結局、成金君は今の喋り方が嫌いではない……とのことで、スタンドさんの罪は大分軽くなることに。
今回は邪神めいたことしておらぬのに……と愚痴るスタンドさんの相手はDMさんに任せ、改めて話題を戻す。
「戻すと言うと……読書家の能力の話、だったか?」
「引っ張る必要がないからさっくり明かすけど、私のは『本の中身を再現する』異能」
「シンプルに強っ」
「限度があるからなんでもできるわけじゃない。でも四天王内最強なのは確か」<ドヤッ
そうして明かされた読書家ちゃんの能力は、なるほどTASさんアナザーみたいな見た目であることに対する説得力溢れるものだった。
……雑に言って『なんでもできる』となるその能力は、確かに四天王最強を名乗ってもおかしくない格を持つといえるだろう。四天王なのに五人いるけど。
そこは気にする所じゃない……と不満げな読書家ちゃんに苦笑を返しつつ、たどり着いた下駄箱で靴を履き替える。
「あ、遅いデスよう先生!何してたデスかー?」
「死にかけてました」
「
なお、外で待ってた面々に素直に起きたことを報告したところ、大層驚かれました。
「うーん、先生の話ヲ聞いてイルと、自分が不死身とか名乗っテルの実は大分アレなのデハ?……という気分にナッテきマスねー」
「いやー、俺のは君のとは別方向だから気にしなくていいと思うよ?」
「そうデスかねー?」
「そうそう」
うん、多分俺があれっていうよりTASさんがあれこれしてる、って方が正解だろうからね!
……いやホント、TASさんには足を向けて寝られないよこんなの。
まぁ、その辺りを素直に伝えると滅茶苦茶ドヤ顔(※当社比)するので、あんまり伝えない俺なのだが。
「
「はははだったら噛むの止めて欲しいないでででで」
「あの……血が出てますけど……?」
「ああ、いつものことなのでお気になさらず」
「ええ……もしかして明日の朝刊は『怪奇!噛み殺された教師の謎に迫る~現代の狼、復活か~』という見出しにするしかない……?」
「どういう記事を書こうとしていらっしゃいますの貴方?」
「それは勿論みんなが喜ぶような真実を……痛いっ!?痛っ、いやなんですか読書家さん!?」
「……?TASの
「痛いっ!?」
(
毎度のことながら、人の思考を読まないで欲しいものである。
そんなことを、視界に掛かってくる赤い液体を拭いながら考える俺であった。
なおこれ、別に血ではない。
じゃあなんなのかというと、実はトマトケチャップである。
血糊には見えないのが常だが、頭から垂れてくるというインパクトにより周囲を騙すには十分……え?頭からケチャップを垂れ流す意味がわからない?
それに関してはほら、TASさんのストレス発散なので仕方ないというか。
決して実は真面目に血が流れているのを誤魔化しているとか、そんな話ではない。ないけど誰かレバニラとか持ってないかな???
それはともかくとして。
新聞部君もといゴシップヤローが何かしようとしていたが、その暴挙は読書家ちゃんの行動によって止められた様子。
……多分TASさんの真似をしてるだけなのだろうが、出力が執拗な脛蹴りに変化している辺り、彼女なりの配慮なのかもしれない。何の配慮なのかは知らない。
「いやゴシップヤローは酷くないですか?」
「酷いと思うのなら変な記事書こうとするの止めなさいよ」
「嫌ですよそれが私の生き甲斐なんですから」
「
「了解、行くよチー」
「分かったター。……こう訳すと何だか姉妹みたい」
「なるほど、つまりこれは姉妹のツープラトン」
「おー」
「ちょっ、わけのわからないことを言いながら近寄ってこないで……痛いっ!?さっきより何倍も痛い!!」
なお、自身のやってることが自身に返ってきてるだけ、なのに文句をぬかすゴッ君(最早元の原型なし)は、熱き姉妹達の愛による無限脛蹴りアタックの前に無残に散ったのであった。
……よもや俺よりヒエラルキーが下の存在が現れるとは思わなかったが、これはこれで俺への被害が減るのでありがたいのかもしれない。
まぁ、攻撃を続行していたTASさんが突然くるりと振り返って、『何言ってるの、お兄さんはいつでも被害担当だよ』みたいな顔をしていたため、俺の視界は真っ白になったわけなのだが。
「なんでもいいが、いい加減天下の往来でふざけんのやめろやテメーら」
「「「はーい」」」
「わ、私はふざけてないのに……」
「はいハイ、いいからさっさと歩くデース。この数時間でどれだけ自身の地位を貶めレバ気が済むのデスか貴方?」
「別に自分からやったわけじゃないんだけどなぁ!?」
なお、最後にはROUTEさんに『いい加減にしろ』と怒られました。
なんやかんや順調にリーダーシップが育っているようで、お兄さんとしては鼻が高……痛い、止めてROUTEさんまで一緒ににって俺を攻撃しないで!?