──MOD。
英単語『modification』、日本語で言うところの『改変』という意味の言葉の、頭文字三つを取り出して呼ばれるそれは、以前少し語った通り『改造パッチ』のことを指す略語である。
改造、と聞くとどうにもイメージが先行して『悪いもの』という空気が付き纏ってしまうが……なんのことはない、それが会社に不利益をもたらさない限りは容認されている、ゲームの遊び方の一つに過ぎなかったりする。
「まぁ、あくまでもパソコン版での話、だけど」
「据え置きゲーム機でやろうとすると、まず間違いなく
「ゲームによってはパソコン版でもアウト、ですよね……」
無論、製作者によっては勝手に変更を加えられるのは嫌、ってことでMODも全面禁止、みたいにしている場合もあるので、話はそう簡単でもないのだが。
……まぁ、日本と違ってよその国はフェアユースとかいう、一歩間違うと悪法以外の何物でもないものが罷り通っている……っていうのも、違いの理由の一つだとは思うのだが。
でもその辺りはややこしいのでここではスルー。……めんどいからね!
ともかく、視聴者やプレイヤー側が、創作物に『こうすればもっと面白くなるのに』みたいな思いを気軽にぶつけてくるのが海外、だと思っておけば、MOD文化が盛んな理由もなんとなーくわかるんじゃないかなー、と思わないでもなかったり。
ここで重要なのは、MODというものの性質について。
それは、今ある完成形に、新たな形質を加えるもの、である。
「彼らの
「あの顔で追っ掛けられるの怖いんだよね……」
「……君達?本人を前にあれこれ言いすぎじゃないかな?」
他版権のやつを勝手に出すのは、怒られても仕方ないと思わないでもないけどね!……キャラメイクの範囲で真似できるやつは流石に知らんが。
まぁともかく、MODと聞いて一番に思い付くのが、余所のキャラクターを再現するもの、だろう。
TASさんとCHEATちゃんが話題に出してる例の機関車なんか、あんまりにも色んなところに出てくるモノだから、まとめ動画とか生まれるレベルだし。
……で、そのMODの名前を冠している目の前のこの人。
一気に怪しくなったというか、胡散臭さが増したのがわかって貰えるのではないだろうか?
「…………」
「何故私は、熱い眼差しで見つめられているんでせう?」
「い、いや。最初は君がトラブルの中心なのかと思ったけど、実は君こそが彼女達を纏めてたんだな、と驚いたというか……」
「はっはっはっ。さっきの仕返しにしちゃあ、気が早うございませんこと?」
「え?……あ、いや違っ、私は純粋に君を褒めただけでだね?!」
はっはっはっ。切れ味鋭いツッコミをどうも(致命傷)。
……どう考えても、一番普通な俺が纏めないと立ち行かないメンバーなんだよなぁ。
普段まともなAUTOさんも、時々はっちゃけるというか変になるのはさっきの様子を見てればわかるし。
CHEATちゃんに関してはTuberなんてやってる時点で普通なんてものは没個性、そんなところには止まってられやしないだろうし。
……あ、TASさんは言わずもがなです、はい。
「空中から斜め下に下降する加速蹴りができるような人が、まともな人類であるはずがあろうか?いやない」
「わざわざ反語で言わなくていいから」
「はははは。だったら頭をがじがじ噛むの止めてくれませんかねぇ?」
「いやあの、血が出てるけども……」
「いつものことですの。お気になさらず」
「……やっぱりみんなトラブルメイカーなんだね……」
呆れたような、感心したような、そんな微妙な笑みを浮かべるMODさんに対し、俺は(頭を噛まれながら)歓迎の言葉を述べるのだった。
「
「なんでそんな胡散臭い言い方なんだい……」
なお、最大限の親愛を込めて贈った言葉は、MODさんには薄気味悪がられるだけに終わるのだった。
……やっぱりグラサン必要だったかな?
「それをするなら
「ウェエェッ!!?なんで私が巻き込まれること前提なのさ!?勝手にやってなよ二人で!!?」
「なにを言うんだ。歓迎なんだからみんなでやらないと。ね、AUTOさん?」
「……ノーコメントですの」
「ソコハハンロンシテヨー!!」
「うるさい」
「ホギャー!!?マタメガァーッ!!?」
「……こ、個性的だね、君達」
そのあとのやり取りでは、更に腰の引けた態度を見せて居たけれど……残念だが一度入ったら取り返しが利かないのが我々のグループ、諦めてお前も変人仲間に入るんだよ!
……あ、いや間違えた。できれば唯一の普通の感性の人として頑張って欲しい。さっきの正義の味方ムーブ見てたら、無駄なお願いかもしれないけれど。
「よぉしわかったぞー!君は敵だ悪だやっぱり成敗だー!!」
「うるさい」
「へぶっ!?」
なお、最終的にはTASさんが勝った。
いつも通りの結果ですが問題はありません。多分。