをする彼女のせい、ということになるのではないかと愚考する俺である。
ほら、普段あんまり感情を露にしない人の感涙と、ことあるごとに泣く人の感涙では見た人に与えるイメージがかなり違うというか?
「いやまぁそうっすけどね?!でも私がこんなに叫んでるのアンタ方が大概だからっすからね!?」
「それに関しては申し訳ないと思っている」
思っているだけで改善の兆しは欠片もないのだが。
ともあれ、話を戻すと。
「ええと、案内とか紹介とかでしたっけ?……私じゃなく、他の先生とかに聞けばいいんじゃないっすか?」
「彼らが笑顔を浮かべたままじりじり下がっていく姿を見て、俺は俺が単なる生け贄であることを知ったんだ」
「あ、はい。御愁傷様っす……?」
まぁ、そういうこと。
……最初は同人ちゃんの言う通り、他の先生とかに尋ねようとしたのである。
ところがだ、片手を上げて可能な限り友好さをアピールした俺に対し、返ってきたのは笑顔の拒絶。
言外に
……普通に接してれば問題なんて起こらないと思うんだけどねぇ。
「なるほど。つまり先生はこれが問題ではないと?」
「……?日常茶飯事では?」
「うん、先生も大概関わりたくないタイプの人だったんっすね……」
なお、この話を聞いた同人ちゃんは頭を抱えていた。
完全に貧乏くじじゃないっすかぁ、と嘆く彼女に思わず首を捻る俺である。だってねぇ?
「昼休みが終わるまでは時間がある。つまりちょっとした気分転換に使う時間が残されているということ」<シュバババ
「なるほど、一分で終わらせるという宣言ですわね?──買いましたわ!その喧嘩!」<シュバババ
「反復横飛び対決って何を思えばそんなことに……早すぎて分身してるし」
「いや待つんだCHEAT君、これ実際に分身してるぞ、多人数戦だ」
「余計のこと謎なんだけど!?」
「ほらROUTEさん。望まぬ学校生活にイライラしてるのはわかりますが、流石にタバコなんて吸ってたら怒られるどころの話じゃないですよ?」
「うっせー……こんなん吸ってなきゃやってらんねーっつーの……」
『ほどほどにしとかんと酷いことになるのが見えるがな』
「……うげぇ、マジじゃん……」
「……うん、いつも通りだな!そうだろダミ子さん!」
「
「ツッコミ処しかないっすけど?!っていうか学校でタバコなんか吸ってんじゃねーっす!!」
「ああ??」
「ひぃっ!?人を殺せる視線!?」
TASさんがAUTOさん達と対戦してるのはいつも通りだし、ROUTEさんがタバコを吸ってそれをDMさんに怒られるのもいつも通り。
ついでにずっとモノ食べてるダミ子さんもいつも通りだから、何も問題はないな!
……とか言ってたら早速発生するいつも通りじゃない状況、俺の背後に隠れる同人ちゃんである。
んもー、ROUTEさんはすぐに周囲に怒気を撒き散らすんだからー。
などとふざけたら俺も睨まれた。怖い。
……まぁ、ROUTEさんが怖いのもある意味いつも通りなわけだが。
「くそぅ……こんなことなら四天王に任せれば良かった……!!」
「おおっと突然過ぎて思わずスルーしそうになったけどこれここで聞いとかないとあれなやつだな?」
で、そうしてしみじみしてる俺の背後でボソッと呟かれた同人ちゃんの台詞。
その一部に、確実に聞き逃すべきではない単語がしれっと混じっていたことに気付いた俺は、すかさずそこを追求。
「……?何の話っすか?」
「いや今なんか呟いたでしょうに」
「何か?……ええと、もしかして四天王の話してるっすか?別に珍しいもんじゃない気がするんっすけど」
「ははは、人のことあれこれ言うくせにわりと大概だなこの学校?」
「はい?」
怪訝そうな顔でこちらを見つめる同人ちゃんの姿に、これ素面だなと思わず戦々恐々とする俺なのであった。
……単なる学校には四天王なんて居ないんですよ普通は。