「……あれ?なんか先生昨日と違うくない?」
「やだなぁ、先生なんて毎日違うみたいなもんじゃん」
「──んー、それもそっか」
「……なんか、露骨に生徒達の思考が操作された痕跡があったような気がするんだけど、これって私の気のせいかな?」
「気のせいじゃない。この学校は異端がそこら辺を歩いていても気にされないように細工されている……」
「あ、お姉さんなんでTASさんがこの学校に所属してたのか、その理由がわかってきた気がするぞー」
あれだ、端からここが面白そうだと目を付けてたあれだな?
……とまぁ、TASさんがここにこだわる理由の一端を垣間見た私だが、それはともかくとして。
現在、普通に登校してきた私達は日本被れさんが戻ってくるのを大人しく……大人しく?待ってる最中。
どうやら他の四天王?とやらと顔合わせをさせてくれるらしいとのことなのだが……大丈夫?いきなりそんな纏めて登場させると在庫処分みたいにならない?
「お姉さんはたまに毒舌だけど、今回はいつもにも増して毒舌」
「いやだって、ねぇ?別に四天王がいようがいまいがどうでもいいけど、それが一度にやって来るとなると話がまた変わってくるというか……」
「具体的には?」
「今のところ私達と四天王がどう関わるのかはわからないけど、それでも一度に来たのなら後ろからTASさんが全部ぐさーっとしそうというか」
「あれ、おかしい。何故か私が酷いことする、みたいな話になってる」
「しないの?」
「しな……いとは確約できない」
「確約できない時点でダメじゃん」
いやほらねぇ?
既に四天王については同人ちゃんからの説明により、わりと真面目に戦うタイプのそれであることが明言されている。
……詰まるところ能力者の類い、ということになるわけだが。
それってTASさんからすると、自分の技能を磨くための体のいいサンドバッグみたいなもの、という扱いになってもおかしくないわけで。
こう、四天王の一角である日本かぶれさんとある程度交流を深めたあとだと、そうして即座に消費されるのは可哀想だなー、という気持ちになるというか。
……あと、この作品の傾向的に男子キャラは余計にその傾向が高そう、みたいな気持ちもなくはないというか(かなりメタい台詞)。
「……言われてみれば、貴方様以外の男性というのがすっと思い浮かびませんわね。いえ、家に戻れば私もお父様がいらっしゃるのですけれども」
「あー、私も言われたらそうかも。弟とかいるんだけどね」
「なんか今CHEATちゃんがさらっと衝撃的なこと言わなかった???」
てっきりみんな一人っ子なのかと思ってたけど、言われてみればその辺りのこと詳しく聞いたことなかったな???
なるほど、実はみんなのこと知らない部分もあったんだなぁ、としみじみ実感しながらCHEATちゃんのスマホに写し出された彼女の弟とやらを確認する私である。
「……三周目でどっかから湧いた、って線はねぇのか?」
「!?」
途中、ROUTEさんから衝撃的な指摘が飛んできて、一時以前の周回との違いについて真剣に考察する必要性が私達の中に広がったりもしたが……、そうこうしているうちに日本被れさんが戻ってきてしまったため、その辺りの話は後回しに。
改めて気を取り直し、日本被れさんが連れてきた四天王達に視線を向ける私達である。
「ハーイ、デハそれぞれ本人から自己紹介シテ貰いマース!」
「ではトップバッターとして私が。四天王が一人、新聞部部長──『戦慄のゴシップばら蒔き』です、どうぞよろしく」
「初対面でなんだけど今すぐど突き回していいかな?」
「オー、その気持ちハわかりマース」
「はっはっはっ、二人とも酷くないです?」
まず一人目、真面目そうな見た目の眼鏡の少年が進み出て来たのだが、発言内容からしてクズにもほどがあった。
これはこれからの世界のために早急に滅ぼしておいた方がよい存在……間違いない。
「二人目は私、空手部部長の『部員に厳しいギャル』だよー、宜しくネ☆」
「その格好で空手部……だと……!?」
「ネイルとかは流石に部活中はしてないから安心してネ☆」
続いて二人目。見た目滅茶苦茶ギャルな少女は、彼女の言葉に間違いがない限り空手部の部長である、とのこと。
なんだろう、四天王達はギャップに全振りみたいなあれなのだろうか?
「三人目は俺、『成金』だ!シンプルイズザベスト!」
「うわぁ……二次創作とかであれな扱いされてそうな見た目……」
「止めろよ気にしてるんだぞ!?俺は成金だがちゃんとボランティアとかもしてるんだぞ!?」
「うわぁ……地道な人気取り懐柔策だ……」
「この先生贔屓目が過ぎやしないか!?」
三人目、もう見た目からして金持ちだと主張する青年は、異名まで成金なものだからなんというか別の意味でインパクトがスゴい。
こんなコテコテの成金今のご時世存在するんだ……なんて気持ちになった私を誰が責められようか。
「そして四人目、私が四天王最強の存在である……」
「いや待て待て待って」
「なんですか、自己紹介の途中なんですけど」
「四天王なのに五人目なの何」
「……?四天王と言えば五人いるものでは?」
「変なお約束に従う必要なくない!?」
で、それに日本被れさんを合わせて全部……かと思っていたのだけれど。
何故か存在する五人目(本人の主張だと四人目)、眠たそうに目蓋を擦る少女は、不思議そうな顔でこちらを見詰めて来ていたのだった。