はてさて、唐突に同人ちゃんの口から飛び出した『四天王』なる言葉。
素直に受けとるならいわゆる四人衆……的なあれだが、もしかしたら生徒会長か何かの名字が『四天王』である、という可能性もゼロではない。
と言うかさっきの彼女の反応からすると、そっちの方が正解である確率が高いように思われるため、改めて確認する俺である。
「いや、四天王と言ったら普通は『君臨する四人の王』でしょう。先生はそんなことも知らないんっすか?」
「はははおかしいなぁ狂人に狂人扱いされてるぞー?」
「あ、それティーハラっす。ティーチャーハラスメント。教育委員会に相談させて貰うっす」
「おっといいのかそんなことしても?俺がいなくなったら確実に君が彼女達の面倒を見ることになるんだぞ?」
「ははは嫌だな先生ちょっとした冗談じゃないっすかー」
嘘つけ今のは本気の顔だったぞ。
これ以上言及はしないのでそれで手打ち、ってことでお願いするっす。
……そんな感じのアイコンタクトを終え、改めて話題は振り出しに戻る。
いや、何故普通の学校に四天王がおるねん。
そもそもこの学校女子校っぽいけど、その場合スケバン(死語)的なもんでもおるんかマジで?
「スケバンって何……?いやそもそもの話、この学校普通に共学っすよ?」
「なんと?でもこのクラス女子しかいなくなかった?」
「たまたま男子達が全員風邪ひいてお休みになってるっす」
「TASさん……?(疑いの眼差し)」
「のー。今回私は何もしてない。みんなが勝手に風邪ひいて休んでるだけ」
そんなことを言ってたら、さらに気になる話が。
……朝礼の時確認を取った際には女子しか見えなかったし、俺が廊下ですれ違ったのも女子ばかりだったが、それはたまたま……ということになるらしい。
いや、どんな偶然だよ……って感じだが、少なくともこのクラスに関しては属している男子達が集団で風邪に掛かってダウンした結果、とのこと。
それ以外に関しては本当に単なる偶然で、今外に探しに行けば普通に他の男子生徒を見付けられるだろうとのことであった。
「なぁんだ、TASさんがついに俺を社会的に抹殺しようとしてるのかと、内心ビクビクしてたのに単なる勘違いかー」
「そもそもお兄さんは放っておいても勝手に死んでる」
「はっはっはっ言っていいことと悪いことがあるぞー」
「……お二人は仲が良いのか悪いのかわかんないっすね……」
いや仲はいいよ?適当なこと言い合える仲ってことだし。
……ともかく、先の話が本当であるならばその『四天王』とやらも男子である可能性が普通に高い、ということでいいのだろう。
いやまぁ、それが高いからと言って何か良いことがあるのかと言われると若干微妙なのだが……。
「一応比率としては
「んー昨今の男女平等論的なあれかなー?」
もしくは『四天王』という言葉から連想されるような役職じゃないってことかなー?
あれだ、生徒会長付きの四人の優秀な部下、みたいなやつ。
「いや、生徒会長は四天王の一人っすね。あとは有力な部活の部長とか、この学校で一番の金持ちとかが含まれてるっす」
「いつからこの学校は格闘ゲームの世界になったんだ???」
「つまり私が壁を抜けても驚かれないと?いつの間にか私の想像を遥かに越えている学校とは……面白い」
「え、なんでこの人面白がってるっすか?今の話に何か興味を引くようなことがあったっすか?」
「興味を引きそうなものしかないんだよなぁ……」
うーんこの()。
普通に力で支配してくるだけならともかく、役職の話からするとそれだけじゃすまないやつでしょこれ。
何が悲しくて学校生活の中に格闘ゲームみたいな設定を持ち込まれなければならんのか。
……え?格闘ゲームの方からすると、学生ファイターとかはポピュラーな設定だろうって?
まぁ、思い付く成人ファイターと言うと、どこぞの風来坊に見せ掛けて実は大会の優勝賞金溜め込んでる人が思い浮かぶけども。
「六が順調で私も鼻が高い。別に私の手柄ってわけじゃないけど」
「TASさんに対戦ゲームやらせると、相手が全自動灰皿投げマシーンになるから嫌なんだよなぁ……」
「灰皿投げ……?なんっすかそれ……?」
「そもそも昨今の対戦ゲームはネット対戦が主流、相手方から飛んでくるものなんて回線切断くらいのもの……などとツッコミを入れるのは野暮でして?」
「……?飛ばそうと思えば飛ばせるよ?」
「TASさんにしかできないことをさもみんなできることみたいに言うのは止めてもろて……」
「みんなもできるよ?ほら、電話を握ってぽちぽちぽち……」
「スワッティングじゃねぇか!?人死にが出るような嫌がらせは禁止!」*1
「スワッティングってなんっすか……???」
なんで対戦ゲーマーって物騒なことしかしないんっすか?
……みたいな感想が思い浮かんでくる今日この頃、専門用語?を聞かされて困惑してる同人ちゃんがある種の癒しに見えてきた俺であった。