うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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校長?やっこさん消えたよ……

「……ちくしょうどこにもいねぇ!?」

「これは一体どちらなのか。最初からいなかったのか、はたまた私達の気配を察知して逃げたのか」

「そのどちらでもない可能性もある。相手は中々にやり手」

「ほう、それは対峙するのがとても楽しみ」

「何の話をしてるんだ君達は……」

 

 

 突撃隣の校長室、とばかりに足を踏み入れたのだが、中はもぬけの殻。

 ……いや、正確には机とか椅子とかの調度品はちゃんと置いてあるのだが、本来そこにいるはずの校長の姿だけ見えないというか。

 

 逃げやがったか、と呟いた私の言葉に、TASさんと読者家ちゃんがあれこれ推論を投げ掛けてくる。

 ……のを見て、後から追い付いたMODさんが何とも言えない顔でツッコミを投げ掛けて来たのだった。

 

 

「何って……血祭りにあげようとしていた対象がいなくて困ってるんだけど」

「困ってるー」

「るー」

「なんでそんないきなり仲良くなってるんだい君達……あと、流石に校内で刃傷沙汰(にんじょうざた)は止めてくれたまえ」

「えー」

「えー」

「えー」

「いや本当に仲良いな君達……」

 

 

 ち、校長め運のいいやつ……。

 ……それはともかく、確かに読書家ちゃんとこっちの相性がよい、というのは間違いなかろう。

 なんというかこう、二人目のTASさんとしてしっくり来る、みたいな?

 

 

「むぅ。二人目扱いはとても心外。でも受け入れられたのはありがたい」

「お姉さんは大概こういう人だから諦めて」

「なるほど。先人の言葉には倣っておく」

「うんうん。二人が仲良しでお姉さんは嬉しいよ……!」

(別に感動的なシーンというワケでは無いト思うのデスが、先生はナンデ目尻の涙を拭っているのデショウねー?)

 

 

 まぁ、二人目扱いされた読書家ちゃんは、「ちーちゃんと呼んで」と再度主張しつつ、不満を並べ立てていたわけだが。

 隣のTASさんがしれっと私のことをなんかまた軽い扱いしてるけど、それで二人が仲良くなるのなら私は喜んで身を投げ出そう、うん。

 ……あと関係ないけど、日本被れさんは首を傾げてらっしゃいますが何がそんなに不思議なんです?

 

 そうこうしているうちに、わりと大所帯となった他の面々も続々と校長室に集合してくる。

 ……結果、ある程度の広さはあるとはいえ、都合十三人(+一人)が集合した室内は、中々狭く感じるような状態になってしまったのだった。

 

 

『おい待てぃ、プラス一などという適当な纏め方をするでないわ!』

「ぬぉわ!?なんだこれは!!半透明!?まさか神か!?」

『──突然なんだがお主、(わし)の神官にならぬか?』

「止めなさいお馬鹿」

『痛い!?』

 

 

 で、こうして集まったことで、先程とはまた違った感じに会話が弾むわけで。

 

 ……実体がないので『ついで』扱いされたことに憤慨したスタンドさんが抗議の声をあげ、それにビックリした成金君が小さく後退り、その姿を見たスタンドさんが彼を気に入る……。

 そんな流れが唐突に発生し、何かやらかす前にDMさんがスタンドさんの後頭部を強打することになったりとか。

 

 

「ところで貴方は何故堂々と喫煙を?詳しく聞かせて貰っても???」

「うぜぇ……」

「ヤダ口悪~ぃ!そんなんダト必要な時ちゃんと動けずに困っちゃうゾ☆」

「うぜぇ…………」

 

 

 あんまり関わりたく無かったのか、部屋の中心ではなく出入り口の近くに陣取ったROUTEさんに対し、新聞部君とギャルちゃんが絡みに行ってたり。

 はたまた、ダミ子さんが日本被れさんと何事か話してたり、中々カオスな様相である。

 

 

「……そもそも今回は顔見せ程度というようなことを仰っていらっしゃった様な気がするのですけど、別にもうここで現地解散してもよいのではありませんこと?」

「オット、それもそうデース!基本的には別クラスデスし、詳しいことは放課後話しマショー!」

「何かまだやることあるんです……?」

「イエス!私達もみんな同棲生活デース!」

「は?」

 

 

 そんな中、基本いつでも冷静なAUTOさんが代表して、この場はとりあえず解散すべきでは?……との発言を投げ掛けてきた。

 確かに、校長の姿がここにはない以上、留まり続ける理由もない。

 始業の時間も迫っていることだし、教室に戻ることに異議はないが……それに対して放課後再び集まろう、と声を掛けてくるのが日本被れさんである。

 

 ……そういえば、そもそも校長を血祭りにあげようとしたのって、この子達の面倒を押し付けられたからだっけ。

 いやそれでも、まさか私生活に至るまで面倒を見ろ、みたいな話だったとは思わなかったけども。

 

 

「ひぃ……ひぃ……なんでみんなそんなに足早いんっすか……っていうか廊下は走るなって話じゃないんっすか……!」

「オヤ、そういえば見ないと思ってイタラ……大幅周回遅れデシタか」

「貴方達が早すぎるんっすよ……教室からここまでどんだけ離れてると思ってるんっすか……」

「オー、ソコは気にシタラ負けデース!ところで、同人ガールには()()()お知らせガ一つあるノデスが、ここで聞きマスカ?」

「はい?嬉しいお知らせ?」

 

 

 そうして思わず愕然としていると、入り口の方からか細い声が響いてくる。

 見れば、そこには室内に姿の見えなかった同人ちゃんの姿が。……どうやら、先程までの流れで置いてけぼりになっていたらしい。

 別にそれならそれでこっちのことは放置でもいいだろうに、なんと律儀な事か……なんて風に思っていたのだけれど。

 

 

「貴方もシェアハウス決定デース!今日からナノデ、帰ったら準備して学校に集合シテ下さいネ?」

「……はい?」

 

 

 突然日本被れさんから告げられた言葉に、彼女はぴしりと凍り付いていたのであった。

 ……え、なんでこの子も巻き込まれてるんです?

 

 

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