うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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朝ですよー、色々忘れてませんかー

「……眠い……」

「私も眠いっす……」

「自業自得では?」

 

 

 元を正せば宿題終わらせてないのが悪い、いいやいきなり移動しろとかなんとか言われて終わるわけがない……。

 

 そんな不毛な言い争いをしつつ、食堂相当の場所へと移動する俺達である(起きて外に出た時にAUTOさんに戻して貰った)。

 というか軽々しく性別変更しないで欲しいんだが。性自認変なことになりそうだし。

 

 

「別にそれはそれでいいと思う」最悪男でもいいからくっ付け、的な意味で

「何がぁ!?何もよくないけどぉ!?」

 

 

 TASさんがスッゴいなげやりに言ってくるんだけどぉ!?

 俺は男なんだよその辺り理解して?!……あ、だからと言って露骨に避けるのは止めてね、傷付くから。

 

 

「?なんで避けるの?」

「いや、わからないんならいいんだ……こっちが勝手に気にしてるだけだから……」

「???」

 

 

 思春期になると父親とか兄弟とか嫌うのが女の子の常、みたいな感じと言うか。

 ……いかんな、想像したら血を吐きそうになってきた。

 もしTASさんに『洗濯物触らないで』とか『食事は別にして』とか言われたら俺……。

 

 

「……どうもしねぇな」

 

 

 よく考えたら乱数調整とかなんとかでよくやられてたな?

 今さらその辺りを気にする意味欠片もないな?

 

 なんだ、心配して損した。

 そんなことを考えながら、何やら察知したらしいTASさんの噛み付きを甘んじて受ける俺である。

 

 

「また変なことに考えたんっすね……」

「その言い方は止めてくれんか、訴えられたら負ける」

「常に負けること気にしてないっすか???」

 

 

 いや、だって実際に誰にも勝てないし……。

 隣を歩く同人ちゃんにそう返せば、彼女は名状し難い渋い顔をしながら自分の分の料理を受け取りに行ったのだった。

 

 え?俺は取りに行かないのかって?既にTASさんが俺の手に二人分のお盆を乗せてるから必要ないんだよなぁ。

 

 

「……エエト、どうやって取りに行ったんデスかソレ?」

「さっきまでの会話が所持フラグになってた」

「所持フラグ……???」

 

 

 で、そのまま適当に机に着くと、目の前に該当する席に座っていた日本被れさんが、意味がわからないとばかりにこちらを見つめていた。

 どうやら、まだまだTASさんの動きに慣れていないらしい。

 気を付けな、TASさんは下から来るぜ(彼女の後ろににょきっと現れたTASさんを見ながら)。

 

 ほわぁ!?と大袈裟なまでに驚く日本被れさんを満足そうに見たのち、TASさんは俺の隣の席に戻ってくる。

 そのまま手を合わせていただきますをすると、彼女は箸を手に取りご飯を食べ始めたのだった。

 

 

「……そこは普通に食べるのだな」

「お兄さんに昔怒られた。食事を慌ただしく済ませないと間に合わないような話なら最初から破綻してる、って」

「貴殿、意外とまともなことも言うのだな……」

「俺のことなんだと思ってるの君ら???」

 

 

 大分失礼なんだが?

 ……などと憤慨しつつ、俺もまた他の面々に倣って挨拶をしたのち箸を手に取る。

 

 今日の献立は白米、味噌汁に鮭の塩焼き。

 至って普通の朝食とでも言うべきそれは、DMさんのお手製のものである。

 

 

「ごめんね今日は任せきりにして」

「いえ、私は睡眠の必要性もありませんので。それより、貴方の方は大丈夫だったので?」

「なんとか。同人ちゃんが頑張ったのもあるけど」

「なるほど、頑張りましたね同人様」

「ふぇっ!?えあ、ありがとうございます……?」

 

 

 生憎今日は早起き出来なかったため、夕食の仕込みまで含めて全部彼女に任せる形になってしまったが……当の本人は特に気にした様子もなく机の側に控えている。

 まるでメイドみたいな立ち位置……と考えたところ、そういえばこの人メイドだったわ、と自分の思考にツッコミを入れてしまったのだった。……ん?

 

 まぁともかく。

 話題を振られればこちらとしてもそれに返答するのが普通、ということでそのまま同人ちゃんが話の中心に。

 教えはしたものの、基本的には彼女が頑張るしかないのでその辺りをそのまま告げれば、DMさんはいい子いい子、とばかりに同人ちゃんの頭を撫で始めたのだった。

 

 うーん、まるでお母さん……。

 いや、そういえばそもそもDMさんってみんなのお母さんだったな……?

 

 

『しっかりせぬか大馬鹿者』

「いでぇ!?……はっ、俺は一体何を」

『目は覚めたか?なら重畳。ついでにあやつを助けてやれ』

「え?……っておわー!?」

「わ、私は子供……?お母さん???(おめめぐるぐる)」

「ふふふ、こんなに大きな子供は持った覚えはありませんが……貴方がそう呼びたいのなら構いませんよ?」

「お、お母さん……!!」

「しっかりしろー!!?」

「へべぇっ!!?」

 

 

 いきなり何をしてるんだこの人は(困惑)。

 何故か唐突に母親気質を発揮したDMさんに、思わず戦慄する俺。

 洗脳されかけている同人ちゃんの頬を叩いて目を覚まさせたのち、警戒しつつ問い返したところ。

 彼女から返ってきたのは、『たまにはこういう面も見せませんと』などという言葉とウインクなのであった。

 

 ……思い出すべき(ぞくせい)ってこういうのだったかなぁ!?

 

 

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