うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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わざわざ出てきたらかといって敵とは限らないけど

 唐突に俺達の前に現れた四天王が一角、『不死身の日本被れ』。

 彼女が現れた目的、それは──!

 

 

「いやー、ご相伴に預かってシマウとは、なんだか申し訳ないデース」

「いやいや、うちは大所帯なので今さら一人増えようが二人増えようが変わらないですよ」

「おおー、ソレはなんとも太っ腹。もしかして先生お金持ちデス?」

「お金持ちなのはTASさんの方ですね」

「ナルホドー」

 

 

 単なる行事連絡であった!!……あの登場必要だったんで?

 

 まぁ、昼間に同人ちゃんから聞いてた四天王の一人とやらでもあるらしいので、その方面での挨拶みたいな面もあるみたいだが。

 で、四天王のことを俺達に伝えるきっかけとなった張本人である同人ちゃんも、何気に夕食に巻き込まれていたのだった。

 

 

「いや、なんで……?タダ飯は確かにありがたいっすけど、あの場はそのまま別れて各々の家に帰るフラグだったのでは……?」

「甘いな同人ちゃん、そんな選択肢端からTASさんに潰されてるに決まってるじゃないか」

「はい?……スマホの画面?……あ゛っ、帰りの電車が止まってるっす!?」

「貴方とはじっくりねっとり話をしたい。今夜は寝かさない」

「えっちなことするんすか!?」

ハード(えっち)なこと、するよ?」

「ひょえー!!?」

「……不純同性交遊、ってコトでしょっぴくべきデショウか?」

「あー、多分同人ちゃんの空回りなんでほっといていいと思いますよ?」

「フム?……まぁ、彼女が暴走機関車ナノは、言葉の節々から感じられマスが」

 

 

 何言ってるんだコイツら(真顔)。

 ……スマホで近くの駅の運航状況を見せたところ、あれよあれよと言う間にぼふっと赤面する同人ちゃん。

 横のTASさんが勘違いを加速させたせい、という面も少なからずあるが……多分同人ちゃんが脳内ピンクなのが悪いのだと思われる。そんなんだから同人ちゃんとか呼ばれちゃうんだよ。

 

 ともかく、両頬に手を添えて身をくねらせ始めた同人ちゃんと、そんな彼女を見ながら「興味深い」と頷いているTASさんはスルーし、さくさくと必要なものをかごに放り込んでいく他の面々である。

 

 

「コノ購入物から予測スルと……今日のメニューは鍋物、デスか?」

「人が増えた上で準備に手間が掛からない……ってなると、これが一番楽ですからね。まぁ、今日は色々あって朝の内に夕食の準備とか出来てなかったから、という面もなくはないですが」

「フム、学校業務は基本的にハードデスからね。先生は確かあのクラス以外の業務に関しては、免除されてるノデ他の方よりは遥かに楽デショウけど」

「その遥かに楽な業務の時点で大変なんだよなぁ……」

「アハハ、うちの学校は個性的な面々が目白押しデスからネー」

 

 

 ぶちぶちと愚痴を連ねつつ、そのままレジに並ぶ。

 なお並ぶのは俺と日本被れさん(生徒会長さんと呼ぼうとしたらこっちでお願いシマスと言われた)だけで、他の面々はレジの向こうに退避済みである。

 何人も纏まって並んでたら邪魔でしかないからね、仕方ないね。

 

 

「ソウいえば、他の方はモウ家に戻ってる、というコトなのデスよね?」

「はい?……まぁそうですね。DMさん辺りが洗濯物を畳みつつ、ROUTEさん辺りが風呂を沸かしてるんじゃないかと」

「フム。その言いぶりからスルと、やはり先生は他の方と同棲中、というコトなのデス?」

「共同生活と言ってください」

「オー、語気が強いデース……」

 

 

 そうして並んでいると、ふと思い付いたのか日本被れさんがこちらに質問を投げ掛けてくる。

 

 ……地味に頭の痛い話なのだが、今回の三周目は始まった途端に「なんかおかしい」と気付けるほどに変な状態であった。

 そう、原則別々の自宅があったはずの他の面々は、あのマンションの一室に全員共同生活している……という、地味に意味不明なことになっていたのである。

 なんなら管理人が俺になってて、他の面々は寮に所属する寮生……みたいな扱いになっているというか?

 

 恐らくはTASさんが何かしたのだろうが……その辺りは聞いても調弄(はぐらか)されるばかり。

 この形態を必要とする何かが起こる、ということだというのはわかるのだが、現状それ以外の情報は皆無に近い状態なのであった。

 ……あとはまぁ、それに付随して俺以外のみんなが高校生になっている、というのも変化と言えば変化か。見りゃわかるのでんざわざ明言する必要があるのかは謎だが。

 

 

「まぁ、皆さんコノ時期には珍しい転校生デスからね。こっちとしても色々気になるのデス」

「そこも意味がわからんのだよなぁ……」

「?」

 

 

 わからないと言えば、今しがた日本被れさんが口走ったこともその一つ。

 そう、何故かそもそもあの学校に所属していたはずのTASさんやMODさんまで、他の面々と同じように転校生扱いされているのである。

 そこに何の意図があるのかわからず、思わず首を捻ってしまうのは俺が悪いわけではない……はずだ。

 

 とはいえ、その辺りの話題を今また掘り返しても仕方のない話。

 掛かる問題(ひのこ)は明日の俺に任せ、今日は一先ず夕食という目先の問題に集中すると決め、俺は財布を取り出したのだった……。

 

 

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